エレクトロでもArc「Arcadion」や初期のSlope、Only Freak「Can't Get Away (From Your Love)」みたいに、ディスコよりだったり、ブギーテイストなものは僕も好きでよくかけるんです。
でも、今のメジャーなシーンでいわれるエレクトロは僕には少しロック過ぎるんですよね。たとえば、ラリー・レバンがかけていたような80'のエレクトロディスコとか、エレクトロファンク。ハービー・ハンコックやFREEZE、SYLVESTERといった、どちらかといえばルーツエレクトロ的なものなんかは制作の上でもアプローチの参考にもなるし、カッコイイものが多いので、実際に普段からよく聴いてます。
以前から「Blazin'」などの僕の楽曲を、ティミー・レジスフォードやダニー・クリビットといったディープハウスのDJがかけてくれていたんですが、実はThe GalaxyやPlanetaly Trackといったトラック、またローランド・アペル「Dark Soldier (DJ KAWASAKI Remix)」なんかは、元URのDJ3000や、DJヘル、といったテクノ /エレクトロDJの方も評価してくれていたのがきっかけですね。
テクノアプローチの曲は、ファーストアルバムからこっそり入れてきたんですけど、アルバムを通してやったことはなかったので、今回は自分にとってもチャレンジでしたね。
でも、あくまで自分らしく、同時に進化することを心がけて、自分が思うロマンティックなテクノということで、「ロマンテック」というテーマのもとに制作に取り組みました。
イメージでいえば、ディープハウスの持つメロディアスでソウルフルな部分とデトロイトテクノのエッジなトラックの融合といった感じですね。
もともと、DJをするときには、URやグレン・アンダーグラウンド、ピラーナ・ヘッドなんかは好きで、普段からよくかけていましたし、セオ・パリシュやムーディーマンが作るディスコ、ダンクラのエディットものにも、とても影響を受けました。
まず、イメージしたビートを作ってループし、その上でキーボーディストにいろいろなパターンのパーツをもらって、あとで切って貼ったりして編集していきます。
簡単な16小節のオケが出来上がると、歌ものの場合はメロを考えてガイドラインを入れていきます。
とはいえ、曲作りをするときには、一切手抜きをせず、全曲シングル曲のクオリティで、作るように心がけているので、基本インストの状態でもダンスフロアで成立するところまで持って行くようにします。そういう意味では、ものすごくDJ的な作り方かもしれませんね。
ボーカリストは、僕が好きで普段からよくかけている曲で歌っているシンガーの方々の中から、トラックのイメージに合う人を選んでお願いしました。
確かに、驚いてましたね(笑)。でも、ダンスフロアで盛り上がったから、ファンの方に興味を持たれたと思うんです。かっこいい!という反応をいただいていましたから。
一番たずねられたのは「Galactic Love」なんですが、この曲はアルバムの中でも一番チャレンジした曲でもあるのでうれしかったですね。
沖野修也さんがプロデュースをする渋谷のクラブ"The Room"で友人に紹介してもらい知り合いました。彼女のアルバムを聴いてとともかっこいいと思っていたし、彼女も僕の楽曲を聴いてくれていたので、いつかコラボレートしようねという話になったんです。後日、僕の次のアルバムで1曲歌ってほしいと彼女に声をかけたところ「ぜひ!」と快く引き受けてくれました。
日本語の歌詞にしたのは、別に国内のマーケットを意識しているわけではなく、単純にCOMA-CHIとやるから自然と日本語になったんです。それに、ラップはほかの方とのコラボレーションでもやられているので、このアルバムではボーカリストとしてのCOMA-CHIの能力を引き出したかったんですよね。
まず最初、デモ制作を始める前に、プロデューサーでもある沖野修也さんから、「ピアノとストリングスは一切禁止やで!」という厳しい注文をいただきました。
今までのスタイルだと、ピアノやストリングスは、サビ部分の華やかさを演出するには欠かせない重要な楽器だったので、正直驚きました。
結果、リフのような部分では使っている曲もあるんですが、シンセと重ねていたりパーツを切ってループしたり、アレンジとして新しいことができました。
制作していておもしろかったし、クリエーターとして進化していくためにも、今回のしばりはとても重要なことだったと思います。
Joey Negroのプロダクションにはいつも刺激を受けます。ソウルフルなのにアレンジがいつも新しい。
あと最近注目しているアーティストは、Ezelですね。歌ものでオーガニックな生楽器を使っていてもキーボードの使い方が斬新で踊れるんです。
僕は日本人なので、ジャパニーズハウスというカテゴリーにくくられてしまうこのに関しては当たり前だと思っているので、とくに意識していないです。
でも、ひとことでいってもJポップを4つ打ちにしただけのようなものから、海外でもちゃんと通用するようなものまでいろいろあると思うので、そこはできればリスナーのみなさんに聴き分けてほしいですね。
実は今回サードアルバム用に、新しく50曲ほどの新しいデモを作ったんですが、"ロマンテック"というテーマに見合った10曲をプロデューサーでもある沖野修也さんにセレクトしていただいたんです。
実際、すでにヴォーカルレコーディングを終えてる楽曲もあるので、残りの曲がすべてボツということではなく、何曲かは次回のアルバムに収録されるものもあると思いますよ。
確かに厳しい状況ですけど、デビュー前から考えると自分の状況はどちらかというとよくなっていると思ってます。
現にメジャーからリリースもさせていただいていますし、DJでも全国津々浦々廻らせていただいてますから幸せなことですね。
僕としては、とにかくこれからもいい曲をどんどん作って発表し続けていきたいと思ってます!
今後は、リリースツアーで全国を廻る予定です。東京では、12/10(金)にelevenにて、友人でもあるDAISHI DANCE、そしてCOMA-CHIをスペシャルゲストにむかえ、盛大に楽しく開催する予定です。
僕は、音楽制作に関してもそうですが、DJプレイでも、ジャズ、 フュージョン、ソウル、ファンク、ディスコ、テクノといった、今まで吸収してきた良質なすばらしい音楽を意識して取り混ぜていくようにしているので、僕のアルバムやDJを聴いて、そういった僕のルーツミュージックにも興味を持ってもらえるとうれしいです。全国のみなさんにお会いするのを楽しみにしています。
DJ KAWASAKI 「PARADISE」
2010.09.01 Release
2,500yen[tax in]
TOCT-26982 (EMI Music Japan)
01.Galactic Love
02.Paradise feat.COMA-CHI
03.Say You'll Stay feat.Andrea Love
04.Heaven
05.Feel The Music feat.Tasita D'Mour
06.Journey
07.Love Crash Down feat.Fyza
08.Reach Out feat.Tasita D'Mour
09.Star Force
10.Searching feat.Daniela Bates
DJ KAWASAKI 3rd Album "PARADISE" Japan Tour & DJ Schedule
9/10(金) 東京 MOON DANCE@(marunouchi) HOUSE
9/18(土) 長崎 Relation 2010@Bg Cafe
9/19(日・祝前) 京都 Metro
9/22(水・祝前) 神戸 Troop Cafe
9/25(土) 盛岡 players cafe
10/2(土) 金沢 MANIER
10/9(土) 沖縄 Club Be Green
10/15(金) 名古屋 CLUB MAGO
10/16(土) 東京 Tokyo Jazz Meeting@The Room
10/23(土) 札幌 ACID ROOM
10/30(土) 大阪 NOON
11/6(土) 福岡 O/D
11/13(土) 宮崎 Labo_underground
11/20(土) 宇都宮SPACE LAB π
11/22(月・祝前) 岡山 MARS
12/4(土) 仙台 CLUB SHAFT
12/10(金) 東京 eleven
12/11(土) 長野 FAME
INTERVIEWS