そう、いまちょうど最後の論文を書いているところで、かなり佳境に入ってる(笑)。だから週末遊びに行ったりも出来ないし、本当にこれだけに集中しているところなんだ。年内(2009年)には書き上げるつもりだから、年が明ければ自由の身になれるはずだけど!
ビジネスコミュニケーションという分野を専攻しているんだけど、論文の内容はマーケティングに関すること。
まだわからない。ただ僕はかなり安定志向なもので(笑)。今は音楽の仕事もかなりうまくいっているけど、20年後はどうなっているかわからないから!僕は高校を卒業してからすぐにDJやプロデュースの仕事を始めて、今まできてしまったから、何もちゃんと勉強したことがなかったし、1度何かをきちんと勉強して、自分の身になるものを習得したかったんだ。もしかしたら10年後には音楽活動を止めて、何かまったく違うことを始めたいと思うかもしれないし、まだわからないけど、そういうときのための備えだね。
その通り!僕がこういう専攻を選んだのも、マーケティングに興味があったというわけじゃなくて、応用範囲が広いからなんだ。でも、今のところはまったく何も計画していないよ。
理由はこういうことなんだ。ここ4年近くはフルタイムで学生もやっていたから、週末はDJ、平日は勉強をしないといけなくて、制作に割く時間がなかった。だから制作は長期の休みのときにしかできなかったんだ。
うん。だから春に卒業できるのはとてもうれしいよ!
DJツアーをもっと活発にやっていくよ。これまでは、月曜には大学に戻らなければいけなかったから、ほとんどヨーロッパでしかDJができなかった。だから前回日本に行ったのも長期休暇のときだった。でもこれ以降はもっと自由にツアーが組めるから、さっそくアメリカツアーを計画しているよ。
いや、あれはあくまでミックスCDシリーズの延長なんだ。僕のミックスCDにかなりエクスクルーシヴトラックを入れたから、それをアナログでも出すことにした。ほかの人たちもプレイできるようにね。だけど、今後ミックスCD以外のものをリリースしていく予定は、今のところないと思う。
なるべくタイムレスなミックスにしたいと思って作ったよ。実際のクラブでは、ツール的なトラックものをプレイすることもあって、それが効果的な瞬間というものもあるけれど、そういう曲は2年後にはもう聴かなくなっていたりする。そういう曲は入れずに、長く楽しめる魅力を持った曲を集めたつもり。それが1つのテーマで、さらにもう1つ、家でも楽しめるものを意識した。クラブではなく家で聴くものだからね、なるべくメロディーが豊かな曲を選んだ。でも、もちろんダンスフロアでも機能する音楽だと思うよ。どちらかといえば、ウォームアップ(パーティーの始まり)っぽいかな。でも、曲単体ではピークタイムにかけられるものもいくつかある。3つ目のポイントとしては、エクスクルーシヴな曲をたくさん入れるということ。多くの友人が、このミックスCDのために限定エディットやリミックスを作ってくれた。すべて僕のエディットだと勘違いして書いている媒体もあったんだけど、僕のエディットは1曲(*マーティンの曲)だけで、それ以外はクレジットのアーティストが作ってくれたものなんだ。
そのときによるね。僕は必ず僕の前にプレイしているDJがかけているものを聴いて、お客さんのエネルギーのレベルを見て判断する。すごくテンションが上がっているときに、このCDみたいなセットをプレイするとエネルギーが下がってしまうから、そこは下げないようにする。もし小箱でディープハウス好きばかりが集まっているような状況だったら、このCDみたいなセットもありかもしれない。時間帯にもよるしね。
たくさんいすぎて数名に絞るのはむずかしいけど……、どちらかというと、僕にとってはデトロイトよりもシカゴの方が大きいかな。とくに好きなプロデューサーを挙げると、カジミアと90年代のCajual Recordsの作品すべて。あと、僕はMood II Swingの大ファンでもある。彼らはニューヨークだけどね。あとはDJ Sneakも大好きだね。とくに90年代の作品。でも、もちろんCarl Craigなども大好き。ほかにもいくらでも挙げられるけど、これでだいたい僕のテイストはわかってもらえるんじゃないかな?
ヨーロッパ内だったらある程度アナログも持って行くんだけど、それ以外の海外はCDにしているよ。アナログで持っている曲をたくさんCDに焼いて持って行くんだ。
そう。それだけ柔軟にいろんな状況に対応できる。
音楽に対する関心度が高いと思った。たとえばヨーロッパのお客さんと比べるとね。ヨーロッパのお客さんより、もっと熱心だし、パーティーを楽しもうという勢いがあるね。プレイが終わったあとも話しかけてくる人がたくさんいて、とても音楽に興味を持っているんだなと感じたよ。
そうだね、ハウスシーン全体が成長してきているという実感はある。ミニマル中心だったのが、ハウシーな音に傾倒してきている。ベルリンの特別なところは、ものすごい数のDJやプロデューサーがこの街に住んでいるということ。だから、街全体としてのアウトプットが非常に大きい。ベルリンからリリースされる音楽の数は膨大で、エレクトロニックミュージックのるつぼ状態だ。でも、たとえばInnervisionとCassyを比較すると、ぜんぜんサウンドが違う。これを一括りにはできないと思うんだ。ベルリンのハウスといっても複数の異なる流れがある。でも、もちろん同じ街に住んでいるし、お互いがお互いに影響を与えたり、刺激を与えたりしているんだと思う。クラブやレコード屋でしょっちゅうほかのDJと会う機会があるからね。巨大なネットワークができ上がっているから、そこから受ける影響は当然あるよね。
うん、僕もそう思う。たまたまいい人たちがたくさん集まっているだけかもしれないけど、選択肢もたくさんあるから、競争する必要性もあまりない。それぞれにホームグラウンドとするクラブやレーベルがあるし、多くの人はベルリンの外でプレイすることの方が多いから、仕事を取り合う必要がないんだよね。
うん、そのイメージは理解できるよ。Mobileeの中では僕はちょっと異色かもしれない。ほかのアーティストはテクノ寄りの人が多いから、僕がもっともハウシーなアーティストだね。でもMobileeの最初のリリースは僕の曲で、レーベル設立当初からのメンバーなんだ。でもAnja Schneiderとはレーベルを始める前からのいい友人で、レーベルを始めるときに僕にも何か出さないかと声をかけてくれた。彼女がやるレーベルならぜひ参加したいと思ったしね。ほかのアーティストたちとも仲がいいし、とてもいい環境だから今後はもっとたくさんの音楽を発表していくよ!
ありがとう!
INTERVIEWS