「DJ EMMA」。クラブミュージックシーンに携わる者にとってこの名前を知らない人はいないだろう。1985年からDJ活動を開始し、1980年代末には数多くのパーティーに出演。1990年代初期には、日本人で誰よりも早くパーティーアイランド、スペイン・イビサでDJとして出演。以降もイタリアやイギリスをツアーして回る。1990年代といえば日本のハウスシーンは、ニューヨークの動向を追いかけていただけに、いかにDJ EMMAが独自の路線で活動していたかが分かるだろう。以降も芝浦GOLDや西麻布Space Lab Yellowなど伝説的なクラブでレジデントとして活躍し、ミックスCDの代名詞とも言える『Emma House』シリーズは、これまでに19枚リリースされている。2015年に活動30周年を迎えたDJ EMMA。名実ともに“King of House”という称号が相応しい存在だ。
 本特集では、2015年11月21日(土)に恵比寿LIQUIDROOMで開催された「EMMA HOUSE ALIVE 30th Anniversary」の様子とインタビューを映像で記録。インタビュー全文はテキストとして紹介。またDJ EMMAに「All time best 30」をテーマに楽曲をセレクトしてもらったほか、関係者30人からDJ EMMAとのエピソードを集めた。DJ EMMAが成してきたこと記録の一部ではあるが、まとめてご紹介したい。

取材・文:yanma(clubberia)
動画・写真:難波里美(clubberia)、JAMANDFIX(REALROCKDESIGN)

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INTERVIEW

 DJ EMMAの活動30周年記念パーティーが11月21日(土)に恵比寿LIQUIDROOMで開催された。オープンから列ができるほど多くの人が集まり、終始歓声で溢れるパーティーだった。最後の曲をかけ終え、オーディエンスに深々と頭を下げるDJ EMMA。あの時何を思っていたのだろう? イベント終了から数日後、DJ EMMAに取材を行った。インタビュー前編では、当日を振り返ってもらったほか、クラブシーンの課題について話してもらったことをまとめた。後編は30年を歩みを振り返ってもらった内容になっている。

ALL TIME BEST 30

 DJとしても影響を受けたグラムロックやポストパンク、レゲエ、ダブ、さらにディスコやテクノなどのジャンルは、あえて一切入れずにハウスに焦点を当て(自分が関わった作品も避け)選びました。当然ハウス代表作やミックスCD収録曲が多くなりますが、今でも時々プレイするクラッシックな30曲にまとめています。This is my house and our house music!
Text:DJ EMMA 

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