DJがクラブで曲をプレイした時に、その曲の制作者に適切な報酬が支払われるための新しいソフトウェアが、音楽業界で注目を集めている。AlphaTheta社が開発した「KUVO powered by DJ Monitor」は、電子音楽のクリエイターに公平な印税を届けることを目的に立ち上げられた。
現在、英国のPRS for MusicやPPL、オランダのBUMA、オーストラリアのAPRA AMCOS/PPCAといった著作権管理団体が、ナイトクラブから音楽使用料として年間4億ユーロ以上を徴収・分配している。しかし、その過程では手作業によるデータ入力が必要で、プレイリストが提出されないことも多く、正当な対価が権利者に支払われないケースが少なくない。「KUVO」は、クラブで再生された楽曲を自動認識することでこの問題を解決し、より正確に印税を分配できるようになる。しかも追加のコストは発生しないそうだ。さらに、プライバシーに配慮し、どの曲を誰がプレイしたかは明かさない仕組みも評価されている。
「KUVO」に対する支持を表明しているBoris Brejchaは「電子音楽のクリエイターを後押しする技術なので全面的に賛同します。自分の曲が世界中のクラブでプレイされていることを考えると、印税の自動処理は大きな前進だと思います」とコメント。Jaguarは「KUVOは、アーティストの支援とシーンの持続可能性に欠かせないプロジェクト。クラブで流れるキラーチューンにも、フェスで響くイケてるリミックスにも、ちゃんと対価が支払われるべき。音楽で稼ぐのが難しい時代に、ゲームチェンジャーになる可能性を感じます」と話している。
音楽関連団体も制作者の権利擁護に動いており、昨年には無料ガイドブックも発行された。今後、「KUVO」のようなシステムの普及が印税分配の透明化を促し、クリエイターにフェアな環境をもたらすことが期待される。
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22
DEC
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