昨年から新たに行うこととなったアーティスト部門。年末年始にかけて行った読者投票とアーティストページのPV数、ニュース登場回数などを元に、2013年にクラベリア上でもっとも注目を集めたアーティストを上位30人発表する。ランキング付けの特性上、活動が活発的だったアーティストが主だってランクインしているが、読者投票でもEDM系のアーティストが多くの支持を集めているのが顕著に出ていた。そのような中で、いったい誰がもっとも注目を集めたのか?
※ランキング()内の数字は、昨年からの変動を表しています。(new)=20位以内初ランクイン、( - )=昨年と変動なし

Maya Jane Coles


今もっとも勢いに乗っている女性アーティストの1人であるMaya Jane Coles。2013年は「BIG BEACH FESTIVAL '13」に出演し、さらにそのまま「FUJIROCK FESTIVAL '13」へ出演。さらに2012年の〈!K7〉による看板シリーズDJ KICKSシリーズに続き、今回はオリジナルアルバム『Comfort』のリリースと日本における彼女の名前を浸透させるには十分の活躍だった。

RYUKYUDISKO


昨年もっともトピックスが多かったRYUKYUDISKO。2013年はデビュー10周年となり、10周年にちなんだ様々な活動が展開された。全国ツアーはもちろん、オリジナルアルバム『TEN TO TEN』と本作のリミックスアルバム『TEN TO TEN REMIXES』のリリース。さらにベストアルバム『琉球ベスト』、『LEQUIO BEST - Platik Playlist -』のリリースと1年間にこれほどの作品をリリースしたアーティストは、おそらく今までいないだろう。

Nick the Record


「Life Force」や「TAICOCLUB」での出演ですっかりお馴染みとなったNick the Record。高名なレコードディーラーでもある彼の流暢なミックスから紡ぎ出されるディープ、アシッド、デトロイト、シカゴ、テクノ、アフロ、ラテン、 ジャズ、ソウルなど時空を越えたレアグルーヴで聴く者を一瞬で虜にしている。今年は、全国6公演のジャパンツアーを敢行。名古屋"MAGO"公演 では、DJ Harvey × Nick the Recordというこれ以上ない共演が実現した。

Moodman


約6年ぶりとなったミックスCD『Crustal Movement Volume 03』のリリースで、あらためてMoodmanというDJの奥深さを知った読者も多かったのではないだろうか。また、彼のインタビューは今年もっとも反響が1つと言っていいだろう。イベントへのブッキング数、そして毎回のクオリティー、「CLUB」という現場からもっとも尊敬されているDJの1人だろう。

Shinichi Osawa


主要フェスティバルへの出演はもちろん、週末にShinichi Osawaのクレジットを見ないことはまずないだろう。2013年は、2008年-2012年のワークス集をリリースと、今までよりどちらかというと静かな動きだったかもしれないが、それでも彼の人気は不動のものには変わりなかった。

Steve Aoki


今年、日本でも本格的に流行の兆しを見せ始めたEDM。そのEDMシーンでもっともお祭り野郎な男Steve Aoki。2012年のグラミー賞にもノミネートされるなど、ただのお祭り野郎ではないことを証明している。2013年は、「SONICMANIA」に、今年 1月には、幕張メッセで行われた「electrox」に出演し異常なまでに会場を盛り上げた。

Dexpistols


ニュースへの登場回数も多く、日本のパーティーシーンに欠かせなくなったDexpistols。ソロでの活動も活発化し、より個性が強調されたのではないだろうか。またDJ Maarによるアパレルショップ"TOP SHOP"でのインストアDJのプロデュースや、年始に"UC"に行った4日連続のパーティー「Super New Year 2014」の開催など、シーンの活性化を促す活動にも力が注がれた。

Kaoru Inoue


代官山"AIR"のロングランパーティー「groundrhythm」も11周年を迎え、9時間にも及ぶロングセットで集まったオーディエンスを完全燃焼させたKaoru Inoue。全国大小さまざまなパーティー/フェスにも多く出演し、安定した人気を誇る。2013年は、映画「エル・トポ」や「ホーリー・マ ウンテン」などの監督としても知られるカルトムービーの鬼才・アレハンドロ・ホドロフスキーの自伝"La danza de la realidad"からの影響を伺わせるミックスCD『In Your Lucid Dreams』をリリースした。

DJ Sodeyama


自身が主宰するレーベル〈ARPA records〉によるレーベルショーケース「Arpa Showcase」では、Mathew JonsonやNina Kravizなどハウス、テクノを問わず、さまざまなアーティストを招き、飽和されていくパーティーとはひと味違った内容とクオリティーで確固たるポジションを確立している。また「WIRE」のアリーナのオープニングDJを務め、印象的なオープニングで「WIRE」のオープニングを飾った。

Hardwell


アメリカを中心に世界的ムーブメントを起しているEDMのトップアーティストHardwell。読者投票でもEDMシーンのアーティストへの投票が顕著に増えてきているのも事実。今年9月には、お台場で「ULTRA MUSIC JAPAN」も開催が決定しており、そのヘッドライナーとして出演が予定されている。

Theo Parrish


Moodymannと共にデトロイトのブラックネスを体現する男Theo Parrish。2013年は、「Star Fes.」、「electraglide 2013」のフェスへ出演した。「electraglide 2013」では、魂がこもったプレイでオーディエンスのハートを捉え、予定より60分も延長するなど、彼が作るDJとフロアの結束力には、相変わらず圧倒された。

DJ Koze


BattlesやCaribou、Matthew Dear、Matias Aguayoなど数々の傑作リミックスもフロアで大人気のアーティストDJ Koze。2013年は、実に8年ぶりとなるニューアルバム『Amygdala』をリリースした。また代官山"AIR"でのパーティーと京都「The Star Festival」への出演のため来日も果たしている。

Skrillex


2013年2月に発表されたグラミー賞では、前年に引き続きエレクトロニック系の部門でBest Dance Recording、Best Dance/Electronica Album、Best Remixed Recordingなど3部門を受賞する快挙を成し遂げ、さらにフジロックではホワイトステージのトリを務めるなどジャンルを越えた人気が伺える。また、今年の「Coachella Festival 2014」でもラインナップされている。

Minilogue


5年ぶりとなるニューアルバム『Blomma』を、ここ日本でも絶大な人気を誇るSven Vath率いる〈Cocoon Recording〉からリリースしたMinilogue。本作は、2枚組で計8曲という壮大なストーリーで綴る芸術的作品となり、6月にはリリースツアーも全国3都市で行った。またMotherが野外で行った「DISCOVERY '13」にも出演を果たした。

Gonno


アンダーグラウンドのシーンに限って言えば、今年もっとも活躍したDJ/プロデューサーの1人だろう。ニュース記事への登場回数も非常に多かったのも印象的だ。ヨーロッパツアーでは、BOILER ROOMへも出演を果たし、DJ EMMA監修の『ACID CITY』では、自身の楽曲「SLOPPY ACID」が収録されている。

SHOWTEK


ハードスタイル系かつユニークな展開を魅せるトラックが人気のSHOWTEK。年末に"ageHa"で行われた「Road To Ultra」でもアリーナを盛りに盛り上げていた。beatportプログレッシブハウスチャートで3週連続第1位を獲得したほか、Justin Primeとの共作「Cannonball」では2013年beatport golden recordを受賞している。

Derrick May


説明不要のデトロイトテクノ創始者Derrick May。今年は、日本での動きとして全国5都市をツアーを行った。東京公演と仙台公演は、Derrickが長年世界中で開催し続けているパーティー 「Hi-Tek-Soul」のタイトルを冠しての開催している。なお、今年1月には来日し、全国ツアーを行っている。

Kenji Takimi


日本および世界の音楽シーン最前線で20年以上もの間活躍し続けている瀧見憲司。6年ぶりにリリースしたオフィシャルミックスCD『XMIX』は、あらゆるジャンルをスムースにミックスした名盤といえよう。リリースツアーでも全国12箇所を回り、年末に代官山"AIR"でクライマックスを迎えた。

DJ EMMA


"KING OF HOUSE"の名で語られるDJ EMMA。クラブでのDJはもちろん、2013年はリリースに精力的だった1年だったように見て取れる。大ヒットとなったHeartbeatミックスCDの第2弾のリリースのほか、DJ EMMAが自身のレーベル〈Nitelist Music〉より日本初となるアシッドハウスのオリジナルアルバム『ACID CITY』をリリースしている。

Fumiya Tanaka


2011年より活動の拠点をドイツ・ベルリンに移したため、日本でのギグは減少しているが、それでもシーンにおいて絶大な人気を誇っているのが読者投票での投票の多さに伺えた。「WIRE」をはじめ、大阪"CIRCUS"の1周年、代官山"UNIT"の9周年などに出演している。また、西麻布"eleven"の閉店に伴い休止していた「CHAOS」が12月に名古屋"Mago"、恵比寿"Liquidroom"で開催された。

DJ Nori


現在のクラブミュージックのルーツとして世界中のブラックミュージック、ダンスミュージックファンに愛され続ける名門〈Salsoul〉、 〈West End〉の音源を使用して2枚のミックスCDをリリースしたDJ Nori。全て本人所有のヴァイナルを使った渾身の作品となった。また、渋谷"LOOP"の閉店に伴い終焉を迎えた「SMOKER」も、新しくオープンした渋谷"0 - ZERO"にて「TREE」として復活を果たした。

中田ヤスタカ


ポップスからクラブミュージックまで独自のバランスで操るその天才的センスで圧倒的支持を得るプロデューサー中田ヤスタカ。今年も 「ASOBINITE」をはじめ、日本全国さまざまなイベントに出演している。

DJ KYOKO


名実共に女性NO.1 DJといっても過言ではないDJ KYOKO。今もっとも忙しいDJの1人。2013年1月には、ドイツの地下レーベル〈farben〉よりMix CD『Time's Fool』をリリースし、極端にディープな仕上がりに、多くの人が驚き戸惑ったことだろう。変わらない美学もあるが、変わり続けることの方がより刺激的なアーティストであり、それを彼女はさらりとやりのけた。

Francois K.



多くのアーティストやDJたちに多大な影響を与え続けている偉大なアーティストFrancois K.。2013年は、2月と6月に全国ツアーを、9月にはBody&SOULに、そして記憶に新しい12月の表参道"ORIGAMI"での出演と ファンには嬉しい1年となった。Francesco Tristanoとの共演は、特に反響があったパーティーだった。

Ricard Villalobos


今や地球上でもっとも人気のあるエレクトロニックミュージックアーティストと断言しても過言ではないRicardo Villalobos。データベースからもその不動の人気が伺える。名門レーベル〈PERLON〉のオーナーZipとの共演が実現した5月の"WOMB" 公演、6月の「TAICOCLUB」は、2013年のハイライトの1つと言えるだろう。

KEN ISHII


2013年にデビュー20周年を迎えたKEN ISHII。20周年を記念したさまざまな活動話題となった1年だった。まず何と言っても、別名義Flareを17年ぶりに復活させ9月にアルバム『Dots』をリリースしたことだろう。また、20周年にちなんだ、パーティーを各所で行った。特に11月に"ageHa"で開催されたパーティーには、Jeff Mills、Agoriaとの競演が実現した。

Takkyu Ishino



昨年も、例年と同じように自然体で活動していたように思う石野卓球。DJの安定感、人気、そしてボキャブラリーと人々を惹き付ける魅力はさすがというしかない。今年はWIREの15周年が彼を取り巻く出来事として印象的だったのは言うまでもない。今年もその自然体の魅力で私たちを楽しませてくれるだろう。

Nina Kraviz


近年のハウス/テクノシーンにおいて世界的にもっともブレイクした1人であるロシアンハウスクイーン、Nina Kraviz。2012年は「HACIENDA」「WOMB ADVENTURE」大型フェスに続けて出演。2013年は、4月に渋谷"WOMB"公演と大阪「舞音楽祭」へ出演のため来日と現在世界中で話題が絶えない彼女への人気が、ここ日本でも高まっているのがわかる。

DJ Nobu


現在の日本のシーンにおいてもっともフロアから愛されているDJは彼をおいて他にいないだろう。それは、ニュースでの登場回数、読者投票数で多くの指示を得ていることからもわかる。また2013年は西麻布"eleven"のクローズでのDJが特に印象的だったかもしれないが、あのフロアの最後にDJをしていることが、日本のクラブシーンから愛されている1番の理由ではないだろうか。

DJ Harvey



やはりこの男はすごかったというしかない。昨年に続き2年連続で1位を獲得したDJ Harvey。今年は、例年に比べ公演回数を減らし全国10都市でジャパンツアーを敢行したが、それでもこの人気は未だ衰えることを知らない。また、テクノ/ハウス箱としての印象が強いWOMBでDJ Harveyがプレイするのも驚いたツアーだった。