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Masaki Batoh

1966年生まれ 1984年、18歳より即興音楽を主体とするグループGhostを主宰。当初は実験的なインプロヴィゼーションやハプニング的要素が多 かったが、1989年にPSF Recordより発表の1stアルバム「Ghost」では楽曲と即興の両立、或は双方のミクスチャーが顕現。1995年発表の「Lama RabiRabi」でアメリカの大手レーベルDrag Cityより4作目を発表。本作品をもって、以降はシカゴを拠点に活発に米、欧州、アジアなどでツアー活動やアルバム制作を開始して現在に至る。ソロ活動 も平行して積極的に行われ、 本年2011年よりは「Brain Pulse Music/脳波の音楽」の制作・発表(今年11月予定)、及び国内・外のツアーを予定している。

近年の主な活動
2006 La Weekend Festival Stirling Scotland,  Europe Tour,etc
2007 Ghost Europe Tour,etc
2008 Helena Espvall and Masaki Batoh USA Tour with Damon and Naomi,etc
2009 Ghost USA Tour, Terminal Festival in Taipei Taiwan, Hebbel Am Ufer Festival in Berlin Germany(共演)坂本龍一
2010 馬頭solo USA Tour,etc

馬頭將器作品(近年の個人名義作品のみ)
A Ghost from the darkened sea  Now Sound/ Drag City USA 1995 L-44924-X/DC-180
Kikaokubeshi  Now Sound/Drag City USA 1996 NS-09-H/DC-180
Helena Espvall and Masaki Batoh  Drag City USA 2008 DC-359
Overloaded Ark  Drag City USA 2009 DC-388


<Brain Pulse Music(ブレイン・パルス・ミュージック/脳波の音楽 とは>

長 らく実験的な前衛音楽を中心に活動してきた音楽家、馬頭將器(ばとうまさき)は、今年、従来とは一線を画した全く新たな表現領域へ踏み出した。それは従来 の何らかの楽器類を操作して、或は声帯による唱法によって音楽表現をするのではなく、自身の脳波を抽出して純粋にそれのみをジェネレーターへ送り音楽表現 とするものである。具体的には、頭蓋にのせたヘッドセットから前頭葉及び側頭葉の脳波をピックアップしてワイヤレスにて受信機へ送り、ジェネレーターに於 て周波数へ返還して原初の出力とするというものだ。苦労の末に開発したこの装置は、小金井市の音響機器製作会社MKCにお願いし昨年完成したものだ。脳波 を抽出して送信するというのは、現在でも医療系の特殊機器領域でしか開発・使用されていない先端特殊技術だ。
今回のこの馬頭將器の新しい音楽表現は、あらゆる肉体的運動も表徴も伴わない、純粋に脳波のみを媒体として創造される思考的音楽であり、思考や感情、瞑想などにより脳波をコントロールしてその時々の即興性を見せるメタフィジカルなものである。


<従来の即興音楽、実験音楽、アヴァンギャルド等の前衛音楽との違い>

作 為的にならず、何の準備もなく、心の赴くままに前衛らしく(突拍子も無い事をやらなくてはいけない)演奏する従来の方法には限界があった。元来、その時そ の時の気分であらゆる概念から解放されて完全にフリーに、スピリチュアルに、有機的に演奏する表現方法を目指したはずが、フリージャズやジャムバンドとい う即興主体のジャンルが出来てブームになってしまった程、これらの表現方法はもはやパターン化して固着している。なぜなら演奏家というものは日々技法を獲 得したり学習するもので、どうしても「習慣」や「パターン」で演奏してしまうようになるからだ。既成の概念を断ち切るのが目的であったこれらの音楽のアイ ンデンティティは昨今厳しいものがある。

「Brain Pulse Music」は、楽器演奏技術や歌を含む全ての肉体的動作と無関係に、ただ座位のまま黙想する事によって即興演奏するため、作為の一切及ばない真の即興音 楽だ。従来の音楽家との比較は無意味だが、また「Brain Pulse Music」のジャンル仕分けも無意味だが、スタート地点の概念が根本的に大きく異なるということにおいて、意義ある実験音楽であり、前衛おんがくであ る。