そういえば以前は“夏フェス”という言葉があったなと思う。フェスといえば、夏、野外、汗だく。そんな三拍子が揃っていた。それこそ今では1年中、フェスティバルと銘打つものは開催されている。時期やファンに合わせたアクティビティーが充実していたり、VIPエリアやグランピングなどの高級志向なものだったり様々だ。2016年、日本全国で開催されたフェスの中でクラベリア読者にもっとも注目を集めたものは何だったのだろうか? トップ20方式で紹介。
(各フェスティバルのページビュー数に加え、読者投票、SNSの反響数、ニュース掲載数をもとに算出)

Text : 編集部

20

ZIPANG 2016

2016/ 6/ 25 - 26 at 南房総国定公園 白浜フラワーパーク

DJ Nobu, Gonno, DJ Yogurt, DJ Hikaru, Altz, CD HATA feat NATACHA, Rino Latina II & DJ Yas, CMT, Indus&Rocks, RaBiRaBi, and more

Photo by Ken Kawamura

19

PUBLIC LABO BLOCK PARTY

2016/ 5/ 5 at 晴海客船ターミナル

A-Trak, Yg, Skepta, Cozy Boys, Shintaro, Kingmck, Arthur Yeti, and more

18

rural 2016

2016/ 7/ 16 - 18 at 湯の丸高原

Sendai Sound System, Mika Vainio, Pearson Sound, O/H, Cio D’Or, Dj Nobu, Gonno, Aoki Takamasa, Neel, Felix K, Solar, Jane Fitz, and more

Photo by John Anderson

17

さんピンCAMP20

2016/ 7/ 10 at 日比谷野外音楽堂

ANARCHY, B.D., 田我流 feat.stillichimiya, D.O, 般若, 漢 a.k.a. GAMI, OZROSAURUS, RYUZO, サイプレス上野とロベルト吉野, and more

Photo by Yusuke Oishi

16

りんご音楽祭2016

2016/ 9/ 24 – 25 at アルプス公園

Dj Nobu, 川辺ヒロシ, Dj Eyヨ, Altz, 韻シスト, Shing02, Tofubeats, Dorian, Trekkie Trax Crew, Punpee, 向井秀徳アコースティック&エレクトリック, and more

Photo by 平林岳志(grasshopper)

15

Gilles Peterson presents WORLDWIDE SESSION 2016

2016/ 5/ 4 at Studio Coast

The Miguel Atwood-Ferguson Ensemble, The Sun Ra Arkestra Featuring Marshall Alen, Terumasa Hino+Soil&”Pimp”Sessions, Toshio Matsuura, Gilles Peterson

Photo by Satoru Kozukue

14

Body&SOUL Live in Japan 2016

2016/ 6/ 12 at 晴海客船ターミナル

François K., Joaquin"Joe"Claussell, Danny Krivit

Photo by gaku maeda

13

BLUE by MUSIC CIRCUS~BEACH EDITION~

2016/ 5/ 8 at タルイサザンビーチ

Steve Aoki, Blasterjaxx, Ummet Ozcan, Makj, Matthew Koma, 中田ヤスタカ, Mitomi Tokoto, Daishi Dance, Yamato, Kento, and more

Photo by MUSIC CIRCUS

12

Montreux Jazz Festival Japan 2016

2016/ 10/ 7 - 9 at 恵比寿ザ・ガーデンホール / UNIT

Sonzeira Live Band, Derrick May, Francesco Tristano, Henrik Schwarz, Juju & Jordash, Call Super, Oskar Offermann, Ohm Hourani, DoMi, and more

Photo by Kenta Suzuki/Taiki Murayama

11

The Do-Over TOKYO 2016

2016/ 7/ 17 at ベルサール渋谷ガーデン Hall & Court 特設会場

Tony Touch, Oliver $, Dj Kentaro, Grooveman Spot, Zeebra

Photo by Takumi Yamamoto

10

electrox 2016

2016/ 1/ 9 at 幕張メッセ

Afrojack, Kaskade, Bassjackers, Kshmr, Mat Zo, Pkcz®, Quintino, R3Hab, Vinai, Will Sparks, 80Kidz, Alisa Ueno, Banvox, and more

今や新年の恒例フェスティバルとなったEDM系フェスティバル「electrox」。初開催は2014年なので3回目の開催となった2016年。シーンではEDMという表現を避ける風潮があるが、今も変わらずEDMと謳い続けている点にポリシーを感じる。2016年はAfrojack、Kaskade、Bassjackersなど国内外から計24組の超ヘビー級のラインナップが揃った。
(C)electrox All Rights Reserved.

9

SUMMER SONIC 2016

2016/ 8/ 20 - 21 at QVCマリンフィールド&幕張メッセ / 舞洲サマーソニック大阪特設会場

Radiohead, Underworld, サカナクション, Fergie, The 1975, Mark Ronson, Suede, The Offspring, Alesso, Weezer, and more

Underworldが出る! Radioheadが出る! フェスの出演者第一弾ラインナップの発表ほどドキドキするものはない。そして待望の初来日アーティストもあった。彼女の名はMØ(ムー)。Major Lazerのヒット曲「Lean On」にフィーチャリングされたシンガーだ。そして今年の事件は何と言ってもRadioheadが名曲「Creep」を歌ったことだろう。
©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

8

TAICOCLUB’16

2016/ 6/ 4 - 5 at こだまの森

Nick The Record, Traxman, Taylor McFerrin & Marcus Gilmore, Tobias., Tycho, ARCA DJ + JESSE KANDA AV SET, and more

2015年で10周年を迎え、2016年目は新たな一歩を踏み出した年のように思った。ある意味そうだったのかもしれない。それは2017年開催発表時に2018年の開催をもって終了することを発表したこと。残り2回となったTAICOCLUBを存分に楽しみたい。これほどまでに、さまざまなジャンルの、そして世界トップレベルのアーティストが揃うフェスはそうそうないのだから。
Photo by Mariko Kurose

7

MUTEK.JP 2016

2016/ 11/ 2 - 4 at WWW X & WWW, Red Bull Studios Tokyo

Alva Noto, Byetone, Dasha Rush, Martin Messier, Herman Kolgen, Max Cooper, Maotik+Metametric: DURATIONS, and more

“聴いたことのない音楽、見たことのない映像”のオンパレードだった。今年日本初上陸した電子音楽と最新テクノロジーを駆使したカナダ最大級のフェスティバル「MUTEK」。もちろん初体験には“困惑”がつきものだが、それも含め面白いフェスティバルだ。もちろん視覚的、聴覚的に美しいと感じる瞬間も多々あった。2017年の開催発表も待ち遠しい。
Photo by STOROROBO

6

PACHA FESTIVAL TOKYO 2016 KICK OFF

2016/ 5/ 3 at 晴海客船ターミナル

Basement Jaxx (DJ Set), Martin Solveig,Klingande, Fedde Le Grand,Goreperformance Ibiza, Daishi Dance, Tjo, Yasuca, Cyberjapan Dancers, and more

クラブミュージック好きなら一度は見たことがあるだろう“さくらんぼマーク”でお馴染みのスペイン・イビサを象徴するクラブPACHAが音楽フェスティバルとして日本に上陸した。会場は、レインボーブリッジや東京湾の美しいロケーションが望める晴海客船ターミナル。出演者にダンスミュージックシーンのトップに君臨し続けるBasement Jaxx(DJセット)が登場とあれば、盛り上がらないわけがない。
Photo by Masanori Naruse

5

FUJI ROCK FESTIVAL '16

2016/ 7/ 22 - 24 at 苗場スキー場

Sigur Rós, Beck, Red Hot Chili Peppers, Disclosure, James Blake, Squarepusher, The Album Leaf, BATTLES, The Avalanches, and more

2016年は20回目の開催となりメモリアルな年だったフジロック。日本の野外音楽フェスティバルの歴史はフジロックから始まったと言っても過言ではないだろう。出演者は、James Blake、Sigur Rós、Disclosure、Muramasa、Beck、Squarepusher、Red Hot Chili Peppers、Kamasi Washingtonなど、挙げだせばきりがないほどの豪華。自分のタイムテーブルを作るのにこれほどまで困ったことはあっただろうか。そしてトリの電気グルーヴのパフォーマンスは祝祭の最後に相応しいものだった。
Photo by Yasuyuki Kasagi

4

ULTRA JAPAN 2016

2016/ 9/ 17 - 19 at お台場ULTRA JAPAN特設会場

deadmau5, Hardwell, Tiësto, Martin Garrix, Nero, Dubfire, Matador, Takkyu Ishino, DJ Snake, Art Department, Jauz, Technasia, and more

年々規模を拡大していく「ウルトラ」。今年は延べ12万人の動員を記録。もはや日本の大規模ロックフェスと肩を並べるほどだ。例年に比べ天候は良くなかったが、とくにメインステージの盛り上がりは尋常じゃない。迫力の演出も加わり、ここは本当に日本なの? と思ってしまうほど。往年のダンスミュージックファンとっては嬉しいTiestの出演や新たなヒーロ、KYGOの登場と話題が多かった。
©ULTRA JAPAN All Rights Reserved.

3

SMF 2016

2016/ 7/ 16 at 県立幕張海浜公園

Juno Reactor, System 7, Zen Mechanics, DJ Lucas, Koxbox, Dachambo, Mixmaster Morris, Artman aka DJ K.U.D.O. , Ta-Ka, and more

近年トランスシーンが元気だ。パーティー、フェスティバルでの集客や盛り上がりをみると明らかだ。そして日本におけるトランスシーン黎明期からシーンを牽引し続ける通称「ソルス」が、2015年に引き続き野外で開催。2016年は海が舞台となった。海外でのビーチトランスパーティといえばインドのゴアを筆頭に数々あるが、トップアーティストのプレイを開放感あふれるビーチで体感できるのは日本ではなかなかない機会だった。
Photo by Masanori Naruse

2

RAINBOW DISCO CLUB 2016

2016/ 4/ 29 – 5/ 1 at 東伊豆クロスカントリーコース

Nightmares On Wax, DJ FUNK, Gilles Peterson, Move D, DJ NOBU b2b The Black Madonna, Egyptian Lover, San Proper, DJ Sodeyama, Kaoru Inoue, and more

発展途上のフェスではあるが、ざっくりとハウス、テクノ、ディスコにおいて世界照準の音楽が提案されていること、来場者への高いホスピタリティー、何より今後は何を提案してくれるのだろうという期待の持てるポテンシャルの高さ。これらが「RDC」の強みだろう。Andrew Weatherallの出演キャンセルがあったものの代役を務めたRadio Slaveは初日のトリをしっかり務めあげた。そして2日目のDJ NobuとThe Black Madonnaのバックトゥーバックは3日間で一番の盛り上がりをみせていた。
Photo by Jiroken

1

THE LABYRINTH 2016

2016/ 9/ 17 - 19 at 苗場グリーンランド

Shackleton, Pole, Orphx, Petar Dundov, Ishq, Donato Dozzy, Peter Van Hoesen, Svreca, Patrick Russell, DJ Nobu, John Elliott, So, Hiyoshi

ネット上にも詳しい情報は出ていないにも関わらず、毎年チケットは完売。最高のプロモーションは、音楽において最高のクオリティーを提供し続けることと言わんばかりだ。今年のチケットの完売スピードは過去最高ではないだろうか(クラベリアで販売した早割はものの5分で完売)。前年に超がつく悪天候で存分に楽しめなかったとしても(2016年は雨)、一度参加した人なら必ずこの場所に帰ってくる。3000人という規模で開催し続けるには人気が出過ぎた印象はあるが、今後のThe LabyrinthがThe Labyrinthとしてのクオリティーをどのように保ちつづけるのか興味深い。
Photo by Kazuhiko Kimishita