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The Best Albums of 2022|Rush Hour Records、Newtone Records、Compufunk Recordsと編集部が選ぶベストアルバム

  数年間のコロナ禍による影響を乗り越えて、再び音楽を分かち合い、同じ時間を共有している喜びを心から実感しているからこそ、音楽シーンが活気を取り戻した。2023年に突入してから2週間が経ったが、既に世界中で様々なフェスティバルの開催がアナウンスされ、日本では海外アーティストの来日公演が次々と決まっている。本記事ではこの素晴らしい一年の始まりに、レコード屋、そして編集部が選んだ2022年のベストアルバムを紹介したいと思う。これらの作品を聴きながら、新たな日々への期待に胸を膨らませてほしい。


VARIOUS ARTISTSTOUCHING BASS PRESENTS: SOON COME』
select by Antal / Rush Hour Records




 毎年、Rush Hourのスタッフ全員がお気に入りのアルバム、12インチ、再発盤、コンピレーションをリストアップすることにしています。リストアップできるタイトルは無制限で、それらのタイトルをすべてカウントし、リストとクルーメンバーの数で割ります。そして、最も多くのヒットを記録したタイトルが最終的に上位にランクインすることになります。つまり、完全に民主的に選ばれたものであり、一方のレコードが他方よりも優れていると示唆することも望んでいません。私たちが選んだ完全なリストはこちらで確認できます。



Title: 『TOUCHING BASS PRESENTS: SOON COME』
Artist: VARIOUS ARTISTS
Lebel: TOUCHING BASS


詳細はこちら
https://www.rushhour.nl/record/vinyl/touching-bass-presents-soon-come



Rush Hour Records
https://www.rushhour.nl/


Éliane Radigue & Frédéric BlondyOccam XXV』
select by サイトウ / Newtone Records




 RVNG Intl.関連、International Anthem、Leaving Records, Stones Throwや、Big Crownなど充実のリリース、国内のアーチストだけでもkazufumi kodama、Undefined、Aki Tsuyuko、Taro Nohara、7fo、5AM、Wa No Wa + Crosspoint、白石隆之などなど、もちろん、コンピューマ、Kakuhanもあげればキリのない充実のリリースでした。ニュートーンとしては一枚に選びきれないので個人的に最も揺さぶられた一枚。90歳を迎えたエリアーヌ・ラディーグのパイプ・オルガン・ドローン。



Title: 『Occam XXV

Artist: Éliane Radigue & Frédéric Blondy
Lebel: Organ Reframed

詳細はこちら
https://www.newtone-records.com/product/0101031




Newtone Records
https://www.newtone-records.com/


■Waajeed『Memoirs of Hi-Tech Jazz』
select by NAO / Compufunk Records




 当店でのDJプレイも素晴らしかったデトロイト"WAAJEED"の待望のアルバム。URのMAD MIKE率いるGALAXY 2 GALAXYの名曲「Hi-Tech Jazz」をオマージュにしたアルバムタイトル『Memoirs of Hi-Tech Jazz』が、テクノ名門"TRESOR"からリリース。抑圧的な覇権や不正に対する革命的な取り組みに触発されたという本作。アルバム名もさる事ながらシンプルに音楽、内容の素晴らしさで選ばせて頂きました。



Title: 『Memoirs of Hi-Tech Jazz

Artist: Waajeed
Lebel: Tresor Records

詳細はこちら
http://www.compufunk.com/?pid=172228867



Compufunk Records
http://www.compufunk.com/


■Ron Trent presents WARM『What Do The Stars Say To You』
select by 高田
恭男
 / Clubberia




 90年代に数々のハウストラックを世に送り出したレジェンド中のレジェンドRon Trentによるプロジェクト「WARM」。 参加したゲストアーティストには、テキサス出身のKhruangbinやイタリアのアンビエントのパイオニアGigi Masin、フランスのジャズ/フュージョンの大御所Jean-Luc Pontyなどといった豪華アーティストが参加。またマスタリングにはFrancois K.が手掛けた豪華盤。 生音とエレクトロニクスが絡み合い、ジャズ、ファンク、ポップ、ニューウェーブ、バレアリックなどといったジャンルを横断した傑作アルバム。 仕事中、かなりの頻度で聴いていたような気がします。



Title: 『What Do The Stars Say To You
Artist: Ron Trent presents WARM
Lebel: Night Time Stories

詳細はこちら
https://nighttimestories.co.uk/release.php/?id=what-do-the-stars-say-to-you

 

GENE ON EARTH 『Time On The Vine』
select by 飯野篤紀 / Clubberia




 ベルリン拠点のアーティスト、Gene On Earthによるセカンドアルバム「Time On The Vine」。自身が運営するレーベル<LIMOUSINE DREAM>をベースに、90年代~2000年代初期のテックハウスからエレクトロ、ブレイクスの要素を取り入れながら独自のスタイルを構築し、瞬く間に人気アーティストとなった鬼才Gene On Earth。本作では、彼のDJスタイルでもあるグルーヴィーでファンキーなテックハウスのほか、ダウンテンポからテクノ、そしてドラムンベースまで、アルバムならではの多彩なエレクトロニックミュージックを収録。フォーマットは違えど1つの作品としてまとまりを感じることができるのは、彼のその独自のサウンドが構築されているからと言えるだろう。



Title: 『Time On The Vine

Artist: GENE ON EARTH
Lebel: LIMOUSINE DREAM

詳細はこちら
https://www.phonicarecords.com/product/gene-on-earth-time-on-the-vine-lp-pre-order-limousine-dream/179627

 

Kangding Ray『ULTRACHROMA』
select by yutaro / Clubberia




 ドイツの実験電子音楽レーベルRaster-Notonからデビューした経歴を持つKanding Rayですが、近年はクラブ向けの重厚感溢れるテクノトラックを量産している印象でした。本作は、ある意味でキャリアの集大成とも言えるアルバムで、アンビエントからIDM、ブレイクビーツなど幅広いジャンルのトラックが収められています。とはいいつつも、主役となっているのは、どこか優しいエフェクトのかかったシンセサイザーの音色で、多種多様なサウンドが重なるハーモニクスがカラフルな印象を演出。"Ostgut Ton"から2019年にリリースされたBarkerによる名盤『Utility』からの系譜に繋がるようなモダンテクノの現在地点だと思ってます。個人的には、8曲目『Late Coral Grow』の時間感覚を失うような感覚が大好きです。また「The Labyrinth」での雨が降る中でのLiveセットも素晴らしく、フェスティバルのハイライトの1つでした。



Title: 『ULTRACHROMA』

Artist: Kangding Ray
Lebel: ara

詳細はこちら
https://kangdingray.bandcamp.com/album/ultrachroma

 

Salamanda『ashbalkum』
select by Norihiko Kawai / Clubberia




 2022年のベストアルバムということで、1年の流れから思うにBreaks系やレイヴィーなアシッド系と候補は他にもありましたが、今のご時世にそぐったリラックス系をセレクトさせていただきました。分類不可能な電子音楽にフォーカスしてリリースを行うNY拠点のレーベルより、韓国はソウル拠点デュオの3rdアルバム。Uman (Sala) とYetsuby (Manda)からなるSalamandaの音楽は、20世紀のミニマリズムに影響を受けており、浮遊感漂う作風ながらも散りばめられたワールドミュージックのエッセンスが心地よく、リスナーの心を癒してくれる。



Title: 『ashbalkum』

Artist: Salamanda
Lebel: Human Pitch

詳細はこちら
http://www.humanpitch.fm/#/hp020-salamanda-ashbalkum/

 

Honey Dijon 『Black Girl Magic』
select by Mao / Clubberia




 ハウスDJ/プロデューサー、Honey Dijonがリリースしたニューアルバム『Black Girl Magic』は、ダンスフロアで解放された瞬間を思い起こさせ、しがらみを全て忘れさせてくれるような多幸感に溢れている。有色人種のトランス女性であり、常に作品の中で黒人であること、クィアであることを称賛してきたDijon。ディスコからボールルーム、ニュージャックスウィング、アシッドなど、あらゆるジャンルを網羅した楽曲群は、祝祭的な喜びとクィアコミュニティへの愛、そしてダンスフロアの熱気が随所に散りばめられている。クィアコミュニティと繋がることで、音楽の力で人々は団結し、心が1つになることを実感した2022年。本作を聴くと改めてそのことを思い出し、社会へ抵抗する勇気が自然と湧いてくる。『Black Girl Magic』はどこにいても自由な精神に満ちたダンスフロアへと導いてくれる作品だ。


Title: 『Black Girl Magic』

Artist: Honey Dijon
Lebel: Classic Music Company

詳細はこちら
https://honeydijon.bandcamp.com/album/black-girl-magic

 
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