ーーDJ前に行っている準備に関してどのように行っていますか?
事前準備としては、Pioneer DJが提供しているrekordboxという楽曲管理・編集ソフトを使用して、下に挙げるようなことを行っています。PCなどで、楽曲のデータをrekordboxのウィンドウにドラッグ&ドロップすると、管理対象となりますので、その上で
①それぞれの楽曲の、キュー(曲の頭出し)の箇所を指定。※1曲につき最大8箇所まで指定可能。
②ループさせたい箇所を指定。
③Active Loopを設定する。この機能は指定した箇所に到達すると自動的にLoopが再生されるもの。※rekordbox上でのループのマークの色が赤いものが、Active Loopのポイント。
④CDJの、該当する番号のHot Cueボタンを押したらすぐその箇所を再生させるため、Hot Cueに記録。 ※1曲につき最大8箇所指定可能。大体、こういったことをDJの前に行っています。キー・bpmの解析自体は自動でrekordbox上で行われますので、特に自分で行うことはしていません。
ーー楽曲の整理はどのように行っていますか?
スクリーンショットの左側にもありますように
①DJのセットを大きく変えたいタイミングで、新たにフォルダを作って、そのDJの予定日をフォルダ名にする。
②そのフォルダの下に、例えば[House]や[Disco](実際にはもう少し細かく分けていますが)などのプレイリストを作り、楽曲を移す。
といったことをしています。そしてDJ後、次にDJをするときには、特に大幅にセットを変えないのであれば、 フォルダ名だけ次のDJの予定日にする、ということをしています。
ーーDJ時に関してCDJ-2000NXS2でオススメする機能はなんですか?
CDJ-2000NXS2からの新しい機能のINSTANT DOUBLESは、とくに気に入っています。これはすごいですね。これはどちらかのCDJでかかっている曲を、もう片方のCDJでも同時にかけられる機能です。SYNCボタンを長押しすることでINSTANT DOUBLESが機能します。両方とも同じ曲になり、なおかつ再生ポイントも揃っている状態になります。これを行うことによって2枚掛けでのプレイがやりやすくなったりなど、そういった効果が見込めます。
またHOT QUEが増えたこと。以前は4つあったのですが、8つに増えています。ヒップホップをプレイする人や、ルーティンとかで使うっていう人は、HOT QUEが増えた分にはすごくいいと思います。自分も結構HOT QUE打ったりするので。実際すごく使っています。
それと新機能のSLIP REVERSE。従来のREVERSEだと時間軸も一緒に遡っていましたが、本機能では時間軸が遡ることなくそのまま逆回転の再生ができるので、好きでよく使っています。
ーーそのほかにはありますか?
細かく設定できるようになったQUANTIZEですね。QUANTIZEはもともと1拍ごとにしか設定できず、HOT QUEを連打することができなかったのですが、それが1、1/2、1/4、1/8など、より細かく設定することができるようになりました。
従来からある機能ですがRELEASE/START。これは音が徐々に立ち上がるか、すぐに立ち上がるかを調整できます。
TEMPOもWIDEに設定してー100%にする。この状態だと再生ボタンを押しても再生が進まない状態になっています。ただ、ここでピッチコントローラーをあげると、徐々に音が出るようになる。そんな使い方もできます。あと、本企画の最初にお話したエマージェンシーループ。曲が流れている状況で、USBを抜くと、エマージェンシーループ機能が発動して、ループがずっとかかっている状態になります。
このCDJ-2000NXS2がほかのプレイヤーと違う点はなんでしょうか?
まず、CDJ-2000NXS2に限ったことではないですが、rekordboxと組み合わせると、大げさな話ではなく「無限の可能性」が広がるところですね。先日、ツイッターで、普段はおそらくレコードやCDなどを使われていると思われる方が、ある日rekordboxを使って少し前準備をしてCDJを使ってみたところ、「rekordboxとCDJの組み合わせは・・・チート(ゲームなどでズルい改造をすること)だ」といった旨のことをおっしゃっていたのを見たのですが、本当にこの組み合わせで、ズルいぐらい現場でできることの幅が広がります。 それと合わせて、これまで挙げてきましたCDJ-2000NX2のさまざまな性能・機能があることで、DJをすることのパフォーマンスが広がるし、その分、パーティーなどで素敵な「場」を作ることの手助けになると思っています。
主な特徴
「rekordbox」で楽曲にタグ情報を設定することが可能になった。このタグ情報やBPM、KEYなどの条件で楽曲を簡単に探し出すことができる。
波形のカラー表記やクオンタイズバリュー、楽曲のブラウズメニューなど使用頻度の高い機能に素早くアクセスできる「SHORT CUT」ボタンを搭載。