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冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』

photo by Yashuhiro Ohara


今年11月11&12日に東京・オーチャードホールで予定されている、先頃逝去した作曲家・世界的シンセサイザー・アーティスト冨田勲の追悼公演、「冨田勲 追悼特別公演 冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」の第1部で、追加の上演プログラムが発表されました。英国出身のDub MIXの巨匠エイドリアン・シャーウッドが来日し、追悼特別プログラムとして、冨田勲が1977年に発表し世界的ヒットとなったシンセサイザー作品の代表作「惑星 Planets」のLive Dub Mixを披露いたします。



  「惑星 Planets」は、当時シンセサイザー・アーティストとして世界的名声を誇っていた冨田が、ホルストのオーケストラ組曲「惑星」をシンセサイザー作品として昇華させ、1977年にリリース。全世界で250万枚を超える大ヒットを記録した、冨田のシンセサイザー作品の代表作であり、宇宙を描いた音楽の代名詞ともいえる作品として、今なお色あせぬ魅力を放つ不朽の名作です。

そのすみずみまで精巧に作りこまれた内容ゆえに、これまでREMIX等で手を加えることを決して許可してこなかった本作を、「理想のサウンドを追究するISAO TOMITAの想いを、次世代のアーティスト達に引き継いでもらいたい」という遺族の意向もふまえ、本公演にて追悼特別プログラムとして、史上初のオフィシャルREMIXでのパフォーマンスを行うことになりました。初のREMIXのパフォーマーとして白羽の矢がたったのは、英国ロンドン生まれ、現在58歳のダブミックスの巨匠エイドリアン・シャーウッド。

リー・ペリー、マーク・スチュワート、プライマル・スクリーム、エイジアン・ダブ・ファウンデイション、ナイン・インチ・ネイルズ、ノイバウテン、ミニストリー、にせんねんもんだいなど、ジャンル横断の世界のアーティストたちとコラボレーションを繰り広げる巨匠が、この電子音楽黎明期の不滅の金字塔に、リアルタイム・ダブミックスで挑みます。

本公演は、はじめに「イーハトーヴ交響曲」、そして最後にスペース・バレエ・シンフォニー「ドクター・コッペリウス」という、冨田勲が晩年に残したバーチャルシンガー初音ミクとオーケストラのコラボレーション作品2作を上演することがすでに発表されており、その2作に挟まれるかたちで、この「惑星 Live Dub Mix」が上演されます。

これまでに例のない、大オーケストラ作品と、Dub Mixパフォーマンスが一夜で上演される試みは、まさにオーケストラ作曲家と世界的なシンセサイザー・アーティストという両面をもっていた冨田勲の追悼特別公演にふさわしいプログラミングと言えるでしょう。