世界のダンスミュージックシーンで知らない者はいないというほどの世界的なトップアーティスト。'90年に盟友であるJOHN AQUAVIVAと共に自身のレーベル、PLUS 8 RECORDSを設立。STATE OF MINDやCYBERSONIK名義で音楽活動を本格的に始動。'93年には当時のテクノシーンの起爆剤となるプロジェクト、PLASTIKMAN名義の"SHEET ONE"を発表し、世界的な社会現象ともいえるほどのセンセーショナルな活動を開始する。その後もFROM WITHIN、CONCEPTなどの別名儀でPLUS 8からリリースを重ね、着実に彼独特のミニマルテクノという世界観を世界全土に浸透させていく。'98年には、新しいレーベル、MINUSを設立。PLASTIKMAN "CONSUMED"のリリースをはじめ、現在でもシーンの代表的リリースの数々を世に放し続けている。
現在ではPLUS 8からのリリース枚数は92枚を数え、MINUSからは46枚と名実共にシーンの代表的レーベルを2つも掲げることとなる。現在はMINUSの拠点をカナダ・ウィンザーからドイツ・ベルリンに移し、SVEN VATHやRICARDO VILLALOBOSなどのヨーロッパを代表するアーティストと共に世界のテクノシーンを牽引し、ミニマルテクノのパイオニアとして人間とテクノロジーの調和を音楽で表現し続けている。DJとしても、ヨーロッパ、北米、南米、アジア、オセアニアと全世界を飛び回り、絶大なファン層を持つまさに現代の世界的なトップスターである。
ポーランドで生まれ、幼少の頃にデトロイトに移住。その全く違う環境への変化を体験した事は現在の人気DJとしての生活に役立っていると言う。パーティーで聴いた、プラスティックマン「SPASTIK」に衝撃を受け、95年、クロード・ヤング、ダニエル・ベルらのパーティーでDJキャリアをスタート。母の影響でファイン・アートの勉強のためNYへ。現在も彼女のサウンドにその影は見て取れる。デトロイトにもどった彼女はリッチー・ホーティンと出会って以来まさに彼の片腕として活動してきたマグダ。リッチーとのワールド・ツアーで知られる様になった彼女であるが、自身の人気も急上昇中である。
リッチーのパーティーで知り合ったマーク・ホウル、トロイ・ピアースと共にラン・ストップ・リストアとしてのリリースや、数々のリミックス・ワークをリリース。'06年にリリースされた待望のMIXCD『SHE'S A DANCING MACHINE』では曲をパーツに分解し組み合わせるのだけではなく、それぞれのトラックを生かしながらも次々と浮かんでは消え再び表れるドープなミックスを披露し彼女のサウンドの特徴である、高い次元でのハウスとテクノの融合を表現する事に成功している。
2006年のシーンを代表するプロデューサー。リッチーと知り合う以前からの友人であるマグダ、マーク・ハウルとのユニット、ラン・ストップ・リストアや、ラウダーバッハ、スラックノイズなどの別名義でも良質なトラックを次々とリリースし、多くのDJ/アーティストより支持を集めている。シングルは全てヒットしているが、特に強力なベースと軽快なパーカッションにダークなヴォイスが絡む「25 Bitches」は数々のヴァージョンがリリースされ2006年を代表するフロア・ヒットとなった。UKのレーベル"アンダーライン"からのアルバム『Enemy Love』ではゴシックなテイストも併せ持つミニマル・テクノを展開し、DJからも、他ジャンルのリスナーからも高い評価を得た。
リミキサーとしてもザ・ナイフ「Silent Shout」等をヒットさせその動向を皆が注目する存在である。又2006年はラン・ストップ・リストアとしての3人で、リッチーのアイデアもあり、"マイナス"傘下にレーベル"アイテム&シングス"を立ち上げ、本コンピにも参加のコンラッド・ブラックとの4人で「Spaceship&Pins」をリリース。元々DJ時にはジャンルに拘らずプレイしてきた彼らのセンスを生かして"マイナス"とは違ったスタイルの作品をリリースしている。今作ではMix CDも担当。現在の"マイナス"を代表するようなトラックと未発表曲を中心に選曲し、リッチーの『DE9』、マグダ『She's a Dancing Machine』とはひと味違った世界観を聴かせている。
カナダ・ヴァンクーバー出身。現在のエレクトロニック・ミュージック・シーンに於ける最も卓越したプロデューサーの一人である。テクノ・シーンの数々の有名レーベルや自身による"ワゴン・リペアー"で活躍、ここ数年大きな影響力を持つトラックを連発して来た。"イットイズホワットイットイズ"からの「Typerope」、"マイナス"からの「Decompression」、"ペルロン"からリリースされたルチアーノとの共作「AlpineRocket」、"ワゴン・リペアー"からの「Marionette」,「Return of the Zombie Bikers」等はジャイルス・ピーターソン、リッチー・ホウティン、スヴェン・ヴァス、ロラン・ガルニエらのトップ10リストに挙げられ、カール・クレイグ、アダム・ベイヤー、DJコーツェ、モニカ・クルゼ、そしてリカルド・ヴィラロボスのMixCDにも収録、リミキサーとしてはケミカル・ブラザーズ、モビーからネリー・ファタードまでにリミックスを提供、その存在感を増し続け、多くの雑誌でもベスト・プロデューサーに選出され賞賛されている。
その音楽の非凡の才は幼少時代からのもので、クラシック・ピアノ、ドラム、パーカッションを相当な数のコンサート・バンドでプレイしていたという。父親が初期のエレクトロニック・ミュージックに興味を持っていた事に影響され、キーボード、シーケンサー、サウンド・モジュールの実験を始め、10歳頃にはコンピューターを使っての曲作り等も始め、現在の創作のルーツとなっている。その音楽はテクノ、ジャズ、ハウス、ドラム&ベース、フュージョン等のハイブリットであり、それらジャンルにこだわらない音楽的趣向は、そこから導かれたベース・ラインの流れ、シンセのメロディー等彼の音楽のトレードマークとなっているテック・フュージョン・サウンドに影響を与えている。
ヒットの連続に伴いクラブ・シーンでもライブ・アクトとして大人気。基本的なベースライン、キーボードといったサウンドはアナログ系の機材で構成し、ドラムをリズム・マシーンでリアルタイムでプレイしているというライブ・セットでは、他のプレイヤーとの即興演奏にもアプローチ。別名義でリリースされるこれらも世界的に評判を呼び、激しいソウルと巧みな曲作りを、2006年を代表するヒット「Dump Truck」等のレコーディングとライブ・パフォーマンスの両方に結びつける事に成功している。成功や名声よりも、重要なことは今まで何を成し遂げてきたかということであり、そこから更に新しいことにチャレンジしていくということだという彼は、ルチアーノ、ザ・モールらとのコラボレーションを通じて絶えずエレクトニック・ミュージックのへの新たなアプローチを探している。賞賛が殺到し続けるようになった現在も、深く考えられたサウンドを通じて伝わってくる音楽への誠実な姿勢、彼の人柄は変わらないと言えるだろう。
2006年のテクノ界で最も注目を浴びたといっても過言ではないHEARTTHROB a.k.a. VIVIANNE PROJECTSのJESSE SIMINSKIは、1976年にアメリカ・ミシガンで生まれる。ミュージシャンの父と地元でレコードショップを経営する親戚の影響を受け、PRINCE、KRAFTWERK、LAID BACKなどを聴き少年時代を過ごす。90年代初頭に米国中部にあたるシカゴ、デトロイト、ミネアポリス、ミルウォーキーなどで行われたレイヴパーティーを駆け巡り、ミニマルテクノのパイオニアであるRICHIE HAWTINのサウンドと衝撃的な出会いを果たす。その後自らの音楽制作に精を出し、99年にはニューヨークへ移住、後にMAGDAとTROY PIERCEと知り合うこととなる。音楽制作と現代美術を両立しながらニューヨークのテクノシーンの一員として暮らす中、RICHIE HAWTINもニューヨークに活動拠点を移したため、彼との友好関係を築いていく。2003年にカナダ・モントリオールで行われたMUTEKでのMAGDAのDJセットで彼の音楽が初めてパブリックに披露され、後にMINUSの一員として迎え入れられることとなる。
昨年にMINUSからリリースされた"BABY KATE"は、ミニマルテクノシーンの爆発的な人気のなか、その代表的なアンセムとして世界中でプレイされている。彼のサウンドは、実験的でありながら常に感情的であり、彼のライヴセットこそが現在のMINUSの中枢神経の一部であり、今回CLUB PHAZONでのプレイがアジア初のパフォーマンスとなることでも多くの期待を集めている。現在はパリに拠点を置き、FABRIC(LONDON), WATERGATE(BERLIN), VOLT (AMSTERDAM), BATOFAR(PARIS)などのヨーロッパ主要クラブにて勢力的に活動している。
'AND ANDWER'でRICHIE HAWTIN主宰のMINUSからのデビューを果たしたミシガン出身のJON GAISER。彼の音楽のバックグラウンドにはパーカッションがある。10代でドラムを始め、バンド活動を始める。音楽活動を進める彼が探究心を示したのはドラムマシーンであった。彼のサウンドにみられるデジタルなサウンドと楽器との絶妙なバランスには彼の長年にわたる音への探求心が伺える。ミシガンに拠点を置きながら、90年代半ばからRICHIE HAWTIN主宰のレーベルPlus 8 や Minusにも縁のあるデトロイト・シティへも頻繁に赴きデトロイトテクノから影響を受ける。
キックドラムからの弾けるビートとリズムと対角をなす静的なポーズからなる絶妙なバランスや、もう一つの代表作'Egress'でみせた、バズとビートの上を言葉と旋律が交互に見え隠れしながら展開するサウンドに彼の柔軟な感性と遊び心を垣間みることができ、その卓越された彼のテクニックは圧巻。躍動的でありながら完全にコントロールされたサウンド、音色の多様性は聞く者を魅了し惹き付けてやまない。
Disc1 は今回特別にコンパイルされた初の国内限定MINUSコンピレーションベストアルバムである。
99年の大ヒット曲「Minus Orange」 以外は全て、初のCD化音源という充実の内容となっている。
2007年の新ミックス「Baby Kate Remix」、「Horse Nation Amended」や、 リカルド・ヴィラロボスによるリミックスでヒットした「A Walk In ThePark」、 2004年No.1ヒットとなった「Decompression」から、2006年を代表するヒット曲、「Bay Of Fig」、「Seeing Through Shadows」等、 マイナスの世界観を反映した深くエクスペリメンタルでありながらもクールで、フロアで愛されている曲がセレクトされている。
Disc2 は、トロイ・ピアースによる "現在のマイナス" をイメージしたMixCD。最新ヒット曲、未発表曲を含む25曲を収録。