ベルリンのクラブ、ベルグハインがドイツの政府によって文化施設に認定された。
毎週世界各国の人々が訪れるベルリンのクラブ、ベルグハイン(Berghain)。出演アーティスト、サウンドとも世界最高峰と位置付けられる要素は多数あるが、なんといっても入場の難しさが有名。バウンサーと呼ばれる門番がドア前に立ち、ベルグハインにふさわしい客かどうかを見極める。長蛇の列にもかかわらず半数以上跳ね除けることも多々あるうえに、その判断基準は謎に包まれている。そんなバウンサーに認められたものだけが踏み入ることのできる楽園ベルグハインが、エンターテイメントの枠を越え、文化的に重要な施設としてドイツ政府に認められた。
ドイツを含む欧州連合EUでは、VAT(付加価値税)が共通税制として採用されているが、そのなかでVATの税率を軽減できる対象がいくつかある。エンターテイメント施設は19%のVATを収めなければならないが、農産品や医療器具に並び、文化的価値のあるシアターや美術館、クラシック音楽のためのコンサートホールなどはVATの税率が7%と半分以上軽減される。英・メディアThe Guardianによると、ベルグハインは2009年に財務省よりエンターテイメント施設と規定されたためVATの軽減が認められず、19%の税を納め続けてきた。これに対しベルグハイン側は、
「クラシック音楽を奏でる楽団とDJセットはどちらも同じ音楽であり、オーディエンスが両者から得る陶酔も同一のものである」
という主張を続け、遂に9月11日(日)、ドイツ政府はこの主張を認めた。つまりベルグハインは文化的に重要な施設であり、テクノは文化的芸術であると政府が公式に認めたことになる。これによってベルグハインに課せられるVATはコンサートホールなどと同じ7%に引き下げられた。
ロンドンで伝説的クラブであるfabricのライセンスが剥奪された一方で、ドイツではダンスミュージックの価値が公式に高まったといえる。
参照元:The Guardian
https://www.theguardian.com/music/2016/sep/12/berlins-berghain-nightclub-classed-as-culturally-significant-venue
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