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TAKKYU ISHINO (TOKYO) ああなんとか間に合った~とstaffの彼女に 電話して彼らの居るところに走って行く 2013.07.16UP

「非現実的空間」ってよく使われる言葉ですが、実際そうそうあるものではないと思います。何をもって「非現実的空間」なのでしょうか?一人は、音楽が爆音で鳴っている状態を言うかもしれません。一人は最先端技術を駆使した演出と言うかもしれません。私の場合は、「WIRE07」で見たもの全てと言いたくなると思います。



私が「WIRE」に初めて行ったのは、2007年でした。年齢にして24歳の時です。その時には、クラブにも行ってましたし、DJもしていましたが「WIRE」にはなかなか手が出せていませんでした。理由はチケット料金(笑)。私自身、ケチの性分というのもあるのですが。。。ただ友達が昔から言っている言葉があるのですが「ここに1冊の本がある。ただし料金は1万円。これを高いと思って諦めるのか?でも、もしかしたら自分の将来を変えてくれる1冊になるかもしれない。そう思ったら高くない」。簡単に言ったら自己投資をカッコつけて言っただけなんですけね(笑)。ただこの言葉に影響されてチケットを買いました。

今、07年のラインナップを見てるのですが、やっぱりすごいなと思います。DAVE CLARKE、DJ KOZE、FELIX KROCHER、JESSE ROSE、RENATO COHEN、WESTBAM、JORIS VOORNなどなど。この年を騒がせていたのは、特にシュランツをプレイするFELIX KROCHERだったかなと。シュランツとは、ハードテクノ、ハードミニマルから派生した音楽ジャンルの1つでBPM150前後の超高速のビートが特徴的(当時はBPM180くらいが謳い文句だったかな)。ただ、個人的にセカンドフロアでプレイしていたREINHARD VOIGTでやったら踊った記憶があります。とちょっと話はそれましたが2007年は、こんな年でした。





「非現実的空間」=「WIRE07」で見たもの全てと書きましたが、これは、あの場に行ったことある人であれば、特に初めて行った時、感じることかもしれません。人は単純に巨大なものやスケールの大きいものを見ると感動したりしませんか?横浜アリーナという巨大な空間に、巨大なDJブースやモニュメントが設置されているのに驚き、写し出される映像のクオリティーに驚き、飛び交うレーザーや照明は、幼稚な言葉かもしれないけれどまるでビームが飛び交う未来の戦争の様に見えました。その中を遠くに小さく見えるDJが、フロアを埋めるたくさんのオーディエンスを躍らせている様子。J-POPでなく、テクノでこれだけの人が踊っていることに、今までの体験にはない異質な空間「非現実的空間」に思えたのでしょう。



今でさえ、さまざまなフェスがありますが「WIRE」は、私が思うにある意味1番人間的なフェスかもしれません。野外ではなく日光を遮り雨風を凌げる屋内で、人間が作り出した電子機器を使い音を出し、演出する。出される音楽は、エレクトロニクスミュージックで、それをあの規模で行う。まるで人類の力を総動員させたようなエネルギーを感じれる空間なのです。

今年は、15周年ということもあり例年以上の演出が期待されます。DAFTPUNKの最新アルバム『Random Access Memories』にもゲスト参加した、偉大なるディスコの父GIORGIO MORODERも出演しますし、WIRE恒例のWIRE GIRLも楽しみです。あとテクノ丼も。
エントランスを潜り、メインフロアの扉を開け「WIRE07」の時に受けた衝撃を超えてくれることに期待しています。

Text:yanma (clubberia)

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PROFILE

TAKKYU ISHINO (TOKYO)

TAKKYU ISHINO (TOKYO)

1983年7月16日生まれ。島根県出身。現29歳。服飾の専門学校を卒業後、アパレル会社に入社するが音楽の仕事に携わりたくなり退社。そしてclubberiaに就職。現在は編集長を務める。