INTERVIEWS

DJTSUYOSHI

 
- もうゴアトランスは、1つのジャンルになっちゃってるから。あんまりゴアで何がかかってたって気にしなくなっちゃって。昔はえらい気にしてたんだけど。
-
 
YUTA: <Matsuri Digital>の現在の活動についてですが、まず<Matsuri Productions>と <Matsuri Digital> の違いは何でしょうか。

TSUYOSHI: <Matsuri Productions> は僕とORGANIXと、松木君、ロンドンのスタッフ、パートナーのジョン・ペルロフという人がいて、もう1人パートナーのアリスン・バローという5つの要素で、94年くらいに始まったんですけど、ロンドンベースにしてたのが<Matsuri Productions>。ゴアトランスっていうコンセプトとしては、今の<Matsuri Digital> と変わらないんですけど、<Matsuri Digital>はここにいるYUTA君、hirokoちゃん、WAON のシンヤ君、中心がこの4人だと思うんですけど。
YUTA: Matsuri Tokyo」というのもありましたよね?

TSUYOSHI:そういえばありましたね(笑)。

  YUTA: 「Matsuri London」活動中にあったと思うんですけど、知らない人たちに向けて、具体的にどういう活動をしていたか教えてください。

TSUYOSHI:「Matsuri London」ていうのが中心にあって、「Matsuri Tokyo」は日本でのイベント、あとは「Matsuri London」のものをテリトリーは日本だけで日本のメジャー会社とライセンスを組んで、イースト・ウェストという会社、今のワーナーブラザーズで「Matsuri Tokyo」と<Matsuri Productions> のリリースが中心で。たまにイベントをジュンペイちゃんとかがやってくれてて、という感じでしたね。

  YUTA:  当時のオーガナイザーのジュンペイさんですよね。どこでイベントをやっていたんですか?

TSUYOSHI:野外やったり富士山やったり、あとレインボーと組んだりもしてて。それが1番大きかったんですかね。富士山。台風がすごくて。朝方俺がプレイしたら晴れちゃったみたいな(笑)。そしたら、ど真ん前に富士山がドンと。伝説の。で、<Matsuri Digital> になってから現在までの活動は、えっと金環日食からだっけ。もっと前だっけ。

  YUTA:  2009年に、TSUYOSHIさんとQUINTRIXのKEIさんと、向ヶ丘遊園で。3人で始めたのがきっかけですね。

TSUYOSHI:あそこでやったのがきっかけっちゃきっかけだよね。すごい人入ってたよね。溢れんばかりの。これはまた来るぞっていう感が、匂いがプンプンしてましたよね。あれ以来だよね。

  YUTA:  それから渋谷に移って、渋谷のDESEOで2回やって。

TSUYOSHI:はいはいはい、あれもすごかったですよね。

  YUTA: それから自分がオーガナイザーに代わって、金環日食をやって。でカウントダウンをやりましたよね、新宿"Face"で。今回3回目ですね。

TSUYOSHI:あとは、まぁ細々とだけどレーベル。ロンドン時代よりもちょっとリリースのペースは遅いんだけど、YUTA君が「Nu Goa from Japan」をリリース。で僕の方が今PRANA Remixシリーズをリリースするといった感じですね。

 

  YUTA: ところでTSUYOSHIさんの中で、<Matsuri Productions> から<Matsuri Digital> に名前が変わったことによって、意識の違いっていのは何か生まれてるんですか。

TSUYOSHI:意識の違いって、基本的にはあんまり変わってないのかなっていう感じですね。<Matsuri Productions> ってアナログ盤をリリースしてたし。全部データがデジタルに変換していくって中で、<Matsuri Digital> はそういった部分強調したのかなっていう感じですけどね。

  YUTA:  この<Matsuri Digital> って誰がつけたネーミングなんですか?すごいいい名前ですよね。

TSUYOSHI:これは俺じゃないかな。

  YUTA: それから今Flying RhinがFlying Rhino Digitalになってきたり・・・今、レトロリバイバルブームに乗ってるっていう感じですよね。リマスターかどうか分かんないですけど、過去のを再販してる感じですね。

TSUYOSHI:うん、まぁでも作ってるでしょ。ジェームスもこないだの銀河で手ごたえを感じたみたいで。ジョージ・バーカーもそうだし。あそこらへんで活躍してた連中、ドミニク・ラン以外は現役でやってるもんね。みんなガンガンやってるもんね。Gus(Till)もそうだし、Dick Trevorもそうだし。
 
YUTA:  このゴアトランス再燃っていう波に関して、TSUYOSHIさんの中でどのように解釈されたのですか?

TSUYOSHI:最初はまぁレトロっていう、昔の化石を掘り起こしてる的な、石油とか資源、地中に埋まっている資源をまた掘り返して、それに価値つけてるみたいな。いわゆる発掘作業、考古学者みたいな役割かなーと思ってたの。だけど、資源が絶えてきちゃって今。俺の中で。なんかもう枯渇してる。じゃぁ新しいエネルギーを開発してこうよっていう気持ちには今なってる。

  YUTA:  まさしく<Matsuri Digital> は今のTSUYOSHI さんにぴったりの活動方針なんですね。

TSUYOSHI:そうだね、ずっと「MADSKIPPERS」っていうのをずっとやってたんですけど、それとBPM的な部分も含めて、なんかクオリティ的にも少し近寄ってきてるかなーって感じがあるんですけど。

  YUTA:  今と当時、やっぱり環境そのものが違うんですか?

TSUYOSHI:環境というか、まず規模が違うかな。やっぱ90年代は今と比べるとゼロ2つくらい動員数も違ってて。例えば、1番最初に幕張メッセで97年にやった「Aurora Psychedelica」っていうのがあるんですけど、レインボーの越智さんと組んだ時。あれ1発目でもう1万何百人くらい入っちゃったんで。幕張メッセもパンパンだったんで。それに比べるとね、ちょっと規模的な部分ではあれですけど、でもスピリチュアルなとことか気持ち的には全然変わってないし。こないだラジャラムとかとも会って、そこらへんは認識確認、再認識させられたというか。

   
- 今のクラブミュージックの落とし穴、弱点ってそこだよね。DJ カルチャーもそうだし、制作の部分でもそうだし。みんな簡単に作りすぎちゃってるから。-
 
YUTA:  今、DJTSUYOSHIはどういった活動をされているのですか?

TSUYOSHI:すごくいい質問ですね。DJTSUYOSHIに関しては、僕の中ではやっぱりMatsuriっていう名前とか、ゴアトランスっていうものがキーワードにあって。どっちかって言ったらゴアトランスで、たまーにフルオンも入るんだけど、フルオンもあんまりつまんないしな、じゃぁどこに可能性を見出すかって言ったら、あのゴアトランスのサイケデリックなところ、独特なあのマイナーコードのメロディーラインを今のプラグインだとか、今の音圧でやったらニューゴアになるのかなっていうのは自分の中であって。でもう1つ、JOUJOUKA とかNumanoid、「MADSKIPPERS」 に関してはちょっとテクノ寄りなプログレッシブな、もうちょっと自由なスタイルなのかなっていうのは、棲み分けじゃないけど、そういうことしてますけどね。
YUTA: なるほど。TSUYOSHIさんの中ではやっぱりゴアトランスってまだ可能性を感じているジャンルになるんですか?

TSUYOSHI:こないだ一緒にゴア行ったときは、2人ですごくガックリしたじゃないですか。え、ゴア、ゴアってこれ?みたいな。140、150 くらいのフルオンがガンガンかかってて。ダークじゃんみたいな。その認識の違いがなんかあったんですけど、ゴアっていう場所ではなくて、ゴアトランスっていうのは独り歩きしちゃってるじゃないですか。若い人たちからはゴアって何?ゴアってどこ?っていう質問も来るくらいなんで。もうゴアトランスは、1つのジャンルになっちゃってるから。あんまりゴアで何がかかってたって気にしなくなっちゃって。昔はえらい気にしてたんだけど。

僕はだから、ゴアから派生していったゴアトランスっていう、それがスタイルとして変わっていくのはアリだと思うけど、その根底にあるゴア、トランススピリットっていうのは変わってないのかなーとかって思うけどね。

  YUTA:  これからそのゴアっていうサウンドはどういう方向に進んでいくと思いますか?

TSUYOSHI:どういう方向なんですかねぇ。いろいろ考えたんですけど、80年代ニューウェイヴサウンドと、僕の中では比較しちゃうんだけど、ゴアトランスってやっぱりすごく幅広くて、それこそインダストリアルテクノっていう90年代初頭のFront242とか、Juno Reactorが出てくる前の92、3年ぐらいのコ・パンガンとかで聴いたあたりのゆっくりな音楽と、そっからゴアトランスが入ってって、また流れが変わってくんだけど、そこらへんのエッセンスを使って今の音圧に凝縮させると、まだ全然可能性あるなってのはあって。ていうのは、今のニューゴアトランスって言われてるような人たち、まだ全然俺の中ではいいと思える楽曲ってのはほんのちょっとしかなくて。

  YUTA: それは何に理由があるんですかね?

TSUYOSHI:まぁ聴き方とか経験じゃないすか。

  YUTA:  なるほど。

TSUYOSHI:あとは、ゴアトランスって実は幅広いすごいアーティストがいっぱいいたんだよっていう。例えばMan With No Nameのメロディラインばっかり気にしちゃって、そこばっかコピーするような奴が多い中で、例えばHallucinogenはHallucinogenだったし、Total EclipseはTotal Eclipseだったし、Juno ReactorはJuno Reactor。それぞれ個々のオリジナル性が非常に強くて、ものすごいオリジネーター、オリジナルなシーンだったわけで。
正直、あれをそのまんま焼直して、今の若い人たちが作ってくってのは、すごく至難の業だと僕は思う。あの当時も、ロンドンにいた頃も、すごく苦労したもん。あのPRANAていうサウンドに行くまで。そこまで試行錯誤。俺とNick Taylorでしてて。で、DragonflyバタフライスタジオでYouthと出会って、そっからだもんね、方向性を見出してくれたのは。やっぱYouthの影響はめちゃくちゃあって。

  YUTA:  そのバタフライスタジオっていうのはどういったスタジオになるんですか?

TSUYOSHI:ロンドンのブリクストンにある1つのビルそのまんま全部バタフライスタジオ。あれがやっぱ拠点だったし、あそこからゴアトランスが生まれたって言っても過言ではないというか。その当時僕リアルタイムでいたから。もう錚々たるメンツがそこにいたわけですよ。

5階フロアがあるんだけど、1番下がでっかいこんなおっきいクリスタルの塊と、ジェネレックのこんなデカいウーハーがボーンってあって、System7が3枚目のアルバムをレコーディング中と。Derrick Mayが909を24時間イジりっぱなしでずっと鳴らしてて。その上は、インド人のおばちゃんがチャパティとかゴアスタイルで飯作ってくれて。2階3階がRaja Ramがレコーディング中、3 階がJunoのBenがやってる、その上はJohanがやってる、で1番小さいスタジオでPranaがちょこっとやらしてもらってる(笑)。HALLUCINOGENのサイモンはまだYOUTHのアシスタントみたいな(笑)。

  YUTA:  すごいっすね。

TSUYOSHI:たまにTotal EclipseのSergeとかStephanが、Stephanその時ベース弾いてたからさ。Juno Reactorでベーシストだったの。
 
YUTA:  話を聞いてても当時の人のオリジナル性っていうのをすごく感じるんですけど、今と昔のオリジナルの持ってるものの違い、何なんですかね。楽曲にも表れてくると思うんですけど。

TSUYOSHI:さっきも言ったように、はっきり言って至難の業なんですよ。サイケデリックな音をとにかく、一から作ってた。今ってさ、プラグインをそのまま使ってる傾向があるじゃないですか。僕らは、例えばキック1つにしても、SH-101で作ってたし、グルーヴを含め全部アナログシンセで作ってたんで。

  YUTA:  今の楽曲を作っている人たちに向けて、DJTSUYOSHIからサイケデリックになるようなアドバイスってありますか?

TSUYOSHI:正直さっきも言ったように、そのまんまプラグインのプリセットの音を使わないでほしいっていう感じだな。じゃないと、みんなおんなじ音になっちゃって、はっきり言ってつまんない。今のクラブミュージックの落とし穴、弱点ってそこだよね。DJ カルチャーもそうだし、制作の部分でもそうだし。みんな簡単に作りすぎちゃってるから。

  YUTA: 量産型になっているところに問題があるってことですかね。

TSUYOSHI:ある。それは音楽配信サイトもそうなんだけど、いい面は「誰でも入れるよ、誰でもアーティストになれるよ」。いわゆる自称「オレDJです」「オレ、プロデューサーっす」みたいなやつがいっぱい出てきてる中で、それはそれでいいのかなとは思うんですよ。学校やってて思うんだけど。

だけど、並大抵の競争率で勝ち取らないと、自分のスタイルは作っていけないよっていうのがやっぱ大変なとこかな、今の若い人たちって思う。彼らに何が言いたいかって本当にストレートなとこで「ラクしないほうがいいんじゃないのっていう」。普通、1曲作ることって、並大抵の作業じゃないんですよっていう。もっと作りこんでさ。

  YUTA:  ちなみにDJTSUYOSHIの活動の一環でIDPSもありますよね。

TSUYOSHI:校長先生です。こう見えても(笑)。

  YUTA:  どんなジャンルの生徒さんがいますか?ゴアトランスサイケデリックトランスを目指している若い人たちもやっぱりたくさんいるんですか?

TSUYOSHI:そこでジャンルを僕ら学校が何か提示しちゃったら終わりだと思ってるから、ほんと手広く、いろんなジャンルをやりたい生徒たちが来ますよ。
でも、僕とかSammyとかRinanekoにしても僕ら講師のバックグラウンドがトランスなんで、そこを追い求めてくる若い人たち、今、生徒たち46名かな。今5年目ですけど、総勢だと100何名なんだけど、さっき生徒名簿見てみたの。そしたら半分以上トランスだなぁと思って。やっぱり影響があったんだって。

  YUTA:  年齢層も様々なんですか?

TSUYOSHI:そうですね。やっぱりスミロックさんの80歳ってのが、すごく有名になっちゃってるから、そういう部分でやっぱり学校のいい宣伝にはなっていただけたんですけど。下は今16歳の高校1年生から。楽曲制作やってますよ。
 
YUTA: TSUYOSHI さんの活動と、そういった何か目指してくる子達と比べて、何か大きな違いっていうのはあるんですかね。

TSUYOSHI:それは学校を始めた理由にもなるんですけど、僕らの時代っていうのは、みなさん知ってる通り、DJ人口しかりまだシーンが小さくて。だから1人がやったらみんなが知ってるみたいな。だけど、今20何年経ってて、それがポピュラーになって、DJって普通じゃんみたいな。そうなった時にシーンがものすごい広いわけですよ。ジャンルも多様化してきてるし。そうなってくると「機材は買いました」で、「音楽も好きです、聞いてます」「イベントも行ってます」でもなぜか友達がそんなにいません、みたいな。どうやったらイベント出れるんですかとか、どうやったら上手くなれるんですか、っていう人たちがたぶん3分の2以上。当時と違うのはそういうとこで。

  YUTA:  昔と比べて、チャンスがすごい広がってますよね。

TSUYOSHI:はい。チャンスは広いんだけど、門戸は閉ざされ、狭くなっちゃってて。チャンスはいっぱいありますよ。でも、勝ち抜いてくって言い方おかしいと思うけど、勝ち抜いてくには、自分のスタイルを秀でてくには、よっぽどの努力がないと。だってみんなBeatportで買えますよね。
  YUTA:  そこがもう当時と違いますよね。

TSUYOSHI:まず昔は、シロ盤っていうのがDJに送られてきたし、友達間でほんとに天才がいっぱいいたから、周りに。昨日作ったんだぜって、DATでポンってもらえてたから。はっきり言ってそれ持ってる人勝ちっていうか。

  YUTA:  コミュニケーションから始まる昔に対して・・・

TSUYOSHI:今はもうコミュニケーションとかも閉ざされちゃってるし、Beatportとかで買ってみんながみんな、同じ曲を持っちゃってるから個性があんまり感じられない。だから可哀想だよね。じゃどこで勝ち抜くかっていったら楽曲制作とか、あとストーリーの展開で持ってくしかない。だから、学校始めたの。

  YUTA:  その楽曲制作に関してなんですけど、TSUYOSHIさんも未だに変わらず楽曲制作続けていますよね。作っている思いだとか、そういった精神的なものって何か当時と変わったりしてるんですか?

TSUYOSHI:そこに関しては全然。全然変わってないですね。ソフトだとかツールだとか、日々進化してるんですけど、逆に昔の音源とかのほうがよっぽど高性能にできてて。「すっげーよく作ってんな、これ」って思うし、色褪せないなーっていう、時代を超越してるじゃないけど。タイムレス。
あっ、タイムレス!次のイベントのタイトル「タイムレス」!時を越えて。

   
- PRANAのクオリティを今に持ってくには、もうほんとに俺とAndyが1ヶ月2ヶ月、PRANA合宿じゃないけど、「ゴア一緒に行ってちょっと山こもって作ろうぜ」ぐらいないと、あれを超えるようなオリジナル性は無理!-
 
 
YUTA:  いいっすね!ちなみにPRANA は活動を始めてどれくらい経つんですか?一回活動を休止されていた期間もあるんですよね?その復活した背景とか、そういった話を聞かせてください。

TSUYOSHI:もうこれはですねぇ、YUTA様々で、復活しましょうよ っていう後押しもあって、イスラエリーも含めてですけど。でも実際に、新曲作ってるかっていったら、ここだけの話、新曲作って、、、ません!
あのPRANAのクオリティを今に持ってくには、もうほんとに俺とAndyが1ヶ月2ヶ月、PRANA合宿じゃないけど、「ゴア一緒に行ってちょっと山こもって作ろうぜ」ぐらいないと、あれを超えるようなオリジナル性は無理!なので新曲ってのはないんですけど、まぁだから今、他の人が手弁当でリミックスしてもらってるというか。

  YUTA:  それがあのPRANA Remixになるんですね。次でVol.3 ですよね。

TSUYOSHI:おかげさまで、Facebook等で「PRANAのRemixやるよー」って言ったら、いろんなアーティストが、エクスチェンジじゃなくて「やりたい」人が集まってくれたんで、すごくうれしいですし。今、ベルギーのSun Tripのアーティストとか何組かBoundlessをやってくれちゃってんの、E Mantraとかがもう一生懸命作って俺に送って来てて。「How is it? How is it!?」(どう?どう?)って。

  YUTA:  PRANA のRemix企画は、アーティストから、世界中から反響があるんですね。

TSUYOSHI:みんなが「PRANA のあの楽曲が好きだ。あれをやらせろ」的な感じで来てるから、「あ、お願いします。でもリミックスできる素材、いわゆるパーツは、Andyの倉庫・・・スタジオの楽器が眠ってるようなとこから発見されたDATでしかなくて。それこそ大発見!あったのー?みたいな。それ以外のリミックスも、Alien Petsだとかをいわゆるニューゴアの人たち、FilteriaとTrinodiaにやってもらって、結構完成度高くて。

  YUTA: 今、Vol.3 まで出てますよね。Vol.3 までリリースが続くっていうのは想定内だったんですか?

TSUYOSHI:んー、自分の頭の中では、まだまだこれから来るんで、Vol.8くらいまで行くのかなというか、そんなノリですけどね。勝手に(リミックスを)やっちゃってんだもん、だって。

  YUTA:  アーティストがリミックスする曲を決めて、どんどん進行されるっていうことですかね。

TSUYOSHI:来たものはクオリティが良ければ出すよっていう、そういうスタンスですから。やりたい時にやって、って言って、忘れた時にはいって。Filteria とかもそうだったし。

  YUTA: このリミックスシリーズに関して、やってほしいアーティストとか、この楽曲をリミックスしてほしいっていうのはあるんですか?

TSUYOSHI:やってほしいアーティスト、まぁYUTA君にPRANAのリミックスをやって頂けたらなっていうのは、ずっとあるけど、まぁ待ってる。それもVol.いくつ みたいな中に組み込まれるのかなぁ。今、1番楽しみなのがAtmosがTaiyoのリミックスを始めてるんですよ、それ聴きたい。それもTomasが勝手にやってくれてて。別に彼に頼んだわけじゃなくて、いきなりFacebookで、「I'd love to do it!」「Yes, please」みたいな(笑)。「パーツねえよ」て言ったら、「耳コピーでやるよ」って今やってくれてんだよね。それは非常に聴きたいっすね。

  YUTA:  PRANA Remix以外に、MatsuriってJOUJOUKAだとか、Kairashだとかいろんなコンビネーションバンドをやってたと思うんですけど、今まで一緒にやってたアーティストと今後何か進展はあるんですか?

TSUYOSHI:今のところは俺とFunky GongのJOUJOUKAですかねぇ。忙しいし週1くらいでしかできないんだけど。そっちにちょっと集中したいなーってのがありますけど。
 
YUTA:  リリースに関して今後のDJTSUYOSHI のイメージってどんなイメージですか?PRANA Remix以外にもMatsuriからこういったことやりたいとか。

TSUYOSHI:自分の解釈のゴアトランスを作ってみたいっすね。DJTSUYOSHI VS 誰々か分からないんだけど。昔のテクノクラブとか、あそこらへんの、今MASAがかけてるような、あれを今の音圧で。ただそれをやると、ゴアっていうよりも「MADSKIPPERS」になるのかな。うん。ただああいうイメージのを今の音圧で作ってみたいなーっていうのはありますね。

  YUTA:  実際<Matsuri Digital> でそういったプレイもされてるんですよね。それはゴアトランスの進化型とも呼べるんですよね?

TSUYOSHI:と思ってやってるんですけどね。ただね、めちゃくちゃ音圧が低いんで、なかなか割り切れない俺がいる。(笑)。常になんか新しい音圧をすぐ求めちゃったりするので。

  YUTA: それが新しいゴアトランスの進化型として、今後リリースされるかもしれないっていうことですね?

TSUYOSHI:そうですね。それはニューゴアfrom Japanから出てきてほしいなと、いう感じですが。じゃ僕からも質問よろしいでしょうか。

YUTA 君、<Matsuri Digital> をスタートさせたのは他でもないあなたですよ。これは一体どのように始めたんですかね。さっきの話とかぶるかもしれないんだけど。

  YUTA: これはですね、<Matsuri Digital> が発足されたのが2009年になるんですけど、2008 年に当時Quintrix っていうお店(レコード店)がぎりぎりまだあって、KEIさんっていう看板DJがいたんですけど、彼とその時活動をしていて、今後ゴアトランスをリバイバルさせるために。ま、2000年でトランスシーンが終わったっていう話もあれば、それを追っかけてるキッズもいたわけで、そのうちのキッズの1人が自分だったわけですね。それを拾ってもらったっていうか、より良い形に変えていこうっていう1つの試みでDJTSUYOSHI を誘って、っていう。

TSUYOSHI:当時覚えてますよ。目輝かしてて。おーこんな人がいるんだーって思って。珍しいなーって。いろいろ話したら全部知ってるからさぁ。何でそんなマニアックなこと知ってんだっていう。

  YUTA:  あれよあれよって、そこから5年経ちましたね。

TSUYOSHI:そうっすね。お互いちょっと老けましたね(笑)。現在のYUTA 君の活動と、今後の目標、どうDJ YUTA を持ってきたいかというのはあるんですか?
 
YUTA:  YUTAという活動では、軸になっているのがDJ活動で、他にはオーガナイズ活動であったりとか、主にパーティシーンを作っていくというもので、TSUYOSHIさんを筆頭に、Space GatheringでMASAさんともそうですけど。パーティを作ってって。

TSUYOSHI:Mind of Vision もね。

  YUTA: そうっすね。Mind of Visionも然り。上の世代と自分ら下の世代を結びつける役割として、Matsuri Digital も始まった1つのプロジェクトだったんですけど。おおかたシーンがいい形にまとまりつつあるのをすごく肌で感じているので。

TSUYOSHI:そうですよね。功労者というか。
YUTA: これから自分の活動としては主にオーガナイズをしていくことよりも、DJ活というかアーティスト活動、レーベル活動へ力を入れて、どんどん音源を出して新しい人を発掘していかないと、日本がどんどん進化できないっていうか。そこにようやく到着したんで。

TSUYOSHI:とはいえ、こないだ言ってたのは、じゃぁ誰がオーガナイズするんですかっていう。若い方でYUTA君の跡を継げるような、イキのいい若い人、オーガナイザーいるんですかね。

  YUTA: アーティストはいるんですけどね、オーガナイザーはなかなか・・・

TSUYOSHI:まー、大変だからね。ほんとにリスクがね。昔みたいにイケイケでいけるような時代じゃないし。オーガナイザーって言っても、今のシーンも、プラス音楽も知ってなきゃいけないし。アーティスティックなものを求められるよね。オーガナイザーも。センスというか。

  YUTA: そうっすよね。先見の明がないと。今自分が見ているオーガナイズ活動っていうか、来年の活動にも携わってくるんですけど、昔は「Solstice」だったり、「Mother」だったり、「Vision Quest」もそう、大きなものがあって、ピラミッド式になっていたわけで、みんなあそこを目指してちっちゃいのがあったんですけど。この1番上のトップっていうのが、「渚」も然り、どんどん無くなってきた、目指すものが無くなってわけですよ。だからこう、小さいパーティが毎月たくさん行われてるんですけど。

自分がMatsuri で目指しているものは、そのトップに立って、みんなのアイコンになるっていうか、あそこを目指すのに、うちらがまず立っていて、で今まで小さなものを毎月繰り広げていたと思うんですけど、その数を減らして1つに集中して、そこから若い子達を派生させるっていうか、アーティストを発掘したり。そういったものに力を入れていきたいなっていうのが来年、パーティを減らしたいっていう気持ちの1つでもあるんですけど。

新宿FACE でのカウントダウンは今年3年目になるんですけど、今年2014年で一応最後予定で。来年からネクストステップに行くために、一回幕を閉じるっていう感じですね。


TSUYOSHI:なんかアイディアがあるんですか?カウントダウン、来年の。

  YUTA:  <Matsuri Digital> に関してはageha にステップアップして、4、5ブースのフェスティバルを、祭りをやっていくっていう。さっき話した、トランスシーンのてっぺんじゃないですけど、みんなの目指すアイコンになるためのというとこで。
カウントダウンに関しては違うやり方で、暖かいところでみんなで初日の出を見ようよっていう、単純な想いで。海外で。来年は。


TSUYOSHI:あれだよね、その分いろいろリリースをしていきたいっすよね。

  YUTA: <Matsuri Digital> としてリリースを強化していきたいなっていう想いがすごい強くありますよね。

TSUYOSHI:やっぱり原点に帰ってリリース増やして。要は楽曲がないと何も動けないっすからねぇ。レーベルが。来年の後半にオリジナルのミニアルバムか何か出すので、その前にコンピレーション、またはミックスCD をライセンス取って、Matsuri の名前で出しちゃう。

  YUTA: なるほど。<Matsuri Digital> の今後の活動をまとめると、パーティ数は絞ってリリースを増やすことで、日本トランスシーンを牽引するレーベルにしていくということですね。ありがとうございました。
 
- Release Information -

アーティスト:PRANA
タイトル:PRANA REMIX EP Vol.3
フォーマット:デジタル

●トラックリスト

1.ALIEN PETS – FILTERIAs Kami No Michi remix -
2. BOUNDLESS -Skizologic remix-
3. ALIEN PETS -TRINODIA remix-
4.BOUNDLESS-NERVASYSTEM remix- - Event Information -

タイトル:Matsuri Digital presents countdown festival 2014-2015 “Let it Rip”
開催日:12月31日
会場:新宿"FACE"
時間:22時
料金:DOOR: 6000  ADV: 4500
出演:COSMOSIS (Holophonic Records from UK), SHIVA JORG (ShivaSpaceTechnology from IBIZA), Kinocosmo, DJTSUYOSHI (Matsuri Digital/JOUJOUKA/PRANA), MASA (SpaceGathering/Hypnodisk/Vortex), YUTA (Matsuri Digital/MoV/Vortex), Ree.K (SpaceGathering/Hypnodisk), Asteroidnos aka Makio (Guusun), HATTA (Grasshopper Records/原点回帰), Samulive aka DISC JUNKEY (NDC/Grasshopper Records), Fusion Beats (PLANET), SUN69 (NUTEK JAPAN/OVERDRIVE/PSYZENSEN), Yuda (MADSKIPPERS), and more

■詳細
http://www.clubberia.com/ja/events/230483-Matsuri-Digital-presents-countdown-festival-2014-2015-Let-it-Rip/