年始から順次発表してきたclubberia Award。最後を飾るのはアーティスト部門。その年のリリースや来日など活動状況により順位への影響は大きい。果たして2016年はどのアーティストに注目が集まったのだろうか?
(各アーティストページのページビュー数に加え、読者投票、SNSの反響数、ニュース掲載数をもとに算出)

Text : 編集部

30

TRESVIBES SOUNDSYSTEM

Photo by Kouyou Watanabe

10

Floating Points

彼がもっとも注目を集めたタイミングは2015年末だったように思う。様々なメディアで同年11月にリリースされた作品『Elaenia』がベストアルバムに入った。勢いそのままに2016年にはEP『Kuiper』をリリース。さらにはバンドセットで来日とファンを喜ばせた。人気のダンスミュージックプロデューサーとしてだけでなく、音楽家としての存在感、才能を見せつけた。

9

Richie Hawtin

ADE、Sonar、Weather Festivalなどの巨大フェスティバルへの出演をはじめ、日本でもEnter.Sakeで来日したRichie Hawtin。シーンのカリスマとして不動の人気を誇る彼だが、2016年は自らDJ機材の開発に携わった製品までリリース。PLAYdifferentlyのDJミキサー「MODEL 1」のプロモーションで来日した際には、自らのトークとパフォーマンスでプレゼンテーションし、徹底した拘りを見せてくれた。

Photo by Ryu Kasai

8

Francois K.

Francois K.は 2016年で4回も来日した。渋谷にできたContactのオープニングと大晦日に出演。表参道にできたVentでは400人限定でOpen to Lastでパフォーマンス。そしてハウス・ミュージック好きにとっては恒例行事のBody & SOUL。通常1年に1回来日すれば多いほうと考えられる海外アーティストがこれほど来日するということは、オーディエンス、クラブからの大きな人気と信頼があるからだ。

7

Moodymann

デトロイトサウンドのカリスマがDJミックスをリリースした。なにが驚きというと30年近いキャリアにも関わらず2016年にリリースした『DJ-Kicks』が初めてだからだ。これまで現場でしか味わうことができなかった彼のDJがパッケージ化され、まさに一家に一枚とオススメしたい作品だ。(彼の作品は独特なのでクレームもくるかもしれないが…)そして新作を携えての来日し、待望のジャパンツアーが実現した。

Photo by Masanori Naruse

6

Jeff Mills

世界で初めて宇宙に行くべきDJは彼をおいてほかに考えられない。(むしろ彼より先に行くDJがいたら非難されそうだ)これまで一貫して宇宙をテーマに活動を続けていた彼。2016年は東京・浜離宮朝日ホールで行った映像体験作品『THE TRIP』は音と映像の融合を試みたもので、日本初公開となった。また東京フィルハーモニー交響楽団と共演した爆音クラシックも話題となった。

Photo by ©De Fotomeisjes

5

Gonno

国内のパーティーやレイヴ、フェスティバルで引っ張りだこのGonno。2016年は自身初となるオーストラリアツアーを成功させたほか、なんといっても世界最高峰のクラブBerghain/Panorama Barの12周年パーティーに出演したことがあげられる(出演はPanorama Bar)。また、プレス加工工場とコラボレーションし機械が発する音を使用したテクノトラックを作るなど面白い試みもみせた。

Photo by Jiroken

4

石野 卓球

6年ぶりのソロアルバム『LUNATIQUE』をリリースした石野卓球。それに伴う各メディアに掲載されたインタビューも話題にあがった。そして2016年も開催されたWIRED CLASH。開催前に行ったインタビュー取材では、また1万人規模のイベントを考えているという嬉しいコメントもあった。今年の話になるが彼がWOMBで開催している「STERNE」は今年3月に15周年を迎える。

Photo by Miyu Terasawa

3

DJ Emma

clubberiaでは2016年、DJ EMMAのインタビュー記事を3本公開した。どの記事も非常に多くの読者に読まれた。それほど私たちは彼の言動に注目している。同年10月にリリースされた20枚目の『EMMA HOUSE』は2枚組の豪華版。テクノが流行っている今だからこそ、ボーカルハウスの魅力を提示してくれた作品だった。

2

Nina Kraviz

Coachella 2016への出演発表で年始早々驚かせてくれたNina Kraviz。clubberia Artist Awardや、Beatport、Mixmagでも賞を受賞し、名実ともにエレクトロニックミュージックシーンで頂点に立つアーティスト。アーティストとして“成功という成功”を収めたようにも思えるが、それでもなお自身にクリエイティブな潜在能力がどれほどあるのか探求したいと語っていた。

Photo by Ryuya Amao

1

DJ NOBU

2012年から行ってきたArtist Award。これまでDJ Harvey(12年、13年)、Nina Kraviz(14年、15年)がclubberiaではトップに輝いてきた。そして2016年もっとも注目を集めたのは日本人DJのDJ Nobu。彼が出演する国内外のパーティーやフェスティバルを多く取り上げた。大きいものだと「DEKMANTEL」や「WEATHER FESTIVAL」だが、やはりBerghain/Panorama Barの12周年パーティーが大きい。DJ NobuはBerghainに出演。The Black MadonnaとBack to Backセットを披露した。世界最高峰のクラブがアニバーサリーという特別なものに彼のDJを必要とした。これを偉業と言わずして何と言えばいいのだろうか。

Photo by Masanori Naruse