イギリス・スコットランド最大の都市グラスゴー出身の才能溢れるミニマルテクノプロデューサー/DJであるGary Beck。同郷の大先輩であるEdit Selectのレーベルからリリースされ、強烈な催眠的グルーヴでフロアを熱狂の渦へと飲み込んだ"Consumed"のヒットで人気に火が点き、その後もFigureやDrumcodeといった名門からコンスタントに作品を発表し確固たるポジションを獲得した。2009年に設立されたセルフレーベル"Bek Audio"も順調にカタログを重ね、すっかりUKテクノシーンの主要な存在となっている。今年後半にはファーストアルバム「Bring a Friend」のリリースが予定され、まさに今1番脂の乗っているアーティストの1人と言えるでしょう。彼特有のうねる様なベースラインはクラウドの腰を否応なく直撃し、意識的にシンプルに組み立てられたトラックは、幾度もループしクラウドをマインドトリップへと誘います。肉体的な躍動感に満ちたそのトラックはフロアでこそ機能する。自身のトラックをふんだんに盛り込むであろうDJセットが、Derrick May、Robert Hood、Hellら超大御所が集結した今年のWIRE DJ陣の中でどのような輝きを放つのか注目です。 |
URの一員(元)として第一線で活動して来たRobert Hoodに超期待です。古くは、Jeff Millsと共にX-101、X-103としてテクノ史に残る名盤をリリース。自身のレーベル"M-Plant"を始動した1994年の同じ年には名門"Tresor"からリリースしたフルアルバム「Internal Empire」で、日本のテクノキッズを魅了しました。2009年に「M-Plant」再始動後、酸いも甘いも噛み分けた彼が放ったアルバム「Omega」は、さらにエクスペリメンタル!カルトSFムービー「The Omega Man」にインスパイアされ、サウンドトラックという趣で仕上げたという逸話があるだけにアンビエント/ダウンテンポものからドス黒いミニマルまで収録。2011年には、その「Omega」進化、フロアよりに再構築した「Omega: Alive」をリリース。全体に漂うまさに「漆黒」なグルーヴ、彼らしいメロディーラインも愉しめる傑作に仕上がっています。今回は、DJでの参戦ともあり、予習には2008年リリースの「FABRIC 39」がオススメです。収録楽曲は2000年から2005年周辺の楽曲中心で、彼自身の楽曲も10曲以上収録。ファンキーかつストイック、それでいてメロディアスなグルーヴが凝縮!当日会場では、やはり新旧織り交ぜたベテランらしい激盛り上がりなプレイが期待できます。 |
千葉県柏市若柴175ららぽーと柏の葉 3F / TEL: 04-7135-6860 |
自身のレーベル、Transmatを20年以上に渡り運営し"デトロイトテクノ"を世界的なムーヴメントへと導いた張本人。レーベルを通してCarl Craigなど、現在第一線で活躍する数々の才能を発掘。自らもデトロイトテクノ史上最高傑作と言われる名作"Strings of Life"を発表し不動の地位を築き、いまなお、世界各地の週末を沸かせているリヴィングレジェンドであるDerric May。これまでにもデトロイトでの最大級のエレクトロニックミュージックフェスティバル"D.E.F.F~Movement"のオーガナイズを数年に渡って務め、地元デトロイトのミュージックシーンのみならず不況に喘ぐコミュニティー経済の活性化などにも尽力しており、様々な分野からリスペクトされています。また2011年には震災直後にも関わらず同月に予定を変更することなく日本へ来日を果たし、JET SET震災復興プロジェクトのコンピレーションアルバム「There Is Music」にも不朽の名作"Strings of Life"を提供してくれるなど、音楽を通じて私達を元気付けてくれたのも記憶に新しいです。 豪快に見えて繊細、そして確実なミックステクニックに裏打ちされたパワフルなプレイスタイルと、その人間味溢れるお人柄も彼の魅力のひとつでしょう。 ”日本のテクノシーンの歴史が動いた日”、でもある記念すべきWIREの第1回目"WIRE99"以来の出演となり、13年振りにあの大舞台に再び君臨する彼の姿を早く観たいと思います。 |
なんと言っても今回で2回目の出場となる、次世代を担う日本人アーティスト、DJ SODEYAMA、A.MOCHIの両者のプレイには要注目。卓球さんをはじめ、KENさん、TASAKAさん、ベルリンで活躍中のFUMIYAさん、Y.SUNAHARAさんベテラン勢は確実に楽しませてくれるでしょう。海外勢からは一癖あるレーベルとして人気を博しているComemeで活躍する新鋭アーティストREBOLLEDOがどんなプレイをするのか気になるところ。正に卓球さんらしいチョイスでWIREならでは。PERLONからのリリースされたアルバムでも独特の個性を見せつけていたPORTABLEのライブも必見。DERRICK MAY、ROBERT HOODのデトロイト勢、そしてドイツのベテランHELL、FRANK MULLERと新鋭BUTCH、スウェーデンシーンの業師JESPER DAHLBACK、グラスゴーの旗手GARY BECKとDJ陣だけでも休むとこなし。これにDENKI GROOVE、DUSTY KID、FORMAT:Bのライブがあるとなると、どこかを犠牲にして泣く泣く休むか、死ぬまで踊るかのどちらかですね。 |
スコットランドのグラスゴー出身のプロデューサー/DJのGary Beckは、現在の成熟したテクノシーンのなかで、新たなテクノサウンドへ積極的に挑戦しそして成功している1人でしょう。2002年のデビュー以来、その繊細なテクニックと大胆なアイディアそして何よりほとばしるテクノへの情熱によって世界を驚かせるようなヒット作を連発してきました。08年にリリースされた"Consumed"は、地を這うような低空でうなりをあげるベースサウンドとマッドな声ネタのオリジナリティーあふれるミニマルグルーヴでEdit Selectからリリースされるやいなや、Richie Hawtinの目にとまり"Minus"のコンピレーションに収録され、彼のブレイクの切っ掛けとなりました。その後もLen Fakiの"Figure"や彼の故郷であるグラスゴーの超名門レーベル"Soma"などから疾走感のあるダイナミックなミニマルテクノでリリースを果たしています。そんな彼は、7月にUKの"Somar Records"から最新LP「Bring a Friend」をリリースしたばかり。ハウスよりのサウンドを作り上げ新境地に達した彼のDJプレイをWIRE 2012でぜひ楽しんでほしいです。 |