数千匹にもおよぶ、さまざまな金魚。その金魚を入れるために作られた独特な形の水槽。水槽のなかの世界を幻想的に照らす照明。アートアクアリウムと呼ばれるこれらの“生きる芸術品”を愛でながらDJの音楽やお酒を楽しむパーティー「ナイトアクアリウム」が、今年も東京と大阪で開催される。
この「ナイトアクアリウム」はアートアクアリウムアーティスト、木村英智氏が自身の展覧会「アートアクアリウム」の一環としておこなっているもの。DJには、世界を舞台に活躍するDJ KRUSH、石野卓球、テイ・トウワ、KEN ISHIIなどが出演。海外からも“Next Disclosure”とも呼び声高いGORGON CITYが来日する。また、昨年の開催ではclubberiaが毎年発表している「Artist Award」で2013年~2015年と1位を獲得したNina Kravizも出演し、着物姿でおこなったDJパフォーマンスとアートアクアリウムの世界観が話題を呼んだ。
「アートアクアリウム開催当初は、メタモルフォーゼのDJ MAYURIさんやJazzbrothersさん、元気ロケッツさんなど。最近ではSUGIURUMNさんや野崎良太さん、DJ WATUSIさん、半沢武志さん、80KIDZさん、石野卓球さん、KEN ISHIIさんに出演してもらっています。KEN ISHIIさんに初めて出演してもらったときに“木村さんが創る世界観はどこにもないし、事業スタイルも含め発明だと思う”と言っていただいたことがとても印象的でした。あと世界遺産の京都・二条城で出演してもらったNina Kravizさんと創った世界観はとても印象に残っています。Ninaさんに着物を着ていただいて大衆演劇の花形、荒城蘭太郎君の舞とコラボレーションしていただきました」(木村英智氏)
写真1枚目は京都・二条城で着物を着てDJパフォーマンスを行ったNina Kraviz。2枚目は木村氏の代表作「Oiran」。「Oiran」は約1,000匹の金魚が泳ぐ1.5m四方の金魚鉢が江戸の遊郭を、金魚鉢の下のアクアリウムが江戸の街を表現している。日本人ながらこれまで見たことのない、新しくもあり伝統的でもある生きるアート作品のなかでパーティーを楽しむことができる。
「僕はアートやデザインを授業や教科書で学ぶような勉強はしてませんが、アートやデザインの力が強力に発せられている場所にたくさん訪れていました。その蓄積がアートアクアリウムのアイデアやクリエイションの源泉になっているのだと思います」(木村英智氏)
木村氏の表現するアートアクアリウムは2007年からスタートし、今年で10周年をむかえる。最初は六本木ヒルズ52階森アーツセンターギャラリーで「スカイアクアリウム」として開催。来場者から“こんな雰囲気のなかでお酒とかを飲めたら素敵なのに”というリクエストから「ナイトアクアリウム」を考えだしたという。アーツセンターギャラリーでは、保険上の兼ね合いで飲食ができなかったが、2011年に東京・日本橋三井ホールに移動。この会場は飲食が可能だったため、DJを入れて飲食も楽しめるパーティーを行うようになったそうだ。
「今年はDJ KRUSHさん、ロンドンからGORGON CITYが出演します。昨年のNinaに続き、ワールドワイドな感じになってきています。また、DJだけでなく、京都の芸妓、舞妓や大衆演劇などの伝統芸能、ジャズや三味線など、新旧のさまざまなアーティストに出演してもらう予定です」
写真は木村氏の他作品。
ナイトアクアリウムは、展示期間中の毎夜開催。日曜日から木曜日はオリジナルBGMがながれるラウンジスタイル。金曜日、土曜日はDJが出演するパーティースタイルで行われる。出演者は下記とおり。なお、出演者はオフィシャルサイトにて随時更新される。
[東京・日本橋三井ホール]
オープニング・ヘッドライナー:
7月8日(金)GORGON CITY
7月9日(土)石野卓球
■東京・ナイトアクアリウム詳細
http://artaquarium.jp/nihonbashi2016/#nightaquarium
[大阪・堂島リバーフォーラム]
オープニング・ヘッドライナー:
7月9日(土)DJ KRUSH
■大阪・ナイトアクアリウム詳細
http://artaquarium.jp/osaka2016/#nightaquarium
日中のアートアクアリウムは東京、大阪、金沢の3会場で開催。日本では累計入場者数600 万人を記録。海外でも注目されている。今年は10周年の集大成として過去最大規模で開催されるので、この機会に足を運んでみてはいかがだろうか。
■アートアクアリウム
http://artaquarium.jp/
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