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忘れもしない2007年3月24日、マイアミで行われた「WINTER MUSIC CONFERENCE 2007」。この日は「CLUB JAZID」にて、スウェーデンの名門レーベル「RAW FUSION」のオフィシャルパーティーに誘われた僕らLOOP一行。Mad Mats、Freddie Cruger、Simbad、Daz I kueなどなど、フューチャージャズ、ブロークンビーツを愛する人であれば名前を聞いただけで卒倒してしまいそうな面子が出演するパーティーだ。
会場の熱気も最高潮に達した午前3時過ぎに登場したのが「KARIZMA」だった。フロアの一番うしろで彼のプレイを見ていた僕は、彼のDJに一瞬にして釘付けとなり大混雑のフロアを泳ぐように掻き分け、ブースに辿り着くやいなや自分の名刺を差し出した。それから半年が経ち、彼のDJとしての驚くべき才能は日本のファンのにも披露されることとなった。
マイアミから帰国後、PUMAのイベント担当さんにKARIZMAのCDを渡した。翌日すぐに電話があり「KARIZMAの音は素晴しいので一緒にツアーを組もう!」という返事がきた。同時にオンラインミュージックストア「WASABEAT」の担当者にもその話をすると「ぜひ一緒に!」とのこと。それから3者で何度となくプロモーション方法や、ツアーの概要を話合い、6月に大枠が決定する。
イベントのリリースを発表すると、ハウス、ジャズ、テクノのコミュニティー、雑誌、ウェブサイト、ウェブTVあらゆる方面から反響があり、イベントの熱が転がり、肥大していくのがわかった。準備は万端!あとは台風でも来ない限りは大丈夫……。
8月中旬KARIZMAがいよいよ来日!初日の8月17日は大阪のクラブ「TRIANGLE」。この日はZERO DBのNEILと共演。実験的なヒップホップ&ロービート、ブレイクビーツでお客さんをディープな部分に引き込んでくれたNEILからバトンを受けてKARIZMAが登場!
序盤いきなり自身のヒット曲「Twyst This」をプレイすると会場はカオス状態、畳み掛けるように同曲の一部をループさせCDJ 1000のCUE ボタンを叩き、その場でリズムを刻み込んでいく!!いやー……、これは実際会場で体感しないと伝わらないライブ感。アクロバティックな手の動き、そして大技を決めても決して雑にならないミックスのテクニック。彼の頭で思い描いた全てが正確に具現化し、フロア熱もそれに応えるように上昇していく。自身のハーシュで、実験的な楽曲をディープハウス、ガラージ、ディスコと調和させていくそのバランスのよさも素晴しい。大盛況のうちに大阪の公演が終わる。
8月18日、そのままトンボ返りで東京へ。この日は僕自身がオーガナイズしているMILKのパーティーだった。
共演ラインナップもKARIZMAのアルバムを発売した「R2 レコード」のKYRI、「DMR」の小川充さん、「JAZZY SPORT」のMASAYA FANTASISTAさん、KOROSUKEさん率いる「ngoma」のライブ、BUSHMINDさん、盟友「Absolute!!」のメンバー、そしてDJ MOCHIZUKIと出演者も豪華!!
オープンから2時間後にはMILKはすし詰め状態に。BUSH MIND、KYRIと回して、小川充さんが登場。そして普段は見られないディープテックセットを披露。幅の広さと経験を感じずにはいられなかった!!地下3階のフロアでは「Absolute!!」メンバーがMASAYA FANTASISTAさんとゴリッゴリのブロークンビーツとマイクパフォーマンスで沸かせていた!
KARIZMAは会場で雑誌やテレビの取材に追われ、慌ててブースに到着。激しく、優しく、前日同様フロアをロック!予定より2時間オーバーで、気がつけばよい時間に。最後は自身もフロアに降りてきて、パーティー成功の余韻と共にクルクルと踊る姿が印象的だった。
翌8月19日は表参道にあるPUMA STORE原宿でのインストアイベント。お店の前にあるオープンコートにソファやら、バーが運び込まれ、スピーカーは表参道の街行く人たちに向けて鳴らされた。
20時のスタートと同時に老若男女、国籍を問わず興味を持った通行人がワラワラと集り始め、あっという間にオープンコートはダンスフロアに変身!クラブミュージックにまったく興味のない人たちまでもが、その雰囲気に酔いしれる様はとても美しかった。プレイが終わるとアンコールと拍手の嵐、そしてPUMA STOREのみんなと記念撮影。
今回ツアーを制作していて本当に心を打たれたのはPUMAのみんなの熱意!この日のイベントに関わらず、訪れた各都市でPUMAのお店に遊びに行くと、手厚く歓迎をしてくれた。決して全員が「クラブ大好き!!」という人たちではないだろうに、KARIZMAの音を予習してくれて、会場では一緒にバカやって、お酒を一緒に飲んでくれた。本当感謝でいっぱいです。
週が明けて8月23日はいよいよ本拠地LOOPでの公演!平日の夜にも関わらず、MILKやPUMAストアのイベント内容を聞いて駆けつけてくれた人たちその数300人!小さなクラブLOOPの人口密度は限界ギリギリに!
8月24日、福岡MAGENTA Akasaka Cuisine。福岡でもおしゃれな人たちが集ることで有名な「Highbridge」というパーティーにゲスト出演。クラブ仕様に着飾った男女が、歓喜の声を挙げながら汗だくになる姿にまたまた感動!
8月25日、仙台「ADD」。すばしいサウンドシステムにKARIZMAも上機嫌でフロアも沸騰状態!
以上全5公演、感動を共有し「フロア⇔アーティスト」と呼応しあった「KARIZMA JAPAN TOUR」は大成功のうちに幕を閉じたのだった。
KARIZMAは「感謝の気持ちを日本のファンに伝えて欲しい」という言葉を残して、故郷のボルティモアに帰っていった。彼は現在2008年2月リリース予定の「a mind of its own」リミックスアルバムの制作中で、DJとしてはイギリスで開催されるビッグフェス「Southport Weekender」でメインステージの出演が決まり、11月22日には沖野修也さんがプロデュースしageHaで開催される「Tokyo Crossover Jazz Festivalにも出演が決まった。
ここ日本でもKARIZMAのプレイを体感できるチャンスが2007年内にもう一度やってくる。今から首を長くして彼の来日を待つことにしよう。