mule musiq
ABOUT
東京発ドイツ経由、アンダーグラウンドミュージックシーンのトップレーベルとして、世界中で高く評価されるレーベルmule musiq。現在、3つのレーベル、またBEAMS Tで展開されているドイツ、ハンブルグのイラストレーターStefan Marxと共に主宰するTシャルレーベル、そしてHenrik Schwarz、DJ Kozeなど、多くの人気アーティストを抱えるブッキングエージェントを運営し、その全てのディレクションを行っている。
http://www.mulemusiq.com
レーベル発足10年という節目となった2014年もたくさんの良作に恵まれ、年内の全てのリリースも終わり若干の安堵の中、のんびりした年末です。
vinylのプレス数が大幅に増えているという現状、嬉しい反面プレス工場の過度な稼働状況から遅延そしてクオリティーの劣化に悩まされる一面も。
個人的にはダンスミュージックの12inchを購入する枚数は数年前から激減している代わりに非ダンスミュージックのLP等を購入する枚数がかなり増えています。そういった音楽をCDで求める人よりvinylで求める人が確実に増えている故にvinylのセールスが向上しているのでしょうね。まあ、メジャーの販促ツールとして再度見直されているようですけど。
この10年で350タイトルくらいリリースしてきて、日本でクールなダンスミュージックをレーベルとしてやっていくことへの限界を感じつつ(セールスという観点では無く)、日本発であることを一つのポリシーとしてマイペースに行きたいと思います。
2015年は、mouse on the keys、petre inspirescu、daniel baldelli、koss、johannes brecht、lawrence、gonno等たくさんのアルバムリリースが予定しています。
そしてrainbow disco clubとの共同リリース第二弾としてprins thomasのシングルが春に2006年以来の共同作業となるkza&kentのforce of natureによるリミックスが収録されています。乞うご期待!
OIRAN MUSIC / しぶや花魁 プロデューサー
ABOUT
プロフィール 渋谷道玄坂のウォームアップ・バー「しぶや花魁」発のミュージック・ブランド&アート・プロジェクト「OIRAN MUSIC」プロデューサー。作詞家、バレアリック・スタイルのDJ、block.fmや神戸のKiss FMなどナビゲーターとしても活動。コンピレーションCD「SHIBUYA OIRAN WARM UP MUSIC」(ULTRA-VYBE 2014)発売中。
http://oiranmusic.com/
この度、コラム執筆依頼を頂きまして…振り返るは約15年ほど前でしょうか、クラベリアさんの発足当初に実はワタクシ…連載を担当させて頂いておりました。
当時はミレニアム寸前「EPIC TRANCE」が、現在の「EDM」みたいなムーヴメントとしてシーンに君臨しており、今では世界的なDJとして躍進を遂げたARMINやTIESTOを日本に初招聘したイベント「SOUND COLLECTION@新宿CODE」のお仕事をしていた時期であります。
確か遊んだ後に聴く「CHILL OUT」のレコードを紹介するという内容の連載だったような気がします。詳細の記憶は曖昧ですが、再びのご縁に感謝感激。
2014年を振り返りまして…個人的に何となく頭に浮かんだ「#セルフィー」というキーワードと共に綴りたいと思います。
#セルフィー
「自分で何もかもする時代」が到来したことを益々…実感しました。もはや「マルチ」というワードの意味が変わり始めそうな予感。
自分で作って宣伝して、出来る限り売上を回収。
基本はこの業界、アンダーグラウンドでインディペンデントですから、佐久間裕美子さんの「ヒップな生活革命」(朝日出版社)など参考にしつつ、前時代に存在したらしい方程式や保証はないけど、やりたいことを楽しく本能的にやり続けていきたいです。
そして分業だからこそ成せる妙も、最近は魅力的に感じます。(これは成熟と讃えたい)
私はウォームアップバー「しぶや花魁」を道玄坂で経営しているのですが、その名の通り渋谷のナイトライフを盛り上げたい!IBIZA島の「DOME」みたいに、皆がamnesiaやPachaへ遊びに行く前に集えるスポットにしたい!もしくは年齢的にクラブへ行くのは辛いけど、ナイトライフのムードを感じながらカクテルやフードを楽しみたい…というお客様の為に、昼と夜の架け橋になれればと願い、お店を続けているのですが…私自身、実は人見知りで引きこもりな性格なので、自分のお店で気合いを入れてウォームアップしてからパーティに繰り出しております。待ち合わせもしていないのに、今夜一緒に遊ぶ友達と待ち合わせしているような感覚も近いですね。
まさに「#セルフィー」
今夜も明後日も来年もナイトライフの名場面を…しっかり心のメモリーディスクに録り貯め続けたいですね。
2015年も宜しくお願いします。
株式会社ニュマークジャパンコーポレーション 代表取締役社長
ABOUT
20世紀末 パイオニアUKオフィスで、Pioneer DJの普及活動を始める。Vodafone(現ソフトバンクモバイル)に転職。その後WACOMに誘われNextbeat立ち上げで再び渡欧、が大失敗。NI Japanの立ち上げに関わりその後放出、直後inMusicに拾われ現職に至る。好きな言葉は七転び八起き。好きな曲はドリカムの何度でも。
http://www.numark.jp/
1.オタイのようすけさんと行ったPAビギナーセミナーが、有料なのに1日で40名予約満席になった。
2.tofubeatsさんが、ガチでEWI(管楽器と同じように息を吹き込むことによって、ソフトウエア音源などを演奏するユニークなウインドUSBコントローラ)使い始めた。おじ様でEWI3種まとめ買いをする方が複数いた。
3.HMV渋谷店の再オープン。それにともない、日本ってこんなにレコ屋さんがあったの?と思い知らされた。
4.KZさんが、今年アルバムに、ミク声を1曲しか入れなかった。
5.熊井君や、ともゆかのMPCセミナーに、パソコン持ってないから行けないという子が結構いた。
うちらの業界は、日本のファンダメンタルズと関わる事は少ないと思っていたのですが、今年は影響が大きかったと思います。10月31日に、CTSさん主催のハロウインパーティーにお招き頂いたのですが、その帰り路、街はゾンビさん達で溢れ返っていました。皆様が、"外で楽しむ"事を志向し始め、家でニコ生をチェックしたり、ブルーレイをとことん見たりという内的なエンタメ機会が減少していると思います。クリプトン伊藤社長様も、ボカロ50万再生曲の数、13年対比激減とおっしゃっていましたしね。
あと、若い人のパソコン離れが激しくて、すごく危機感じます。売れないモノが、はっきりして来ました。
弊社、PAが好調です。もともと何も無いところから始めたので、前年対比は語れないのですが、アベノミクスによって生成されたお出かけ好き風潮が、プラスに働いているのかと。経済政策による為替変動で相当持っていかれましたが、この志向と風潮が続いて行く事の方がとても大切なのかもしれませんね。
JACK CO.,LTD. CEO
ABOUT
アパレルブランドのフランチャイズショップを都内で数店舗経営。音楽イベントの企画、運営、海外アーティストブッキング担当。2012年 Cocoon Booking Agency Japan 設立。
http://www.cocoon.net/
https://www.facebook.com/COCOONTOKYO
2014年を振り返ると、"文化交流"についてより深く考えた1年となりました。
文化交流は大きく分けて、ものの考え方、生活様式、それに学問・芸術交流の三つのカテゴリーに分けられると個人的に思います。
文化の交流によって相互理解を増進し、多様な文化の共存を図るべく、文化の多様性をキーワードにした国際的な文化交流がますます必要になる時代だと考えます。
僕自身の活動として、2014年は音楽文化の発展に寄与することを目的とし、6月にアンスティチュ・フランセ後援による日仏文化交流90周年記念イベントをWOMBにて開催。
11月には、オーストリア大使館後援によるイベントをUNITにて開催する機会が持てました。また同月に、信頼出来る素晴らしき仲間とチームを結成し、大阪のユニークなブティクホテル ROCK STAR HOTELにて、FABRIC LONDON の創始者Keith Reilly & Fabric Team と共に、ファブリック15年の歴史からイギリスの音楽シーンを振返るトークショー、海外,日本アーティスト勢によるミュージックセッションを開催した結果、宇川さんの多大なるご協力により、47,000人の方々にDOMMUNEを通じて閲覧頂くことになりました。
国際文化交流の観点から、海外アーティストを招聘し、日本人アーティスト勢と共にイベントを催すことが既に文化交流となりますが、音楽文化を今後推進していく上で、国や政治機関、民間企業や団体が主体的に実施する交流がより重要なのでは?と個人的に思っております。
そういった観点からすると、今年の秋に東京で開催されたRED BULL MUSIC ACADEMYは、日本から世界に向けて音楽と文化を発信した音楽界最高のアカデミーでありました。
民間企業や、大使館、文化センターなどの政治機関が、才能溢れるアーティストやクリエーターを支援することが、今の日本に凄く大切だと思うのです。
国際文化交流の発展の為には、国と国、人と人との信頼関係を育て、友好関係を更に発達出来るコミュニケーションの場、カンファレンスやレクチャーなどの活動がより必要だと感じています。日本の未来を担う若い世代に夢を与えられる活動の場も広がればいいですね。
2015年は、自分にとっても更なる文化交流の発信に重きを置き、様々な活動を起こしていきたいと考えております。 今年1年、多くのサポートをご支援頂いた皆様には、大変お世話になりました。この場を借りて感謝を申し上げます。来年も皆様にとりまして、素晴らしき良い年でありますように。。。2015年も宜しくお願い致します。
今年は今までの経験を活かせる機会も多く、楽しく日々を過ごせたと思います。
無事にRainbow Disco Clubも開催できましたし、mule musiqからリリースしたCDも高く評価していただきました。応援してくれた皆様本当にありがとうございました。
大きな事故もありませんでしたし、お仕事も例年より頑張ったような気がするし。関わらせていただいたイベントも色々とありましたが、どれもいい感じでした。
個人的にはRBMA TOKYOの夢のような一ヶ月には感動させられちゃいましたね。音楽を通じて素晴らしい瞬間をたくさん見ることができて嬉しかった。
来年は新たな挑戦もはじまります。1つずつ丁寧に進めていきながら、お世話になっているたくさんの人たちに恩返しができるといいなと考えています。
株式会社銀座十字屋 ディリゲント事業部 マーケティング部 / マネージャー
ABOUT
音楽機材/制作ソフトの輸入代理店に勤務し、DJシーンや音楽制作シーンに携わる。自身もDJ活動をしており、「平日は仕事を全う、休日は遊びを全力に。」を座右の銘としており、妻子持ちとは思えぬ行動を示していたが、娘に「臭い」と言われた事をきっかけにパパ業にも精を出している。
https://www.dirigent.jp/
今年も参加させていただきありがとうございます!
今年を振り返る、、「あっという間!」の一言に尽きるのですが、個人的に10ヶ月くらいしかなかったような感じでしたね。時間に身体がついていけずに、幸いにも昨年と同じ体重を維持できております。
さて、お題にいきましょう。
僕が勤める銀座十字屋は創業140年の楽器業界ではそこそこ名の知れた老舗で、ディリゲント事業部はその中でDJ機器や音楽制作ソフト等の「堅くない」モノを輸入してたりするのですが、売るだけではなく日本の方々にわかりやすく「伝える」ことも業務のひとつ。
取説の翻訳はもちろんですが、用語などは「英語のまま」がよかったり、「あえて間違った和製英語」で記載することもしばしばあったり、「字幕無し動画」だけの方が伝わりやすいモノもあったりと様々。表面上のモノは伝えやすいのですが、「伝わりづらい」コトに関しては、ワークショップなどを実施して、触れてもらうことで伝えます。
ワークショップと言えば、1月と12月にSerato DJのワークショップをニュージランドのSerato本社からスタッフを招待して実施しました。スタッフの方も現役のDJだったりするので、実際のプレイを交えての説明があると参加されたかにも伝わりやすいし「納得」の表情を見せてくれます。
文章や動画での情報は伝えづらい部分も目の前で説明することがどんだけ大事かが身にしみましたし、まだまだ伝えきれていないモノ/コトが多いので、努力をすべきだな~と一年を振り返って感じています。
少し話はそれてしますが、今年はアナログ・レコード復活的な機運と出来事がありましたね。実際にHMVさんもアナログ・レコード専門店をオープンしたし、パイオニアさんもDJ向けアナログ・タンテを発表。ニュマークさんのハンディ・タンテも人気らしい。ウチのReloopタンテもそこそこの販売をさせていただいている。
タンテの新規ユーザーも増えたのか「針は外側から?内側から?」「レコードって容量ありますか?」など、クラベリア読者さんからするとクスッとしてしまいそうな相談も多く受けてます。しかしながら、新規ユーザーにとっては「新しいデバイス」であることには違いないので、そういった初歩的なこともウチのスタッフブログではなるべく丁寧(?)に伝えますよ!
2015年はワークショップ活動も多めになるので、皆さんどこかでお会いしましょ~♪
今年は感動するパーティーやフェスが沢山あって幸せな1年でしたw
●プライベート
FRFのBEGINのLIVEは会場に到着してすぐだったのに泣いちゃったし、OUT KASTのパワーは凄かった。Zepp DiverCityのボブ・ディランは最高にカッコ良くて、ボブ・ディランになりたいって本気で思いました。StarFes.のNAS、ERYKAH BADUも最高で、しかも幕張の空に綺麗な夕焼けと綺麗な虹が浮かんでいて最高のシチュエーションでやっぱり野外は最高だなって思いました。晴海埠頭で開催したBody&SOUL の夕焼けもすっごく綺麗だったな~。綺麗なシチュエーションといえば友人が宮古島でステキな庭付きの一軒家を借り、外で結婚式をしたんですがめちゃくちゃ綺麗な所でした。夜はその場所でパーティーをして本当に幸せでした(あんまり記憶がないけどw)。
●一応仕事&一応DJ
野外も良いけど、やっぱり箱でのパーティーも最高です♪ 渋谷のMODULEでmdpが主催したRETURN OF THE CAVEが凄かった。音と酒に酔いしれる楽しそうな大人たちが沢山いましたw。きっとこんな感じだったんだろうな~。大人って凄いなって体感した一日で。
後、DJ TSUBASAが主催している渋谷の人と人のLOST and FOUNDもステキでした。家でまったり音楽を聴いている感じで。ゲーム機が置いてあって、スーパーマリオブラザーズ3を小学生ぶりに熱中して遊んじゃいました。
そして、ageHaで開催したALL "INSIDE OUT" EVERYTHING × AKLO 『The Arrival』RELEASE PARTY今年一番の感動的な一日で、HIP HOPのイケテルDJが音をかけて、イケテルラッパーがLIVEをして、ちょっとだけイケテルVJがVJをしてその空間にいるからこそ感じ取れる何かがあるって感じで鳥肌物でした。
●感想
本当に色々な形のパーティーがあって色んな人達がいて、それぞれ楽しみ方が違くて、でもみんな楽しんでるって事は一緒で。僕なんか裏方の裏方みたいな、ADのADみたいな形でパーティーに関わってるんですけど、感動して仕事も忘れて隠れて泣いている時が結構ありますw
PCやTVの画面上からライブやフェスやパーティーが観れる時代になっても、その場にいるから体感できて感動できるって思うんです。五感で感じるっていうか、そんな時間が本当に幸せです。2015年は今までとは違う形でパーティーに携わっていく予定ですが、”幸せな時間を体感させる”をモットーに頑張ります!
プロモーター / ブッキングエージェンシー
ABOUT
㈱ボニッシモ・プロダクションズ代表取締役。2003年5月よりCLUB MUSEUMを主宰、SURGEONが自身HPのブッキングコンタクト先に、本人の了承なしに名前を入れた事がきっかけでブッキングエージェンシーを始める(後に正式に申し出を受ける)。小学生の頃、ベランダから見える青山ラスチカスの光景にワクワクし、夜な夜な双眼鏡で眺めていた。
https://www.facebook.com/ClubMuseumJP
http://bonissimo-tokyo.com/
https://twitter.com/clubmuseum
今年1年はCLUB MUSEUMにとって変遷期でもありました。これまでは深夜帯にて永らく開催しておりましたが、昨今の多種多様なライフスタイルにも対応出来る夕方という時間帯で、世界基準のアーティストを堪能できる場所があっても良いのではないか?と感じていました。そこで7月より、代官山UNITでの継続開催と共に、新たなアプローチとして神宮前Galaxy銀河系にて17:00~23:00という時間帯でも始めました。来場客の方々より「翌日も朝から行動出来るからありがたい」「別の会場とのハシゴが出来る」等、夕方開催について多数賛同の声を頂いています。そして会場内におけるDJブースの配置などにも嗜好を凝らし、一体感が生まれる様な空間づくりを行っておりますので是非体感して頂きたいです。
クラブシーンとしてテクノという括りで思い起こしますと、大型フェスが軒並み開催されない等の状況もあり、全体的に以前の様な盛り上がりには追いつかなかった1年だと思います。しかし、人間のバイオリズムの様に再び盛り返すと信じ、パーティーは続けていきます。また、ベルリンやロンドンでは、ラップトップやCDではなく、レコードでDJするアーティストが増えてきているそうなので、来年は原点回帰の年になりそうな予感もします。
最後に、今年1番のサプライズはSURGEONがLady GaGaのパリ、バーミンガム公演に出演した事です。これはライブストリーミングにて視聴しましたが、時差の関係で朝4時にも関わらず目が覚めました(笑)。SURGEONが新たな一面を見せてくれました。
2015年も多くの方に充実した、心に残る空間をご提供出来る様努めてまいります。
ディスクユニオン / 営業部
ABOUT
首都圏で展開する新品/中古CDレコードショップ“ディスクユニオン”にて、クラブミュージックのバイヤー業務やMINUS、PERLONなど海外レーベルの国内ディストリビューション業務にあたる。またepisodeという社内レーベルも担当している。
http://diskunion.net/clubt/
レコードストアデイに象徴されるようなレコード需要の高まりは海外だけではなく、ここ日本でも現場(売り場)レベルで体感できる状況となってきていますが、ロックやソウル、J-POPといったジャンルと比べ、まだまだクラブミュージックには波及してきていないとも感じます。来年はこの流れがより確かなものとなり、音楽の楽しみ方の一つとしてより幅広い層に定着してくれればと願いつつ、2014年を早足で振り返ってみます。
ディスクユニオン的には1月のMoodymann『S/T』ではじまり、12月のTheo Parrish『American Intelligence』で終わるという、デトロイト勢のクオリティーの高さを改めて見せつけられた一年でした。シカゴもLarry Heard関連からTRAX、DANCE MANIAのリイシューやDJ Funkの20周年記念ベスト盤、JUKE/FOOTWORK界隈の盛り上がりまで話題に事欠きませんでした。また、昨年来続くインダストリアル再興は少しずつ変化を遂げながら継続中で、アルバムだけでもAndy Stott、Cut Hands、Ike Yard、SHXCXCHCXSHなどなど良作が多数。ミニマル系ではルーマニアを筆頭にロシアやハンガリー、モルドバなど、今まで馴染みのなかった国からも新しい息吹が感じられました。さらに今年は大物アーティストによる久々のリリースが話題を集めたのも特徴で、Plastikman、Joris Voorn、そして何と言ってもAphex Twinの求心力の強さは群を抜いていました。
個人としては、2015年は仕入れだけでなく“発掘”の部分により重点を置いた仕事ができればいいなと考えています。それでは皆様よいお年を。
BBQ
ABOUT
1993年、マンハッタンレコードにて、レコ屋人生スタート。買い付け要員、ハウスバイヤー、その他管理職を経て15年に渡ったヴァイナルオンリー生活に終止符。現在はレーベル/音楽流通に転職&業種を変え、いささか年齢を感じながらも良質の音楽を探すべくアンテナを磨く日々。
ここ何年もネガティヴなニュースがはびこっていた音楽ソフト業界にとって、今年一番の嬉しいニュースはアナログ・レコードの復権を予感させるHMV record shop 渋谷のオープンだろう。かつては聖地と呼ばれるほど、新譜を中心にした大型店舗からレアな旧譜を扱うマンションの一室のような小さな店舗まで、多くのアナログ・レコード屋が軒を連ね、しのぎを削っていた宇田川町に、アナログを中心に展開する新店舗が出来るなどとは、昨年末の時点では想像もできなかった。はっきりいって意表を突かれたのは私だけではないはず。
ここのところ、アメリカ~UKを中心に波及しつつある「レコードストア・デイ」は世界各国でレコード・バブル後の新しい世代を中心に復活の礎となり、ここ日本でも徐々にそのムーヴメントは伝播しつつある。もちろん当時、90年代のヒップホップやR&B、またハウスといったダンス・ミュージックが同時にビルドアップするといった全体的なカルチャーを底上げするような動きではないものの、コアなレア盤ハンター達に支えられる中古盤をはじめ、ロックの7インチや限定でプレスされる国内企画盤など、欲しくなるようなものはまだまだアナログにはあるものだ。なぜか持っていないといかん!という気にさせられるのもアナログ・レコードの魅了であり特徴かといえる。
2015年、もはや当時のような巨大経済を生み出すレコード・バブルの時代の再来はなかろうが、新しい世代のユーザーを生み出し、かつてとは違った新たなアナログ・マーケットが構築されることを期待している。
オヤイデ電気 / ディレクター
ABOUT
ケーブルメーカーのオヤイデ電気で、DJ、サウンドプロダクション関連商品のディレクション業務を担当。
http://plusweb.jp/
http://ww-tokyo.com/
2014年、アーティストやクラブ関係者、また多方面の様々な方々のご協力を頂いたおかげで、世界中の至るところでオヤイデのケーブルを見かけるようになりました。
来日するDJが「手に入れたいけどどこで購入したらいい」などの連絡があったり、海外に行っても、「お前のところのケーブルはいろんなところで見るし、興味あるから詳細を教えて」など、DJ達から声をかけられたりして、ケーブルがDJツールの1つとして認知されてきたことを実感できるようになりました。また最近はフェスやクラブのテクニカル側からも設置のオファーが来るようになり、プロの方たちから信頼を得ていることはメーカーとして本当に嬉しい限りです。
私の仕事は主にケーブルなどの製品のプロデュースやマーケティングになりますが、なるべく多くのクラブパーティーに行くようにしています。もちろん仕事的にはリサーチ、企画、マーケティングのために必要なことでもあるのですが、やはり根本的にクラブミュージックが大好きで、そこに多くの人との出会いがあり、そして良い音楽があるパーティーからは良い影響を受けることが多いからです。2014年も数多くのパーティーに行き、いろいろなことを肌で感じ、ジャンルを問わずたくさんの方々から多くの事を学ばせて頂きました。2015年はこれらのことを1度自分の頭で整理して、よりよい製品を提供できるよう努力していきたいと思います。
フリーランス・プロモーター
ABOUT
フリーランスにて、アーティストのプロモーションを担当。出没場所は、主にラジオ局、出版社。各レコード会社さんと契約して、新譜をプロモーションする日々。ブラック・ミュージックとアメリカン・フットボールを愛してやまない。
https://www.facebook.com/toshihiro.asai.1
最初に2014年ラジオから流れてきて「思わずメモった」邦曲ベスト10
Palet / SNOW DISTANCE
tofubeats Come On Honey! feat. 新井ひとみ(東京女子流)
FYT / 世界のはじまり
ORESAMA / オオカミハート
東京女子流 / Pale Blue Nocturne
ミラクルマーチ / 恋のディスタンス
Fairies / Don't You Wanna Dance
GALETTe / ナチュラルスウィートな空気
南條 愛乃 / あなたの愛した世界
Negipecia / Girl’s Life
2014年は個人的に初めてアイドル(東京女子流)のライブに行った年でした。それもこれも全部TBSラジオ「ライムスター宇多丸さんのウィークエンド・シャッフル」で松井寛さんの特集をやってしまったが為に、東京女子流のオフィシャルミックスCDを木村コウさんが手がけてしまったが為に、東京女子流に足を突っ込んでしまった年でした。そこから芋づる式に良い音をリリースするアイドルってこんなにいたのか!と驚いた年でもありました。クラブミュージックに関連している方々がアイドルのプロデュース曲が(前からあったかと思いますが)一気にどーん!とリリースされた激動の2014年かなあと、ラジオを聴いていて思いました。今まで全く聴かなかったアイドル系、アニソン系のラジオ番組もチェックしてみたら良い曲ってたくさんあるのですね。
最後に、恒例の?個人的に“勝手に拍手”な、2014年放送のラジオ番組TOP 5を。クラブミュージック好きの方に聴いて頂きたい良質音楽が多めにかかる番組です。
1: TBSラジオ「ジェーン・スー相談は踊る」(土)19:00~21:00
相談番組ですが、かかる曲は全部良質ダンス・ミュージック。
2: FM NACK5「ラジオのアナ~ラジアナ水曜日」(水)25:00~29:00
指定曲以外が良質楽曲なので基本的に寝かせてくれない。
3: 湘南Beach FM「SHONAN BREEZE」(日)12:00~18:00
局の看板DJ竹下由起さんによるフリーソウル、AOR、ボサノバ等良音満載。
4: J-WAVE「THE HANGOUT月曜日」(月)23:30~25:00
ナビゲーター宇野常寛さんによる知られざるアニソンやアイドル曲が良い。
5:ラジオNIKKEI第一「ミュージックライフサンデー」(日)7:30~8:30
negiccoを連投する新潟タイムやミラクルマーチを連投する町田タイムがある。
TEAL / USUKI
ABOUT
1960年 大阪生まれ。東京経由、ニューヨークでの生活でさらにクラブカルチャーに傾倒。芝浦GOLDオープニングから本格的にクラブの仕事に携わリ現在に至る。TEAL Inc.代表。
プラスマイナスいろいろあったけど、総合するとHAPPYな1年でした。まずは何と言っても ACID CITY @ AIRがスタートした事。しかも初日は大雪!でもみんな歩いて来てくれたのは本当に嬉しかったですね。あれ以来毎回すごい事になってDJ EMMAの新しいレギュラーパーティとして定着する事ができました。
あとはリリースラッシュ!NITELIST MUSICからのACID HOUSEのアナログ、5年ぶりに発売となったEMMA HOUSE XIX、MANDY満ちるさんのREMIX by MALAWI ROCKS、結成10周年にして生まれたDAZZLE DRUMSのアルバム、HERNAN CATTANEOのREMIXを含むDJ OGAWA周りのなんと6タイトル!などたくさんの新しい音楽やAIBA、NAKAICHI、MANAMI、DSKEなどの才能あるアーチストたちの周りでダンスフロアに居られた事は文句無しに幸せでしたね。あとは来年のDJ EMMA 30周年に向けて準備中です。皆さんお楽しみにね。THANK YOU2014! そして~2015年に向けてGO-!
OTAIRECORD CEO
ABOUT
2000年6月にOTAIRECORDを立ち上げ、レコード通販やDJ機材の通販を中心とした業務を行っている。またイベント活動にも力を入れており2013DMC JAPANを復活に導いたオーガナイザーでもある。近年ではOTAIRECORD DJ UNIVERSITYを解説し、音楽文化に貢献しようと奮闘中。
http://www.otaiweb.com/
DJ機材は、電化製品ではなく、やはり楽器なのだと感じさせられました。どういう事かというと、あまり毎年ドラスティックな進化を遂げてしまうとユーザーが置いてきぼりになる可能性があるという事です。
もし、ターンテーブルやCDJやPCコントローラーが楽器だとするならば、ピアノだってヴァイオリンだって、ずっとあの形をしているわけなので、どこかで進化を止めたほうがひょっとしたらいいのかもしれません。その代わり、大手のメーカーがターンテーブルを発表したり、レコードプレーヤーに大ヒットの機種が出たりアナログシンセなどが脚光を浴びたりBACK TO BASICな一年だったのかなって思います。
ただ、危惧しているのは、いろいろやって原点回帰、という方もおられますが、もう情報だらけで疲れちゃったというパターンもちらほら見られました。DJ機材に限らず、音楽業界の中で、ある種のあきらめ、のようなものを感じる機会に何回か遭遇しました。
我々は、DJユーザーとの接し方として、SHOPとして何らかのインフォメーションを出さなければならない立場。その情報の質が問われていると感じます。そんな機能使わないでしょ、って機能をガンガンにピックアップしてアナウンスしたりとか。そんなことやる暇があるならばギャグの一個でも言った方がよっぽど和むワケで。
今年オタレコもSNSなどを通じてDJユーザーと多く接してきましたが、情報の質には気を付けた1年だった気がします。みんないろんな情報に溢れすぎてそんなに苦労してなくて、求められる情報はシンプルで、「ちょこっと」でいい。
一方OTAIRECORD DJ UNIVERSITYというセミナー企画を17本やらせてもらいました。その中で一番勉強になったのは自分だったのかもしれないです。基礎的な事を教えるつもりが、基礎的な事が何もわかっていない自分がいました。大量の情報に囲まれて、知っているふりをしていただけでした。もっと地に足をつけて勉強しなければ。
2015年はお店というだけでなく情報発信の質を高めていきたいなあと思います。ただしフザケはやめません(笑)。オタレコが生きながらえているのもDJ業界一人一人皆様のお陰です。2015年も皆様よろしくおねがいします。
音楽ライター
ABOUT
1981年、茨城県生まれ。音楽ライター。共編著に『素人の乱』、共著に『ゼロ年代の音楽 壊れた十年』(共に河出書房新社)など。単著に、00年代以降の日本のインディ・ヒップホップ/ラップを記録した単行本『しくじるなよ、ルーディ』(P-VINE)がある。
2014年を音楽ライターの立場で振り返ってみてくださいという依頼だが、あまりに焦点が絞れず困っているので(だって、ディアンジェロ、プリンス、ムーディーマン、セオ・パリッシュ、ウータン・クラン、エイフェックス・ツインがアルバムを出した年だ)、自分のことを書くと、今年の半ばあたりから音楽雑誌『ミュージック・マガジン』で国内のラップ/ヒップホップと国内盤が出ている海外ものを毎月かなりの枚数を聴いて、20枚ほど選んでレヴューを書き、点数を付けるという修行のような連載をやることになった。これが大変だけど、おもしろい。
なぜ、その音楽は良いのか? 悪いのか? 良いと思うのか? 悪いと思うのか? 評価しないのか? 評価するのか? 評価できないのか? 評価できるのか? ということをひたすら考え、問い続ける。そこには気分や体調があり、好き嫌いがあり、時代の空気や流行があり、この人、この作品を推したいという紹介者のプライドと意気込みがあり、こうした方が記事として面白いというライターとしてのサーヴィス精神がある。そのなかで、いかに自分の中の純度を保ち、高められるか、という勝負。
文芸系の編集者をやっている友人に、何を基準に小説を評価しているの?と訊いてみると、個別性、特殊性という。そりゃそうだ。個性的なものがいちばんかっこいいと思う。が、どうも世の中はそういうことでもないらしい。個性的なものや新しいものより、安心できるものが強かったりする。いや、でも、ディアンジェロがこれだけ話題になる音楽の世界って捨てたもんじゃない。2015年も安心より冒険や挑戦に向かう個性的な音楽を追い求めます。
TAICOCLUB/プロデューサー
ABOUT
2006年よりミュージックフェスティバルTAICOCLUBを主宰し、日本を代表するフェスティバルの一つへと成長させる。新たに渋谷音楽祭やサンリオピューロランド等とジョイントイベントをスタート。booking agency、taicoclabをローンチ予定。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科中退。
http://taicoclub.com
今年もあっという間に終わりということで、すでに来年に向けて皆さん動かれているかと思います。
TAICOCLUBもいよいよ来年で10年目を迎え、新たな試みを予定しています。今年はRed Bull Music Academyと一緒にレクチャーを実施したり、渋谷音楽祭と同時に街でタイコクラブ、サンリオピューロランドと共催でPINK sensationハロウィンパーティなど、より幅広い活動を行ってきました。音楽分野に限らず新しいパートナーを一層広げて、TAICOCLUBをエンターテイメントの1つのブランドとして多くの人に発信していかなければならないと考えています。そんな中でもピューロランドとの取組はとても興味深い結果も出ましたし、1つの答えなのかなと思っています。
2014年はUltra Japanが開催され、来年はさらにいくつかのフェスティバルが海外から輸入されてくる状況になるでしょう。そんな中、TAICOCLUBは10年目を迎え、そろそろ海外へ展開していく時期かなと思っています。アーティストでもレーベルでもなく、1つのフェスティバルとして。他にも、TAICOCLUBをインフラとしてtaicocLab.という形でアウトプットできる場所を作りたいなと。フェスティバルと来場者という関係性ではなく、フェスティバルの次の役割を担っていきたいなと。あとは、Booking Agencyもローンチする予定です。
TAICOCLUBは元々音楽フェスティバルからスタートしましたが、音楽やフェスという枠組みにとらわれず、できる事/やれる事にはどんどんチャレンジしていきたいと思っていますので、皆さん気軽にコンタクトしてください。来年もよろしくお願いします。
Musicmine / Project Manager
ABOUT
Musicmineにて企画営業全般。
2014年は東京都知事選で始まって、衆院選で締めくくられたことに象徴されるように、非常にあわただしい1年だったように思う。しかも都知事選は現職知事の辞職にともなうもので、衆院選もまた、任期2年を残しての解散総選挙という、いずれも突発的に始まった(そして歴史的な低投票率で終わった)出来事だったのが、体感的なせわしなさに拍車をかけた。東京ではこの1年というもの、前年9月に開催決定となった、東京オリンピックに向けた動きがいよいよ活発化、消費税増税にともなう景気後退もささやかれる中、都内のあちこちで大規模な再開発が始まり、少子高齢化や金融緩和の出口戦略といった、先行きの懸念など存在しないかのように、ただひたすら、5年後の2020年に訪れるオリンピックという近未来に向かって、あたかもこの都市全体が、脇目も振らず突き進んでいるかのようだ。一方世界に目を向ければ、ウクライナの緊張にイスラム国の台頭、中国経済の減速に原油価格の大幅下落、エボラ出血熱にパレスチナ問題の再燃と、打開策の見えない世界経済の低成長ムードや、依然くすぶり続ける金融不安と相まって、とかく不安要因に事欠かない1年だった。
そんな中での風営法改正法案である。底辺には規制緩和の一環としての改正機運があり、そして有志の人達の尽力もあって、この問題への社会的認知が広まり、10月に与党内で閣議決定されたことは、まさしく画期的な出来事と言えるだろう(同法案は衆院解散でいったん廃案となったものの、新内閣によって再度閣議決定される見通し)。そしておそらく、改正法案が可決・施行された後には、国内のクラブシーンを一変させる程のパラダイムシフトが起こる事が予想される。具体的には、深夜営業の合法化にともなう、大企業による新規参入などに代表される、大規模な資本の投入だ(そのうち「EXI●Eプロデュースの大型クラブが●●●にオープン」などというニュースが、メディアに登場する日も近いだろう)。資本が投入されやすくなる、あるいはクラブ/オーガナイザーが躊躇せずに、パーティー/クラブイベントの宣伝をできるようになるという事は、マクロに見れば、シーン全体にとって間違いなくプラスとなる出来事だろう。と同時に、首都の再開発ラッシュの中で、このような大きな変化が起こることの副産物として、ここ現在にいたるまで受け継がれてきた、この国特有のシーンの機微のようなものが、根こそぎ失われる可能性もあるのではないかと、個人的に危惧している。
話をいったん2014年に戻す。引き続き盛り上がった “身近な存在としての” アイドルブーム、EDM系イベントの(遅ればせながらの)国内でのブレイク、レジャー産業全体が業績悪化に苦しむ中での、東京ディズニーランド・ディズニーシーを経営するオリエンタルランドによる過去最高益の更新、といった事象は、先行き不透明で何もかもが場当たり的に見える、今の社会環境をそのまま反映しているように見える。即効性があり、視覚的アミューズメント性の高い、より体験的な娯楽を、きっと多くの人達が欲しているのだろう。こういった風潮が続く中、やがて訪れるであろう、風営法改正にともなうパラダイムシフトの荒波にさらされた時、現存するシーンの良心的な要素のうちの、いったいどのくらいの部分が存続出来るのだろうか。こうなると自分が最も親近感を抱いている、スピーカーから鳴らされる音そのものを第一義にする、アンダーグラウンドなパーティー/クラブイベントは苦戦必至となるだろう(LEDやプロジェクションマッピングに彩られる、ショーアップされたフェスやイベントに慣れたクラウドを、簡素な照明のみが明滅する、薄暗く汗臭いダンスフロアーに、新たな主役として招き入れるのは、そう容易ではないだろう)。今のシーンのリアリティを来るべき新しい時代へと継承していくには、近視眼的にシーンを捉えることを注意深く避け、より柔軟な姿勢で、直接的な繋がりはなくとも近い志を持った人達と、意識的に連帯していこうとすることが、これまで以上に要求されるのではない、かという気が今はしている。
Manhattan Recordsスタッフ
ABOUT
ニューヨークという大都会で生まれた後、日本へ。奈良の田んぼに囲まれた環境ですくすくと育つ。DJ活動の本格化と共に、より多くの音楽に接するためマンハッタンレコードに入社。現在はオンラインストアとショップスタッフを兼任中。
http://manhattanrecordings.jp/
現場やメディアを含めHIPHOP畑を中心としたシーンに携わってきた僕にとって、2014年は日本語ラップの話題を見聞きする機会が非常に多かったです。一番印象に残っている話題はやはりAVEX新レーベル「CLOUD 9 CLiQUE」の第一弾アーティスト、ANARCHYのメジャーデビューではないでしょうか。渋谷でも大々的に宣伝活動が行われていましたね。また、Zeebra主宰の新レーベル「GRAND MASTER」発足や、漢率いる「9SARI GROUP」の本格始動も話題を呼びました。若手だとKOHHの人気も爆発し、若手、中堅、ベテラン問わずシーン自体が勢いを取り戻そうとしている動きが顕著でした。しかしながらまだまだ発信側の意図や熱意はリスナーに浸透していないのが現状で、そういう意味でも2014年、日本のヒップホップは再びスタートラインに立ったというべきかもしれません。
本国アメリカのヒップホップに関しても、色々な変化が見受けられました。ミックステープの盛り上がりは若干落ち着き、Odd Future、Pro Era、Save Moneyといったクルーやコレクティヴもあまり大きく取り上げられなくなり、メインストリームヒットはMigos、Young thugといった南部勢と、YG、KID INKといった西海岸勢のラッパーで埋め尽くされていました。クルーやコレクティヴは水面下で活動を続け、現在も至るところで結成されていますが、最近では表舞台にあまり登場することなくどんどんストリートに帰化している印象を受けます。
2015年、日本のヒップホップもこのストリートに帰化する、というポイントが重要になってくると思っています。ティーンであれば高校生ラップという、既にジャンルと言っても過言ではない層もあれば、DOWN NORTH CAMPのようなトラックにも特化した層、KOHHやANARCHYが好きな層、DABOやK DUB SHINEといったベテラン勢が好きな層…挙げればきりがないですが、このように細分化した中で、特に日本の中のヒップホップという小さなマーケットで今後アーティストが目指していく方向は、自ずと常に一定のファン層を獲得できる場所、ストリートです。
今後の日本のヒップホップを見守る者として、やはりこうした細分化があって、ストリートがあって、その中から大衆にも受け入れられるアーティストが生まれる、というヒップホップ本来の流れを取り戻してほしいと願ってやまないです。まさにANARCHYはこうした中でのメジャーデビューでした。このカッコ良さはヒップホップにしかないと思っていますし、やはりいい意味でスタートラインに立った日本のヒップホップ、今後も陰ながらサポートしていきたいです。
株式会社LD&K プレス、イベント制作、A&R
ABOUT
「宇田川カフェ」系列店舗でのイベント制作・店舗開発、「LD&K Records」プレス・宣伝企画・A&Rを担当。
http://www.udagawacafe.com/
http://www.ldandk.com/
私は、インディーレーベル・カフェ・DJバー・ライブハウス運営を行う事業に勤めておりますが、「クラブシーン」という言葉の持つ意味を考えさせられる1年でした。
「クラブシーン」で実際『食べていける』DJ、内勤スタッフは何人いるのだろうか???
CD不況(というかCDメディアの衰退)の実情。思っている以上にCD売れません。販売する小売店も減っています。これじゃアーティストでの人生設計は成り立ちませんよね。
CDメディアでの販売に頼らない新たな手法、マネジメント会社に頼らない方法、自分自身で行動し、独自のブランディングを形成できているアーティストは『食べていけてる』気がします。
一方、『箱』に集まる人々は何を求めているのだろうか?最近の若い人達はお酒を飲まないだとか、そもそも若い子が出歩かないだとか、皆さん口を揃えて仰っています。
実際、『箱』に遊びにいってみるとそう感じることも多いのですが、若い方にとって既存の「クラブシーン」への期待度や、インターネット上の動画などで音楽体験の方法が変容しているのが事実。
時代の流れに合わせるのか、今まで作り上げた「クラブシーン」を守り、そこで”商売”するのか。。。
私が従事する、いわゆる小箱「カフェ・バー」での、アイデアに満ちたDJイベント開催需要もまた増えているのも事実です。また、週末クラブで音楽を楽しむ!だけでない選択肢が増える中、クラブではない『場所(ロケーション)』でパーティーメイクをする友人、仲間の動きが面白い1年でもありました。
新木場マリーナでの「Sunset The Marina」や、お台場the Barにて開催されているサンデーアフターヌーンパーティー「Brightness」、Nu Discoに特化したパーティー「Huite Etoiles」、などなど。。
個人的には、トラックメイカーとして楽曲のリリースも出来ましたが、今後は"シーンから外れたところ"での、新たなパーティーメイクの可能性に注目し、展開していきたいと思っています。
株式会社ウルトラ・ヴァイヴ コンテンツ事業部 副部長
ABOUT
国内外のインディー・レーベル流通を行っているディストリビューターです。
今年も豊作の年だったかなと思います。時代を象徴する様な大きな新しい波は無かったと思いますが、作品としてストイックにチャレンジ精神を追求した作品に感銘を受ける場面が多くありました。ダンスミュージックにおいて、このご時世アルバム作品をリリースするというのはアーティスト、レーベル共にそれなりの覚悟が無ければ難しい時代だと思いますので、気合いの入った作品が多かったのかな、と。
先月発表した新作が早くも世界各国の2014年間チャートをに賑わせているアンディー・ストット「Faith In Strangers」やエフデミン「Decay」はその探求心が結実した充実したアルバムだと思います。DJミックスCDも同様にオフィシャルでリリースされる強度を持った個性的な作品しかリリースされなくなってきていて、コンパクトのレボレド「Moment Drive」、プリンス・トーマス「Rainbow Disco Club Vol. 1」、トレスヴァイヴス・サウンドシステム「Playground」は良く出来た作品だったと思います。年明け早々リリース予定のニーナ・クラヴィッツ「DJ-Kicks」も素晴らしい作品なので是非。
今年もたくさんの面白い音楽と出会えました。来年も新しい音楽と素晴らしい才能に沢山出会えたら良いな、と思っています。2015年に向けてスタートしているいくつかのプロジェクトも春が来る頃には結実していれば良いな、と。年明けは来日が決まったフィールドの来日公演でお会いしましょうー!
フォトグラファー
ABOUT
邦楽から洋楽、クラブミュージックまで国内外数多くのミュージシャン撮影を手掛けるフォトグラファー。日本のスリーピースロックバンド「Hawaiian6」のライヴ撮影をきっかけにカメラマンとしてキャリアをスタートする。今ではフジロック、サマソニ、ワイヤー、ビッグビーチ、エレクトラグライドなどのフェスティバルや、ageHa、AIR、VISIONなどのクラブ、「Billboard Live TOKYO」の広告写真など、さまざまなシーンで活動している。
今年も様々なライブ、パーティー、フェスに参加させていただきました。たくさんの印象深い瞬間から一部、書かせて頂こうと思います。
まずはROUNDHOUSE@AIRで来日したMARK FARINAです。MARK FARINAは過去にも何度か撮影した事のあるDJでしたが、この日はラウンジとメイン 2フロアでのプレイといった贅沢な内容でした。しかもVJにはUKAWAさんという豪華なラインナップ。今まで聴いてきたMARK FARINAのSETの中で一番 衝撃的なプレイでした。自分の中でUKAWAさんといえばTECHNOの印象が強かったのですが、HOUSEのグルーヴとどうマッチするのか非常に楽しみでした。結果 バッチリでして、音と映像の相乗効果 グルーヴ増し増し・ステップ多め・疲労感は少なめ、という(笑)最高な形で朝を迎えた記憶が蘇ります。
次はBillboard Live Tokyoでの、Burt Bacharachです!以前から何度も最高だと噂を聞いていたBurt Bacharach.. ようやく撮影できるチャンスを頂いてい期待度MAXで撮影に望みました。結論から言ってしまうと、もーーー最高すぎ!(笑)彼がピアノに手をかけた瞬間、魔法のような、極上な時間が始まりました。これほどまでに心地よく、心を揺さぶられる音楽が果たしてあっただろうか…!? 撮影しながら号泣・号泣・また号泣…。生まれてから死ぬまでの間 どれほどの音楽を耳にするのかは分かりません.. が一度Burt Bacharachの音楽で心を刺激する事をオススメしますYO!笑
次は今年のフェスの中でも抜群の流れだった、Disclosure→Basement Jaxxのフジロック1日目のWhite Stage。この日のラインナップはDiscosureが出てくるまでダンス系のアクトはなく、友人と「なんかWhiteにいる気がしないねぇ~」なんて話してましたが、Disclosureの太めのベースが鳴った瞬間「あぁ~FUJIのWhiteにきたぁ~!!」ってアがっちゃったのを覚えています(笑)Studio Coastの時よりもパワーアップされていて最高でした!でも、それをも凌駕したBasement Jaxx.. タイトなビートにエンタメ感満載なステージ。雪だるまの様に膨れ上がる高揚感は今年のハイライトの1つ。最高でした!
最後にこれを抜いては2014は語れないフェス… ULTRA JAPANです!マイアミでは何回か行った事があるけれど、その時とは様変わりしたUMF。音楽のジャンルはどうであれ、あれだけの規模とアーティストを招いてのフェスは日本ではどうなるんだろうと…蓋を開けてみれば、両日ともに激盛り上がり!! 否が応にも撮影のペースは上がり、何度も足がツってしまった(笑) 俯瞰で撮影する為、近くのビルから見たULTRA PARK。これは東京なのか!?と思える位素晴らしい光景の1つでした。来年は3Daysということで、今から楽しみ!!
Flying LotusとかDeadbeat+TikimanとかShpongleとか色々書きたいけど、今回はここまで。2015も更なる感動を求めて、たくさん足を運んで撮影していこうと思います。
Spine Sounds Inc. 代表
ABOUT
イギリス生まれの東京育ち。ニューヨーク大学卒業後、2006年に New York - Tokyo Music Festival を主宰し、日本人アーティストの海外進出に貢献。その後、NYC の老舗レーベル King Street Sounds に入社し、ビジネス開発及びライセンシング業務を担当する。帰国後、Syn に入社。プロデューサーとして Hennessy artistry をはじめとする企業キャンペーンの企画・制作や、企業向けのリーガルコンサルティングも多く実施。コンテンツ・ビジネスの専門家として MIDEM (フランス)、Rasia (ロシア) 等の海外ビジネスコンベンション、フランス商工会議所や英国大使館で講演。2014年9月、Spine Sounds 株式会社を設立。
2014年。6年勤めた音プロ/音楽エージェンシーを離れ、新たに Spine Sounds 株式会社を設立しました。それは僕にとって大きな変化が訪れた 1年であったが、僕が携わってきた音楽業界にとっては然程 CHANGE が起きた年ではありませんでした。そう、やはり今年も「著作権ビジネス」は貿易赤字です。
僕が 7年前、日本に帰国したばかりの時に、Kyoto Jazz Massive の沖野修也さんを訪れる機会がありました。その時も、今も、沖野さんはいつも「世界を相手に戦おう」等と常に海外市場を意識し活動されております。(Respect!) 音楽業界には、本気でそう思っていながら実際に行動に移せている人は、果たして何人位いるのだろう?そして僕も日本で働いたこの 7年間を振り返るとずっと反対岸に立って逆の事ばかりやっていたのでは、と痛感する今日この頃です。
僕はイギリス人の父と日本人の母の間に生まれた所謂ハーフです。ハーフというのは面白い人種で、どちらか側に必ず強く偏るものだと思っています。日本で生まれ育ったハーフでも何らかの理由で溶け込めず、日本の文化に共感できず、もう一方のルーツに親しみを感じる人もいれば、僕のように激しく大和魂な面倒臭いヤツもいます(もはや外人のフリすらできない)。僕の持論ではありますが、バイリンガルやトライリンガルの人は勿論世界中には沢山いますが、多文化を両立できる <マルチカルチュラル> な人はほぼいないと思うのです。文化は人の心、意識、DNA に深く刻み込まれており、そう簡単に入れ替えたり、新たなものを取り入れたり、融合したりできるものはないと考えます。色々な場面で使われる言葉ではあると思いますが、基本的に、自身が「マルチカルチュラルだ」と言う人は僕はあまり好けないのです。器用だなと思う半面、芯がないというか、チャラく思えてしまいます。自分のイギリスのルーツは否定しませんが、現に僕は日本に居ても、海外に居ても日本人の心とマインドで行動しています(本当にただ不器用なだけかもしれない)。
少し話がズレてしまいましたが、日本には素晴らしい音楽家が沢山います。僕自身をも含めて、音楽ビジネスを支えている縁の下ピープルは、もっともっと海外を意識しなければいけないと強く思います。音楽家自身にも勿論言える事ではあります。6年前、カンヌで毎年開催される音楽コンベンション「MIDEM」にはじめて参加させて頂きましたが、そこにあったのは僕が想像したくなかった日本の音楽ビジネスの実情でした。日本からは洋楽のバイヤーしかいませんでした。そして外国のレーベル、音楽出版社、アーティストは、日本は彼らのアウトプットの「受け皿」としか思ってなく、日本から集った業界人はミットを構えて待機しているだけでした。その一方で、メジャーマーケットがないヨーロッパ諸国の業界人はめげずに自社アーティストや音源だけでなくその国の看板までもを背負っているような感覚で一生懸命営業活動を行っていました。ここまで購買力のある日本は何故もっと give-and-take なビジネスを成立できないのか、正直理解に苦しみました。whack!
今後、音楽出版業務、ライツ・コンサルティングを中心に国内外で事業を展開して参りますが、きちんと日本からも情報を発信できるように体制を整えていきたいと考えてます。クールジャパン等と効果が疑わしい産業振起を政府が実施していく中で、ミステリーハンターとして国産の良質音源を両手に海外の CM、テレビ、映画等の媒体においてオポチュニティーを見出していければと考えております。2015年も日本発のグッドミュージックを期待してます!
PRIMITIVE INC. / PR
ABOUT
都内で数々のイベントを企画/制作しているPRIMITIVE INC.のPR担当。1986年生まれ。大規模な野外フェスからアンダーグラウンドなパーティーまで、様々なイベントのPRやディレクターを経験。好きなパーティーの時間帯は朝方帰りたいけど帰りたくないトキ。
http://www.primitive-inc.com/
https://twitter.com/PRIMITIVE_INC
https://www.facebook.com/primitiveinctokyo
早くも年の瀬ですね。楽しかった思い出も名残惜しい出来事もたくさんありますが、バイバイ2014年。この1年もたくさんのパーティーやフェスに関われたことに感謝。「音楽の在り方が変化している」。日々を送る中でますますそんなことを感じた1年でした。楽曲を聴くことによって、聴き手に何かを優しく与えてくれるような余白のある音楽が衰退し、聴き手から何かを強引に奪う様な乱暴な音楽の隆盛が目立ちます。それは音楽を発信していく現場にも反映されて、いくつかのパーティーが終わり、新たなイベントやフェスが始まりました。閉店したクラブがあり、新たにオープンした箱もありました。産業的にも文化的にも新陳代謝が活発におこなわれ、淘汰されていく。ダンスミュージック業界に経済の縮図を視ている様ですが、ただ眺めているだけではなくコミットしないといけません。PRIMITIVE INC.は今年も様々なパーティーをディレクションしてきましたが、代官山AIRで立ち上げたROUNDHOUSEはMark FarinaやDerrick Carterに代表されるシカゴや西海岸産の際限なく踊り続けられる音を追求し、改めて提示することができたのではないでしょうか。(3月にMark Farinaを迎えた初回は2014年のAIR動員記録中!)折よくも世間ではちょっとしたシカゴハウス・リバイバル。更にDOMMUNE主宰で現代芸術家の宇川直宏の映像や、常にPRIMITIVE INC.をサポートしてくれていたWEBマガジンHOUYHNHNMが手掛けるミッドナイト・フリーマーケットなど、音楽を軸にカルチャーをマッシュアップすることでクラブ黎明期さながらの熱量の高い空間が生まれています。2015年以降も定期的に開催していくので是非チェックしてください。
あ、「空間」について、過去におもしろい文書を拝見したので、これを読んでくれている皆様に共有。(少し解釈しやすい様にエディットしました)
美術館って、そんなに絵に精通してなくても多くの人が観に行きます。絵画なんてモノによっては音楽よりよっぽど難解なのに、それでも観に行く。それは美術館という「空間」に行くという文化が根付いているから。絵画にアプローチする順番として美術館が先に或るし、映画も映画館が先に或る。音楽だけがその順番が逆である。
なるほど、たしかに。音楽の在り方や空間についても、今後もっと考えていかないといけないかもしれません。そこに音楽の可能性を拡げる何かがあるのであれば、みんなで一緒に楽しみたいですよね。
それでは長くなりましたが、来年もどこかのダンスフロアで会いましょう。
パーティーは鳴り止まないっ
2015年も楽しみましょう。
プロデューサー
ABOUT
神戸club PI:Z(2008年閉店)マネージャーとして7年、DJ KRUSHマネージャーとして7年の時を経て、現在はフリーランスとして、国内外のアーティストマネージメントやエージェント、プロモーター業務などを中心に活動中。
フリーランス元年となった2014年。これまでの様な特定の立場としてではなく、アーティスト・マネージャー、エージェント、プロモーター、ツアー・マネージャーなど様々な立場として、自分自身にとって間違いなく大きな転換期となりました。
訪れた街は今年も国内外で60を超え、各所で素晴らしい出会いや発見の連続でした (もちろんその何倍もの苦労の連続でもありましたが…)。また、個人的にはこれまで以上に『現場の魅力』を感じることができた1年でもありました。相も変わらず、ネガティブな音楽関係のニュースが日々飛び交い、もちろん自分自身もそういった現状を痛感することも少なくはないですが、その反面、現場でそもそもの本質に気付かされることも多々あります。
たった60分の素晴らしいライブによって、半年かけて数千枚しか動かなかったアルバムが一夜で数百枚売れたり、これまで必死に動いても月に数件しか取れなかった営業が一夜でその何倍ものブッキングの話が舞い込んできたり・・・ 結局のところ人の心を動かすのは人なんだと実感する瞬間!こんな時代だからこそ、流行や技術の進歩だけでは賄えない大事なものが、現場にはまだまだ転がっている様な気がします。
先月都内でプレイベントを行ったオランダ発のアートフェスティバル『TodaysArt.JP』は、いよいよ来年夏に東京&神戸にて本開催を控えています。来年春から本格始動予定のディジリドゥ奏者GOMAとの新プロジェクトも、近日中には情報公開できるというところまできています。これまで大事に種を蒔いてきたものが少しずつ芽を出し始めてきました。
現場でしか味わうことのできない魅力を1人でも多くの人に届けられる様に、いつも理解し続けてくれる周りの人間への感謝を忘れずに、新しい年も邁進していければと思います。2015年もよろしくお願いします。
eイヤホン 広報部 部長
ABOUT
イヤホン・ヘッドホン専門店e☆イヤホンの広報部長です。TBS『マツコの知らない世界』に出演しました。その他にも各種メディアでイヤホン・ヘッドホンの魅力を紹介しています。
外出する機会が多いので、外ではヘッドホンよりもイヤホン派で、もっぱらイヤホンばかり持ち歩いています。イヤホンはどんどん増えて70個くらい持っています。イヤホン・ヘッドホンに関するお得な情報を発信しています!
http://www.e-earphone.jp/
2014年を振り返ると、ポータブルオーディオ業界はとても賑やかな1年でした。多くの新製品が登場し、新しい技術も多く登場しました。その中でもSONYを始めとした『ハイレゾ』の普及と、耳型から作るオーダーメイドのイヤホン『カスタムIEM』に関心が寄せられていました。
ハイレゾはCDよりも多く情報を記録できるので、音質がCDよりも良いとされています。SONYが全面的にハイレゾを打ち出しているので、耳にされた方も多いのではないでしょうか?この1年で、ハイレゾに対応する製品が多く増え、オーディオ協会もハイレゾの定義を策定するなど、ハイレゾ関連の動きが多く見られました。来年は、よりハイレゾが身近になるかもしれない企画も動いています。ハイレゾというキーワードは要チェックです!
また、『カスタIEM』は本来アーティストがステージ上でモニタリングするための機材でしたが、ここ数年で一般の方の使用が増えています。自分の耳型から作成するので、痛みや違和感がありません。人の耳は左右でも形が違うので、あらゆる点でメリットが多く、より高音質で音を楽しみたい方にヒットしています。
スマホの出現でユーザーを爆発的に増やしているイヤホン・ヘッドホンカテゴリですが、まだまだ勢いは止まらなそうです。来年はどんな新製品・技術が出てくるのか楽しみです。
完実電気株式会社 輸入課 ブランドMG
ABOUT
メーカーとのコレポン、販売企画、PRなどを担当。趣味は読書、映画鑑賞。インディーロック、SSW、ニューウェーブ、レアグルーヴ、ディープハウス等、幅広い音楽ジャンルを好む。
http://kanjitsu.com/
2014年、ワールドカップブラジル大会、ネイマール、ビーツの買収。西暦と記憶、2014年は僕にとって忘れられない年となった。
新年はニューヨークからスタートした。10年ぶりのニューヨーク、僕はこの街で2年過ごした。記憶を手繰り寄せ、頭の片隅にあるイメージを線で結ぶ。脳裏に蘇ったのは当時、ラジオやテレビ、クラブで聞いていた音楽。BET、MTV、HOT97、ストリート、地下鉄、街の至る場所に音楽が溢れていた。
明確な場所は忘れたけど、あの頃聞いていた音楽だけは当時の思い出とともにリフレインする。
今年はブランドを通して多くのアーティストとの方とお話しする機会にも恵まれました。特に印象に残っているのは、ゲスの極み乙女とクレバさん。僕の仕事は、音楽ありきで成り立っています。勿論、数字を作ることも大事ですが、その前提として音楽の素晴らしさや音楽が持つ力も訴えていきたいと考えています。音楽は僕の人生そのものです。
Power DJ's楽天市場 店長 / Power DJ's池袋店 主任
ABOUT
中学生の頃から電子楽器を使った音楽制作を始め、その後クラブミュージックに傾倒。2005年から始めた店長ブログは毎日更新して9年目。機材の使い方や新製品情報などを発信しつづけ、DJ機材側からクラブミュージック文化の啓蒙活動を行っている。
http://ikebe-gakki-pb.com/dj/
年明け早々に発表されたRoland TR-808、TR-909、TB-303が、Roland AIRAシリーズとなって復活するというニュースやNAMM SHOW、Musikmesseでの新商品の発表で、今年の楽器業界は昨年よ り盛り上がるだろうと期待していたものの、4月からは「増税」「円安」のあおりを受け、日本の業界全体の厳しい状態が今も続いています。その影響からでしょうか、企業再編や輸入代理店の移管も多く、モヤモヤ感が来年まで続きそうです。
そんな中、HMVレコードショップ渋谷のオープン、Pioneer PLX-1000、 ION Audio Archive LPの発売も相まって、マスメディアに「レコードブーム再燃」が多く取り上げられるようになり、音楽を聴く手段としてまたレコードの新たな価値創造が生まれたということはとても勇気づけられました。デジタルDJシーンにおいては大型カラーディスプレイが搭載したDJコントローラーTRAKTOR KONTROL S8やNumark NVが発売され、コンピューターは使用する が、操作面ではコンピューターが不要という新しいアプローチがみられました。まだ日本での認知度は低いようですが、これらの商品が今後どのように発展していくか注目したいところです。
そして今年、特に私が気になったのがガレージメーカーや個人が製造に携わるようになった「メイカーズ・ムーブメント」と資金をクラウド(群集)から集めることで事業を行う「クラウドファンディング」が楽器業界で盛り上がってきたことです。メイカーズとクラウドファンディングが掛け合わさると買い手と作り手とコミュニティを形成することができます。消費はコミュニティの中から生まれます。
「モジュラーシンセブーム」もメイカーズ・ムーブメントの流れであるといって良いでしょう。ガレージメーカー(小規模で経営しているメーカー)が製作したモジュールを、直接個人が世界中のネットショップから検索して手に入れる傾向があります。まるでレコードをディギングするかのように。クラウドファインディングの好例としては日本のメーカーによるKDJ-ONEというポータブルミュージックスタジオがサイト「Kickstarter」でプロジェクトを開始しすでに目標金額の10万ドルを達成しています。
これはどういうことを意味しているでしょうか。
面白いと思ったことを発案して、賛同できる人を集めることができれば、商品化できるということです。しかも小規模なメーカーや個人でも。販売店を飛び越えて「個人が個人に売ることができる」わけで、それが当たり前になる時代がもうすぐそこまで来ているということだと思います。スマートフォンの普及、高性能化、通信技術の発達により、これらは急激に加速することでしょう。
そのような時代になったとき、販売店は何ができるでしょうか。
販売店はキュレーターとして様々なモノをフラットに評価し、その価値をお客さんへ伝えることが一番の使命であると考えた方が適切ではないかと思います。本当に今のビジネスモデルでいいのか?もうそろそろ決断しなければいけない時期に来ているかもしれません。
そして最後に一つだけ言わせていただきたい。
今のダンスミュージックに関わるすべての業種の人たちと一緒に日本この文化の底上げをしていく必要性を強く感じています。DJ機材はクラブカルチャーだけでなく、もっとたくさんの人に使ってもらいたいし、楽しんでもらいたい。クラブ以外でもクラブミュージックが楽しめ、DJが活躍できる場所が増えれば日本の音楽シーンはもっと面白くなるのではないでしょうか。
5年後は東京オリンピックです。海外からたくさんの観光客がやってくるでしょう。その時に日本の音楽は面白いねぇ~って言われるようなことを皆さんでやっていきませんか?
PROGRESSIVE FOrM/EMAF TOKYO
ABOUT
音楽レーベルPROGRESSIVE FOrM主宰者。2001年より青木孝允と高木正勝によるSILICOM、AOKI takamasa、半野喜弘、Ametsubなどの作品をリリースする。04年と06年のsonarsound tokyoを共同開催。2011年にはレーベル10周年イベントをリキッドルームで開催。2013年より新たな電子音楽の祭典《EMAF TOKYO》を始める。2015年はレーベル50番目のタイトルとなるPFCD50を発売予定。
2014年、うーん。。2015年への伏線的な年だったような印象です。
PROGRESSIVE FOrMでは、1月14日発売の4年振り4枚目のコンピ『Forma. 4.14』PFCD40から始まり、3月にウズベキスタンの電子音楽ユニットOrgatanatos、5月にhajimeinoue、7月に93年生まれの新世代有望株LASTorder、9月にM-KODAの4th、11月にアムス在住の伊Elisaと独のJennyによるViolet Fallと、充実したアルバムを送り出す事が出来ました。
『Forma. 4.14』、hajimeinoue、LASTorder、M-KODAについてはリキッドルーム2FのKATAさんでそれぞれリリースイベントを開催させて頂きました。
http://www.progressiveform.com
但し記憶的には日程的に2ヶ月くらい前だった事もあり、やはり10月18日~19日と2daysに渡り恵比寿リキッドルームで開催させて頂いたRED BULL MUSIC ACADEMY Presents EMAF TOKYO 2014が鮮明に覚えています。
http://www.emaftokyo.com
今年の日程自体は確か昨年一回目のEMAF TOKYO 2013(11月3日~4日)を開催した直後くらいで内定はしてたんだけど、多くの人の周知の通り今年10月~11月に開催されたRED BULL MUSIC ACADEMY TOKYOの中核イベントとして進めましょうという状況があった関係もあり進行に色々な調整事項がかなり多々でした(笑)
メインステージにはDay1にLuke VibertやR&SのLoneなど海外勢5組他、Day2にはJames HoldenやUntoldなど海外勢5組他、LIQUID LOFTとKATAの2FはDay1にflauキュレート、Day2にkilk recordsキュレート、総勢50組以上を大盛況で終える事が出来ました。
ただやはり海外組は公演としては充実する反面、条件~契約とビザ、フライトとホテル調整、アテンドの手配その他諸々確認調整事項多々、迎えはアテンドチームを手配したんだけど、送りは朝6時に6名を羽田に届けるなど相当眠かったっす(笑)。Matthewdavidは彼1人を羽田に送ったんだけどドライブしながら色々話せたんで良かった。
2015のEMAF TOKYOも日程は秋で内定しているのでヘッドライナーから調整中です。
2015年は1月11日発売の疋田哲也+NIL『Ferry』PFCD46からスタートし、レーベル50番目のタイトルPFCD50を夏~秋に発売予定。ちなみにデモ音源は365日受付中です!
https://soundcloud.com/progressive-form
そうそう1月9日(金)、The XXのJamie XXを『HOUSE OF LIQUID』に招聘します。是非遊びに来て下さい!
http://www.liquidroom.net/schedule/20150109/22645/
株式会社エナジー・フラッシュ/テクニーク 代表
ABOUT
渋谷区宇田川町にあるレコード屋「TECHNIQUE」を運営。昨年から日本のレーベルを中心に、国内外へのレコード制作流通事業部「EFD(Energy Flash Distribution)」を発足。定期的にTechniqueがセレクトするDJのMixを配信するTechnique Mix Seriesも好評。
http://www.technique.co.jp/
https://www.facebook.com/technique.tokyo
https://soundcloud.com/technique-tokyo
https://www.facebook.com/EnergyFlashDistribution
https://soundcloud.com/efd-tokyo
今年も昨年に引き続き世界的に多くのジャンルでレコードのリリース数が益々増えたようです。
テクノ、ハウス、ベース・ミュージックなど、テクニークでも取り扱いのあるジャンルはそこまで増えた印象はありませんが、クオリティーの高いリリースが多く、久々にレコードをリリースする老舗レーベルなども増え、レコードへの注目度は相変わらず高いと感じました。
サウンド・スタイルは昨年に続きミニマル・テクノ/ハウスと言ったディープなサウンドが人気ですが、新しい流れを感じるようなロウなスタイルのテクノ/ハウス、インダストリアルなテクノやそれに触発されたベース・ミュージック等も良質なリリースが増え、多岐にわたるスタイル、ジャンルのリリースがバランス良くあった一年だったと思います。
そして、輸入小売業としては、社会的、政治的動向による円安や増税に翻弄された一年でもありました。来年も引き続き、お客様のニーズに答えながらも、常に新しいサウンドや面白いサウンドを紹介していきたいです。
また、弊社でも昨年発足したEFD事業部で制作/リリースをしておりますが、国内のレーベル/アーティストの活躍が目立つ一年でした。世界的にも日本のレーベル/アーティストへの注目度が高くなってきているので、来年は今年以上に世界に向けて発信していけるよう、また国内のアーティスト/DJをサポート出来るよう精進していく所存です。
2015年もなにとぞよろしくお願いいたします。
REALROCKDESIGN 代表
ABOUT
1996年より活動スタート。以来ジャンルにとらわれず広告、映像、WEB、VJ、音楽とさまざまなメディアで活動。「一瞬感じたものをインターフェイスに閉じ込め、目に見えない何かをグラフィックとして落とし込むこと」をコンセプトに進化し続けるデザイナーズ集団。近年では国内外の大型フェスティバルから東京アンダーグラウンドパーティーまでボーダレスに参加している。
http://www.realrock.co.jp/
2014年も終わりが近づき、毎年恒例のクラベリアのコラムで今年を振り返っています。
今年も色々な企画、パーティなどRRDも参加させて頂きました。また、クラブ以外の映像演出も今年は挑戦する機会が多かった2014年でした。同じ事の様に見える事でも、違う角度から同じ事にチャレンジをする事の大切さを今年は真摯に感じる事ができた1年だったと思います。
リアルロックデザインのコンセプトにある、「進化し続ける」を忘れないように来年も心に残るクリエイティブを制作していければと思います。
ありがとう!2014!
株式会社KADOKAWAメディアファクトリー 音楽企画制作局 A&Rプロデューサー
ABOUT
ロック~ダンス~ヒップホップ~ハワイアンまで、6レーベルを運営。コンパイルを手掛ける「IN YA MELLOW TONE」が、2014年9月発売の10作目で累計30万枚を突破したのをいいことに、念願のベスト盤2LPも制作。ここで浮かれ過ぎた罰なのか、年の瀬にPCのハードディスクがブっ飛んで、真っ白に燃え尽きたまま2015年を迎える予定。
https://www.facebook.com/tommyjfk
人類は、「現実世界」と、スマホ(以前はPC)を媒介とした「バーチャル世界」の両世界で生きていかねばならなくなったが、1日はいまだ24時間のまま(当たり前だけどこの先も)。そんな限られた時間の中、”ユーザーのメディア化”は猛烈なスピードで進み(Youtuberという言葉が辞書に掲載されている時代だ)、便利な「情報収集ツール」をもっても太刀打ちできないほど、情報過多の時代になった。もはや、既存の商業ベースの媒体だけでは、ユーザーへ狙い通りの「情報」「商品」を届けるのは、ほぼ不可能に近いと思えるほどに・・・。
では、「この先音楽業界、エンタメ業界はどうなっていくのか?」 2014年は、そんな大それたことをよく考えた1年だったように思う。
社会現象と呼べるような、大ヒット・コンテンツを有する「マス・マーケット」と、規模は小さいながらも、パンクス顔負けのDIYスタイルで、スモール・ビジネスを展開していく「コア・マーケット」。とりわけ、その2極化が早い段階から顕著に表れている音楽業界では、「マス」「コア」間に広がる真空地帯は拡大を続け、キャリアと共に、アーティスト自身のビジネス規模もステップ・アップさせていくなんて、絵空事のように感じられるかもしれない。だが、周囲へと情報をバイラルしてくれる”コア・ユーザー”とのタッチ・ポイントを増やし、ユーザー型メディアを味方につけることで、そこに活路を見出すことが出来るだろう。
近い将来、「商品」や「専門媒体」のオフィシャル・アカウント発信の情報ではなく、自分と趣味の近い友人からの情報が、一番の訴求率を持つ時代が来る(もう来ていると言っていいかも知れないが)。著名人を媒介とする”ステルス・マーケティング”から、身近な友人を巻き込んだ”ステルス・バズ・マーケティング”の時代の到来だ。そんな大変革へ備え、僕らエンタメ人が整備すべきなのは、「真の口コミ」を宣伝手法として取り入れることが出来る仕組みづくり。来年は、この先10年のエンタメ業界において、最重要事項と言えるこの仕組み作りに尽力したいと思う。
CEO/A&R of origami PRODUCTIONS
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東京から世界へ音楽を発信。所属アーティスト:45 a.k.a. SWING-O、Shingo Suzuki(Ovall)、mabanua、関口シンゴ、Kan Sano、竹内朋康
http://ori-gami.com/
業界自体が音楽シーンが終焉を迎えるようなネガティブキャンペーンを発信する風潮がなくなり、いい意味での開き直った2014年、面白い試みが数多く産まれてきたと思います。
個人的には坂井田裕紀(popgroup)と共に1年の集大成として企画したDIS-LIVE(ディスライブ) http://dis-live.com/が好評で一安心。
「音楽の聴き方を劇的に変えていきます」と大層なテーマを掲げましたが「今までと違う耳でもう一度いろんな曲を聴き返してみます!」等々数多くのコメントをいただきました。
ちなみにDIS-LIVEは、Dis"cussion(ディスカッション)を経てLive(ライブ)が体感できるというもの。
これから行われるライブのどこを聴いて欲しいのか?
アーティストにとっての聴かせ所はどこなのか?
音楽を自由に楽しむ為に、アーティスト自身の声を聞き、音楽のマナー、ルールを知る。
それにより今まで聴いていたアルバムや、何度も観に行っているアーティストのライブから全く違う音が聴こえてくるはず。そんな思いで始めた新たなライブのスタイルです。
1回目は「ビート」をテーマにHUNGER (GAGLE)、mabanua、DJ BAKU、Kan Sanoが熱演してくれました。来年はさらに膨らませた面白いイベントをガンガン用意してます。皆で音を楽しみましょう!
DBS主宰
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1996年から新宿リキッドルームで本場UKのDJ/アーティストを招聘したイベント、DRUM & BASS SESSIONSを開催。現在は代官山Unitを本拠にして10年、18年目に突入。毎回聴き逃せないラインアップで最高のサウンド、ヴァイブス&アトモスフィアを提供している。
http://www.dbs-tokyo.com
2014年はUKでジャングル/ドラム&ベースが爆発してから20年、その間にこの音楽は進化/発展を続け、肝となるベース/システム・サウンドはBPMの違いこそあれどUKガラージ、ブロークンビーツ、グライム、ダブステップ等の枝葉が広がり、各ジャンルの繋がりを示す総称的な"ベースミュージック"として一般的に認知されて久しい。
94年にロンドンでジャングルに衝撃を受けて以来、そんな「ベース道」を日本に紹介し続けてきた筆者にも節目の年であった。日本におけるドラム&ベース/べースミュージックに関し、総じて言えるのは昔も今も極めてアンダーグラウンドであり、継続するのに厳しい状況は変わらない。しかし、熱狂的な支持者は少なからず存在し、そのリアルな現場は先鋭的なサウンド、圧倒的な重低音に合わせて乱舞するクラウドで溢れかえっている。
そんなDBSの2014年は1月にUKガラージの最前線を行くROSKAで幕を開け、2月はジャングル復興を実感させたパイオニア、CONGO NATTY/REBEL MCが奇跡の帰還、4月にはNinja Tuneからジャングルに触発された衝撃作を発表したアメリカのLEE BANNONと沈黙から復帰したドラム&ベースの奇才SOURCE DIRECTによる競演、5月にはDBSの常連でオリジナル・ジャングルから独自のクラックハウスを編み出したZINC、6月にはダブステップ~ダブ・テクノの新機軸を縦横するPINCH、7月にはfast soul musicとしてのドラム&ベースを確立した熟練LONDON ELEKTRICITYとデビュー作でオーガニックな新世界を提示した新鋭ETHERWOODによるHospital nightと怒涛のラッシュ。10月はRBMAのスペシャルイベントとしてダブステップのパイオニア、MALA & COKI/DIGITAL MYSTIKZの揃っての来日が実現し、GOTH-TRADの共演でオリジナル・ダブステップの真髄を見せつけてくれた。そして12月のDBS18周年ではドラム&ベースのパイオニア・レーベルMetalheadzの20周年を祝し、GOLDIE & DOC SCOTTの二人のレジェンドが揃って来日し、ラウドな熱狂の一夜を展開したばかりで、今なお余韻は醒めやらず。DBSは2015年も続けていく所存なので、応援よろしくお願いします。
Big up! All junglists/Dubstep & Bass massive in Japan.
clubberia編集長
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1983年生まれ。島根県出身。服飾の専門学校を卒業後、アパレル会社に入社するが音楽の仕事に携わりたくなり退社。そしてclubberiaに就職。現在は編集長を務める。
今年を振り返ると「Red Bull Music Academy 2014 Tokyo」がもっとも印象的な出来事だったのですが、これはすでにレポートをしっかり書いたので、少し私的なことになってしまうのですが、シンプルだけどそうだよな~と思ったこと書かせてもらいます。RBMAの記事もよかったら見てみて下さい。
■Red Bull Music Academy 2014 Tokyo - 物事が本来あるべき姿に戻った1ヶ月 -
http://www.clubberia.com/ja/reports/2122-Red-Bull-Music-Academy-2014-Tokyo-1/
最近の朝と夜は、ずっと日本人ラッパーのヒップホップを聴いています。ずっと同じラッパーなのですが、飽きもせず何度も繰り返しています。
もともとヒップホップ自体は、さほど好きではありませんでしたが、その理由が分かった出来事がありました。1つはNASをSTARFESで見たこと。1つは家で友人とYOUTUBE祭をしたことです。
まず、NASのパフォーマンスを見て痛感させられたのが、何を言っているのか分からない!ということ。こう書いてしまうとディスっているように見えてしまいますが、ただ単に自分は英語が分からないだけということです。ヒップホップって言葉が1番の魅力の音楽だと思います。サウンドとして捉えるとカッコイイとは思うのですが、ラップしている内容が分からないのに、イェーイとはどうしても言えないのです。
次に、友人とのYOUTUBE祭。僕の家で友人と2人で発泡酒を飲みながら○○って知ってる?対決になりました。この時、友人が教えてくれたのが不可思議/wonderboyというラッパー。彼の「生きる」という曲を聴かされてから、日本語の音楽の魅力にとりつかれました。生きるというこは、ミニスカート、プラネタリウム、ヨハンシュトラウスピカソ、全ての美しいもの出会うということ。と歌う不可思議/wonderboy。とりわけ1曲まるまる素晴らしい詩なのです。(国民的詩人・谷川俊太郎の作品である「生きる」という詩をポエトリーラップにアレンジしたもの)。ほかにも「銀河鉄道の夜」「Pellicule」など素晴らしい曲もあります。そんな不可思議/wonderboyは、2011年に24歳(たしか)の若さでこの世を去りました。「生きる」という曲を必死でラップする彼の姿はYOUTUBEにありますが、彼自身はこの世にいません。それが不思議だねって友人と話したのを覚えています。
https://www.youtube.com/watch?v=X9t0wZS-8zk
リミックスバージョンですが、彼本人が歌っている映像なのでこちらがいいなと。
NASを見てピンとこなかったのが腑に落ちました。意味が分かるということ、それは喜びです。逆に気持ちが伝わったというのも喜びです。それから、言葉を武器にするヒップホップが面白くてしょうがありません。
ちょうどタイミングもよく、日本のヒップホップシーンもANARCHYのメジャーデビューから今年は始まり、AKLO、KOHHといった若手の活躍なども目立ちました。ベテラン勢と若手がうまい具合に交わり、日本のヒップホップシーンは代謝がよくなっているように思います。来年早々にKOHHのアルバムも出ますしね。アンダーグラウンドだったものが、オーバーグラウンドになりヒップポップが溢れた時期もあったと思いますが、かっこよかった時代のヒップホップが再び戻ってきているように感じます。