ベルリン生まれのDJ、プロデューサー、レーベル・オーナーでもあるベン・クロックは、今日のテクノを語る上で欠かせない影響力を持つ人物だ。2004年のオープン当初からクラブ〈Berghain〉のレジデントを務め、その経験によって彼はDJとしてもプロデューサーとしても、独自のアプローチを確立してきた。ヒプノティックで深く重厚なグルーヴを聴かせるプレイ、そして〈Ostgut-Ton〉や自らが2006年に立ち上げたレーベル〈Klockworks〉から発表した作品により、ここ数年で国際的にも高い評価を得ている。ケリー・チャンドラー、マーティン、ディペッシュ・モードといった幅広いアーティストのリミックスを手がけ、ソロアルバム『One』、2010年には『Berghain 04』を発表、2012年にロンドンの老舗クラブ・Fabricが定期的にリリースする人気mixシリーズの66作目『Fabric live #66』を手掛け、確固たる知名度を擁立した。そして彼によるベルグハイン毎月の代名詞アクトとして名高いロングマラソンセットは、アーティスティックで神業的なスキルを駆使して限界点を軽く吹き飛ばし、ベンクロック自身のエネルギーの源を象徴している。