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Solstice Music Festival 大解剖

1999年にスタートした「Solstice Music Festival」は、トランス・ミュージック・ファンのみならず、エレクトロニック・ミュージック・ファンの記憶にも残る伝説的フェスティバルとして今なお語り継がれている。最後の開催となった2007年から約8年。今年、ついに復活を遂げる「Solstice Music Festival」とは一体どんなフェスティバルなのだろうか? 過去の歴史や映像、そしてRaja Ramのインタビューとともにその魅力を徹底解剖する。

Solstice Music(ソルスティスミュージック)は1996年にカナダのバンクーバーでのイベントプロデュースから始まり、1998年に活動拠点を東京に移動。当初はオーガナイザーであるChikaとAkiraもDJとして活動しており、MASA、Kotaroなどシーン黎明期を創ってきたDJたちと共に数々の伝説的パーティーを開催してきた。
とくに、日本では認知度の低かったトランス/サイケデリックミュージックを広めるべく、音楽レーベルとして数多くのCD、レコードをリリース。日本のみならず世界的なシーンの発信源としてオーディエンス、そしてDJ、アーティストからも絶対的な支持を集めてきた。なかでも、2000年から2002年にかけて本栖ハイランドで開催された「Solstice Music Festival (= SMF)」は日本におけるシーンの絶頂期であり、金字塔でもある。しかし、その後のシーン衰退とともに、2007年の開催をもって活動休止に入った。
そして2013年、久しぶりに大規模な復活劇となった新木場ageHa開催の「TWISTIVAL TOKYO」(出演:Shpongle、Hallucinogen, and more)をきっかけに、2014年にも1200 Micrograms、Shpongleを招聘。そして今夏、ついに8年ぶりに開催されることになった「Solstice Music Festival」にシーンの期待と注目が集まっている。

オフィシャルサイト:http://solstice23.com/
Solstice Solstice Musicを知らない今の若者に「SMFとはどんなパーティーなの?」と聞かれればどう答えるべきだろうか。その答えはオリジナリティにあるかもしれない。
SMFが持つオリジナリティは、「クオリティの追求」と言える。それは日本の工業製品が世界で認められたのと同様に、ある種の“日本人らしさ”の表出でもあり、事実、当時の日本は世界のサイケデリックシーンの中でも特に傑出した存在として認められていた。そのことはDVDパッケージとして発売された2002年の本栖ハイランドでのSMFの映像を見れば明らかである。今や、YouTubeなどの映像を通して、世界中でパーティーの空気が共有され、一瞬で世界に広まる時代であるが、当時はインターネットの世界もまさに黎明期であり、ダンスミュージックシーン全体を見渡しても、ここまで撮影や編集にこだわった過去の映像は数少ない。今回のSMFに向け、現在Solstice Musicのオフィシャルチャンネルでその動画が全編字幕付きで公開されている。SMFを体験したことのある人もない人も、是非とも見てほしいパーティームービーである。

今回のSMFは2ステージで展開される。世界のシーンの"今"を体験できる怒涛のラインナップのメインステージが"SOL STAGE"。チルアウト、エレクトロニカからバンドスタイルのライブ、朝方にはテクノからハウスまでが展開されるセカンドステージの"PLANET STAGE"。"SOL STAGE"にはおなじみのRaja Ram、G.M.S、LUCASといったアーティストに加え、ASTRIX、D-NOX & BECKERS、ACE VENTURA、ZEN MECHANICS、PERFECT STRANGERなど、今までのSolstice Musicとは違う異色のラインナップが揃う。これこそが、ポルトガルの「BOOM」やハンガリーの「OZORA」など、世界をリードするパーティーと肩を並べる世界標準のラインナップであり、その豪華アーティストが一夜に会するという意味では、世界広しといえどなかなか体験できないことだろう。
そして、その圧倒的な"SOL STAGE"の熱気を程よくほぐしてくれるのが"PLANET STAGE"である。KAY NAKAYAMA、no.9といった手練れのチルアウト、エレクトロニカアーティストから、DEEP COVER、RaBiRaBiのライブ。そしてCALM、FORCE OF NATURE、TRI-BUTE DJ TEAMたちによる極上のハウス〜ディスコセットまで体感できる。
さらに、PERFECT STRANGERによるテクノ名義、YULI FERSHTATやD-NOX、BECKERSによるソロ、Raja RamによるSHPONGLEのDJセットまで披露される豪華さ。Solstice Musicが提案する音楽によるサイケデリックの真髄を心ゆくまで堪能してほしい。
野外のサイケデリックパーティーにおいて、デコレーションは、音楽やオーディエンスと共にパーティーを成立させる重要な要素である。今回とくに注目してほしいのが、バティックアーティストのBrahma(ブラーマ)による壮大なバティックの数々。縦横3メートルにもなる20枚のバティックで作られる空間は荘厳で、ダンスフロアはまるで野外に創られた寺院のような雰囲気となるだろう。
自然に溶け込むデコレーション、夜空を切り裂くレーザーといったSMFらしい演出で、オーディエンスを驚きのサイケデリックワールドへ誘ってくれる。
また、一晩のパーティーであるがゆえに、キャンプインやバスツアーなど、さまざまな遊び方ができるのもSMFの魅力。場内のテントサイトはもちろん、しっかりと拠点を据えてゆっくり楽しみたい人たちにオススメなのが、会場からのシャトルバスを使って5分ほどで行ける、全面芝生の"モビリティーパーク・キャンプ場"。電源が完備されており、24時間シャワーも使える国内屈指のハイスペックキャンプ場だ。遠方からの参加者には、JTBで募集中のバスツアーをオススメする。思いっきり楽しんだあとに、帰りの車中で心置きなく眠れるので安心。 さらに、会場内には野外フェスティバルとしては珍しいクローク(出し入れ可・1000円)も設置されるとのことなので活用してほしい。このほかにも、会場のサイクルスポーツセンター内のコースターといったアトラクションも運行予定。鮎の塩焼きや異国情緒あふれるフェスメシも充実しているので、遊び方には事欠かないだろう。
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