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BOOKA SHADE

ベルリンを拠点としたArno KammermeierとWalter Merzigerの2人によるデュオ。

4thアルバム『More!』をリリースしてからのスケジュールはノンストップでとても過酷なものであったと同時にとても充実したものであった。

Sonarをはじめとするヨーロッパのフェスティヴァルに軒並み参加したり、オーストラリア、ブラジル、イギリス、アメリカをはじめとする各国をワールドツアーでまわっただけでなく、BBC Radio1でのライヴ披露や、Annie Nightingaleの40周年祝賀に参加したり、各方面で活躍した1年となった。

 

Booka Shadeは、アンダーグラウンドテクノのサウンドと魂を伝える稀有なエレクトロニックミュージックのアーティストである。同時に、フェスティヴァルでは観客を盛り上げ、最近ではロック界隈のファン層も増えてきている。昨年末にはオーストラリアのロック&ダンスフェスBig Day Outの準備をしているさなかに、影響力のあるメディアのひとつResident Advisorにて、TOP5ライヴアクトに選ばれたのだ。これが正にBooka Shadeがジャンルの壁を超えていることを証明した。Booka Shadeのつくる音楽はダンスミュージックではあるが、クラシック、ロック、ジャズ、ダブステップなど様々なジャンルから影響を受けていることを考えれば、ジャンルの壁を超えて支持されるのもうなずける。2人は25年共に活動してきた中で、ArnoとWalterはひとつのセット、音、シーンにとどまっているのは不可能だということに気づいたのだ。

 

彼らの故郷ドイツ、ザールブリュッケンにいたころはOlanet Claire名義でエレクトロニックPOPを作っていた。その後フランクフルトのクラブシーンに魅了された2人はDegeneration名義のヒット作"Una Musica Senza Ritmo"を含め数え切れないほどのアンダーグラウンド・ダンストラックをリリースしつづけた。90年代も半ばに差し掛かると、ありきたりなダンスミュージックに飽きた彼らは映画音楽の制作や、独メジャーレーベルのヒットPOPソングのプロデューサーという役割にまわったが、キャリア的には暗黒期であった。

 

02年になり、Booka Shadeは拠点をベルリンに移し、レーベル・プロダクションGet Physical MusicをM.A.N.D.Y.やGroove誌の編集者Thomas 'DJ T' Kochらと共に立ち上げ、ついに音楽的な自由を手に入れたのだった。それからはBooka Shadeの指導のもと、Get Physicalはベルリン屈指のダンスミュージックレーベルへと成長した。自身のアルバムも『Momento』、『Movements』、『The Sun & The Neon Light』、『More!』など次々と発表、リミキサーとしてもDepeche Mode, Moby, Hot Chip, Kings of Leonなど名だたるアーティストの作品を生まれ変わらせていった。彼らの生み出すサウンドはメロディアスで叙情的であり、長く愛され続けるクラブミュージックと言える。そして、常に自分たちにしていることに対して疑問符を投げかけ、アンテナを張っている二人は別のエリアで活動するべくフレッシュなスタートをきったばかりだ。設立からおよそ10年が経ったGet PhysicalをArnoとWalterとDJ Tは共同設立者のPhilipp JungとM.A.N.D.Y.ことPatrick Bodmer、Peter Hayoに引き継いだのだ。休憩が欲しかっただけであり、仲違いをしたわけではなく、現にM.A.N.D.Y.とは引き続きトラック制作を共に行なっている。

 

2011年も引き続き、アジア、ヨーロッパ、アメリカを飛び回り活動を続けている。