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Jeru The Damaja

 ブルックリン育ちのリリカルMC。1994年にPaydayからリリースしたデビューアルバム"The Sun Rises in the East"は、DJプレミア(DJ Premier)がそのサウンドの全てを手がけ、同時期にリリースされたナズ(Nas)のアルバムと評価を2分するほどの勢いがあった。中でもプロモーションシングルが存在する"Da Bitches"や、未だにプレミアの最高傑作と呼び声の高いデビューシングルの"Come Clean"、"D Original"等の秀作ばかり収録されている。
 
 ストイックなライミングと、それを支える独特のフロウ、コンシャスなリリックが受け、メジャーアーティストが築き上げつつあった煌びやかなシーンとは全く正反対の、真にストリート、実にアンダーグラウンドな傑作が収録されていたファーストアルバムから2年後、リリース前から評判が一人歩きするほどシングルカットを期待された"One Day"や"The Frustrated Nigga"、やはりDJ Premierクラシック達といえるシングル"Ya Playin' yaself"に"Me or the Papes"等を収録した2ndアルバム"The Wrath of the Math"('96)をリリース。内容は評価が高かったのだが、リリース後しばらくしてセールス的な問題が指摘され始めると、プレミア達との「方向性の違い」を理由にギャング・スター・ファウンデーション(Gang Starr Foundation)から去ってしまう。

 その後の活動は、クォリティコントロールの全てを自分の手の届く場所におき、自ら設立したレーベル"Knowsavage Records"から3枚目のアルバム"Heroz4hire"をリリース。リリースしたシングル"99.9%"は限定数ながらも即完売。その後もDJ HondaやGroove Armadaなどの海外勢との共演や客演をこなしていき、アンダーグラウンドながらも活動の枠を広げている。最新アルバムは"Divine Design"('03)で、Edd Dontezがプロデュースしたシングル"War"は、昔ながらの雰囲気に立ち返ったようなサウンドとジェルーの相変わらずストイックなスタイルが評判を呼んでいる。