今年もリリースされました、毎年恒例のWIREコンピ。今回は15周年ということもあり、特にメモリアルなコンピとなったのではないでしょうか?卓球さんの楽曲を含め9曲が新曲の全22曲、それもWIRE出演者のトラックなので国内外のトップアーティストの楽曲がパッケージされています。だから、イベント発信ながら高いクオリティーを誇っているコンピという印象です。今回のコラムは、「WIRE13 COMPILATION」について書いてみようと思います。
まず、レーベルの人も言っていたんですが、アブストラクト的なトラックもあればダンストラックもあったりと各アーティストのスタイルがバラバラで、例年に増しておもしろい作品になっていました。トラックの順番も聴き手とシンクロする感覚があるので、全曲をしっかり聴けるのは嬉しいですね。(アルバムってどうしても聴かないトラックがでてきてしまうので)。それでは、各トラックを聴いての印象を主観も交えながら紹介していきます。
■DISC 1
1, Ken Ishii / Serial Puncher(新曲)
重いベースとドライなリズム隊で悪い仕上がりに。中盤の長いブレイクのスネアの連打とシンセでぐいぐい引っ張られてのブレイク開けのキックがすごい気持ちいいトラックです。ついつい前のめりになってしまいます。
2, Len Faki / BTX1
弾力のあるキックに歪んだ女性のボイスサンプルが乗り、そこにまたボイスサンプルが重なり、裏打ちのハイハットが入り、どんどん音が重なってくるのが手に取るように分かるから、初めて聴いても次が予想でき、ついつい調子に乗っちゃい、気が付いたら右手を上げてリズムを取っている自分が想像できました。
3, 2000 and One / Toronto
ファンキーなアシッディートラック。オールドスクールな質感ってついつい惹かれてしまいます。「Chack it out」のボイスサンプリングがダサかっこいいです。こういう質感をアーバンにまとめる彼のセンスはすごいです。
4, Bart Skills / Hypnotizing
レコ屋のポップに「1枚持っていると重宝します!」くらいのことが書かれそうなほどDJライクなトラックです。重い低域のグルーヴ感も心地よく、これぞダンストラックと言いたくなるほど調和が取れているように思います。
5, Philipp Gorbachev / Last Days Of The District
ファンキーなベースに引っ張られ、乗っかるボーカルもファンキーで、卑怯と思うほどカッコイイトラックです。生音感もあり、演奏風景がイメージできてしまうほどです。
6, Pachanga Boys / Speedo And Boots
我慢の音楽と言いたくなるほどスロー&ミニマル。アブストラクト的なトラックは、このコンピの中で一際目立っています。彼らの作るトラックは、本当にバラエティー豊か。
7, Giorgio Moroder / Chase
きましたディスコの父。Giorgio Moroder節全開のアンセムトラックが収録!時代を感じる部分があるけれど、この時代にしか出せなかった音があると思うとやはりカッコイイ。
8, Takkyu Ishino / Jack Wire(新曲)
House Master Boyz & Rude Boy Of Houseの名盤「House Nation」のような立ち上がりから、「Jack Wire」のボイスループと近年の卓球さんのWIREトラックの中でも1番好きかもと思っています。
9, Beroshima / the 15th dimension(新曲)
響いてます響いてます。水中というか、湿度がめちゃくちゃ高い場所の中で鳴ってる印象です。(東南アジアとかのイメージではなく)ドラマチックな展開へ静かに持っていく感じも卑怯です。
10, TAKAAKI ITOH / DISSOLUTION(新曲)
ストイックなまでに一貫したミニマルグルーヴが感じられる硬派トラック。独自のインダストリアル感についつい無言になってしまいます。まさにKing of Japanese Underground Techno。
11, Westbam / You Need The Drugs
ニューアルバム『GOTTERSTRASSE』からのリードシングルがパッケージされました。WESTBAMの新しい側面をこれで感じ取ってもらえるかと思います。ちょっとしただらしなさと、ちょっとした哀愁にどんどん惹き込まれてしまいます。個人的にこのトラックはかなり好きです。
■DISC 2
1, Klaus Nomi / DJ Hell / Cold Song 2013 Remodeled
切ないメロディーのアルペジオが続きます。ゴスペルも合わさってまるでチャーチサウンドをエレクトロニクスで表現したトラックです。こういったトラックはあまり無かったです。さすがHell。
2, RYUKYUDISKO / OMEDETO FIFTEEN(新曲)
オメデト、オメデトってどこで言っているかな?と思ったらかろうじて聴き取れるくらいまで加工してあります。超アシッドなミニマルトラックに仕上がっています。ちなみにRYUKYUDISKOは、今年デビュー10周年なのでダブルでオメデト!
3, Vath vs. Rother / Komm (Gregor Tresher RMX)
タイムラインが進むに連れてどんどん加速していく感覚があります。歪ませたシンセがかっこいいピークタイムトラックです。ドライブ中に聴いたらスピード出しすぎそうです。
4, Mijk van Dijk feat. Michiyo Honda / My Wire To You(新曲)
煌きがディスコ的要素もあり、こんなことをいうのはあれですがすごいカワイイトラックです。でもベースがぶっとくて対比がおもしろいです。漫画、ゲームの愛好家である彼の側面が反映されてるのかなと思いました。
5, A.Mochi / Disabled List(新曲)
巨大な戦車が地響きをたてながら近づいてくるかのようなトラックです。こんなトラックをしっかりしたサウンドシステムでかけられたら狂ってしまいそうです。今年のWIREでのパフォーマンス1曲目にかかりそうなテンションです。
6, Matias Aguayo / Dear Inspector
カテゴリーし辛いMatias Aguayoのトラック。土着的なリズムもある反面、どこか洗礼されているディープハウストラックになっているようにも思います。このゆるさ、余裕感、すごいセンスだなと思います。
7, DJ SODEYAMA feat. ReE / FREEDOM(新曲)
収録曲の中でも渋いトラックですが、1つ1つの音の質感(個人的には、湿っている印象があります)や、音と音の配置のしかたが、すごいなと思います。これはいいサウンドシステムや、いいヘッドフォンで聴いてほしいですね。徐々に音が増幅していく感覚が味わえると思います。
8, Fumiya Tanaka / What can you celebrate? (新曲)
使用されているボイスサンプリングが女性のあえぎ声のような気もするのと、日本人男性だと思われるボイスサンプリングも怪しい内容っぽいのが気になります。淡々としたミニマルトラックに時間軸を忘れてください。
9, Josh Wink / Balls (big mix) Radio Edit
コンピの中で1、2を争うアッパーなトラックです。Josh節全開のアシッドベースに、スネアの連続と空間系シンセでスケールの大きいトラックになっています。アリーナ栄えしそうです。
10, Slam / Collecting Data(Slam 2013 Remix)
Josh Winkのトラックと同様、かなりアッパーなトラックです。裏打ちのハイハットとシリアスなシンセでグイグイ引っ張っていく直球タイプです。Joshは高速スライダーと高速フォークって感じ。
11, Agoria / Les Violons Ivres
Agoriaならではのキレイなメロディーを生かしたトラック。メロディー好きな日本人に合うと思います。中盤からストリングスも入ってきて泣きのストーリです。このコンピを締めくくるのにふさわしいトラックです。
今回、このコンピを購入すると、抽選で「WIRE13」のバックヤードなどを見学することのできるバックステージツアーやWIREスペシャルグッズが当たる購入者特典も用意されます。バックヤード、私も行ったことないので見てみたいなです。でもファンの人はすごい興奮するのだろうなと思うけど、私の場合ビビっちゃいそうです。
Text:yanma (clubberia)
まず、レーベルの人も言っていたんですが、アブストラクト的なトラックもあればダンストラックもあったりと各アーティストのスタイルがバラバラで、例年に増しておもしろい作品になっていました。トラックの順番も聴き手とシンクロする感覚があるので、全曲をしっかり聴けるのは嬉しいですね。(アルバムってどうしても聴かないトラックがでてきてしまうので)。それでは、各トラックを聴いての印象を主観も交えながら紹介していきます。
■DISC 1
1, Ken Ishii / Serial Puncher(新曲)
重いベースとドライなリズム隊で悪い仕上がりに。中盤の長いブレイクのスネアの連打とシンセでぐいぐい引っ張られてのブレイク開けのキックがすごい気持ちいいトラックです。ついつい前のめりになってしまいます。
2, Len Faki / BTX1
弾力のあるキックに歪んだ女性のボイスサンプルが乗り、そこにまたボイスサンプルが重なり、裏打ちのハイハットが入り、どんどん音が重なってくるのが手に取るように分かるから、初めて聴いても次が予想でき、ついつい調子に乗っちゃい、気が付いたら右手を上げてリズムを取っている自分が想像できました。
3, 2000 and One / Toronto
ファンキーなアシッディートラック。オールドスクールな質感ってついつい惹かれてしまいます。「Chack it out」のボイスサンプリングがダサかっこいいです。こういう質感をアーバンにまとめる彼のセンスはすごいです。
4, Bart Skills / Hypnotizing
レコ屋のポップに「1枚持っていると重宝します!」くらいのことが書かれそうなほどDJライクなトラックです。重い低域のグルーヴ感も心地よく、これぞダンストラックと言いたくなるほど調和が取れているように思います。
5, Philipp Gorbachev / Last Days Of The District
ファンキーなベースに引っ張られ、乗っかるボーカルもファンキーで、卑怯と思うほどカッコイイトラックです。生音感もあり、演奏風景がイメージできてしまうほどです。
6, Pachanga Boys / Speedo And Boots
我慢の音楽と言いたくなるほどスロー&ミニマル。アブストラクト的なトラックは、このコンピの中で一際目立っています。彼らの作るトラックは、本当にバラエティー豊か。
7, Giorgio Moroder / Chase
きましたディスコの父。Giorgio Moroder節全開のアンセムトラックが収録!時代を感じる部分があるけれど、この時代にしか出せなかった音があると思うとやはりカッコイイ。
8, Takkyu Ishino / Jack Wire(新曲)
House Master Boyz & Rude Boy Of Houseの名盤「House Nation」のような立ち上がりから、「Jack Wire」のボイスループと近年の卓球さんのWIREトラックの中でも1番好きかもと思っています。
9, Beroshima / the 15th dimension(新曲)
響いてます響いてます。水中というか、湿度がめちゃくちゃ高い場所の中で鳴ってる印象です。(東南アジアとかのイメージではなく)ドラマチックな展開へ静かに持っていく感じも卑怯です。
10, TAKAAKI ITOH / DISSOLUTION(新曲)
ストイックなまでに一貫したミニマルグルーヴが感じられる硬派トラック。独自のインダストリアル感についつい無言になってしまいます。まさにKing of Japanese Underground Techno。
11, Westbam / You Need The Drugs
ニューアルバム『GOTTERSTRASSE』からのリードシングルがパッケージされました。WESTBAMの新しい側面をこれで感じ取ってもらえるかと思います。ちょっとしただらしなさと、ちょっとした哀愁にどんどん惹き込まれてしまいます。個人的にこのトラックはかなり好きです。
■DISC 2
1, Klaus Nomi / DJ Hell / Cold Song 2013 Remodeled
切ないメロディーのアルペジオが続きます。ゴスペルも合わさってまるでチャーチサウンドをエレクトロニクスで表現したトラックです。こういったトラックはあまり無かったです。さすがHell。
2, RYUKYUDISKO / OMEDETO FIFTEEN(新曲)
オメデト、オメデトってどこで言っているかな?と思ったらかろうじて聴き取れるくらいまで加工してあります。超アシッドなミニマルトラックに仕上がっています。ちなみにRYUKYUDISKOは、今年デビュー10周年なのでダブルでオメデト!
3, Vath vs. Rother / Komm (Gregor Tresher RMX)
タイムラインが進むに連れてどんどん加速していく感覚があります。歪ませたシンセがかっこいいピークタイムトラックです。ドライブ中に聴いたらスピード出しすぎそうです。
4, Mijk van Dijk feat. Michiyo Honda / My Wire To You(新曲)
煌きがディスコ的要素もあり、こんなことをいうのはあれですがすごいカワイイトラックです。でもベースがぶっとくて対比がおもしろいです。漫画、ゲームの愛好家である彼の側面が反映されてるのかなと思いました。
5, A.Mochi / Disabled List(新曲)
巨大な戦車が地響きをたてながら近づいてくるかのようなトラックです。こんなトラックをしっかりしたサウンドシステムでかけられたら狂ってしまいそうです。今年のWIREでのパフォーマンス1曲目にかかりそうなテンションです。
6, Matias Aguayo / Dear Inspector
カテゴリーし辛いMatias Aguayoのトラック。土着的なリズムもある反面、どこか洗礼されているディープハウストラックになっているようにも思います。このゆるさ、余裕感、すごいセンスだなと思います。
7, DJ SODEYAMA feat. ReE / FREEDOM(新曲)
収録曲の中でも渋いトラックですが、1つ1つの音の質感(個人的には、湿っている印象があります)や、音と音の配置のしかたが、すごいなと思います。これはいいサウンドシステムや、いいヘッドフォンで聴いてほしいですね。徐々に音が増幅していく感覚が味わえると思います。
8, Fumiya Tanaka / What can you celebrate? (新曲)
使用されているボイスサンプリングが女性のあえぎ声のような気もするのと、日本人男性だと思われるボイスサンプリングも怪しい内容っぽいのが気になります。淡々としたミニマルトラックに時間軸を忘れてください。
9, Josh Wink / Balls (big mix) Radio Edit
コンピの中で1、2を争うアッパーなトラックです。Josh節全開のアシッドベースに、スネアの連続と空間系シンセでスケールの大きいトラックになっています。アリーナ栄えしそうです。
10, Slam / Collecting Data(Slam 2013 Remix)
Josh Winkのトラックと同様、かなりアッパーなトラックです。裏打ちのハイハットとシリアスなシンセでグイグイ引っ張っていく直球タイプです。Joshは高速スライダーと高速フォークって感じ。
11, Agoria / Les Violons Ivres
Agoriaならではのキレイなメロディーを生かしたトラック。メロディー好きな日本人に合うと思います。中盤からストリングスも入ってきて泣きのストーリです。このコンピを締めくくるのにふさわしいトラックです。
今回、このコンピを購入すると、抽選で「WIRE13」のバックヤードなどを見学することのできるバックステージツアーやWIREスペシャルグッズが当たる購入者特典も用意されます。バックヤード、私も行ったことないので見てみたいなです。でもファンの人はすごい興奮するのだろうなと思うけど、私の場合ビビっちゃいそうです。
Text:yanma (clubberia)