People Aren't Hearing All The Music

 2008年、最初のヘッドフォン「studio」を世に送り出してから、わずか数年でBeats by Dr. Dreは、アメリカで売上No.1のヘッドフォンブランドとなりました。そして2012年、beatsはMonsterとのパートナーシップを解消し、アジアでは、7月からお互いに独立したブランドとして歩み始めました。新生Monsterのデビューとして「ファッション」という新たなイメージを打ち出そうと試みたのが、5月末に渋谷"SOUND MUSEUM VISION"で開催した新製品発表会です。タイプの異なる3つのプロダクトをロンチし、ハイライトとしてファッションショーを開催しました。
 私は普段、beatsやMonsterのブランディングを考える際、メインストリームとアンダーグランド両方にアプローチする戦略を敷いています。ボリュームを増やすには、メインストリームでの露出が絶対ですが、ブランド価値を維持するためには、アンダーグランドでの拡散活動も重要だと考えています。例えば弊社で扱っているShureとbeatsでは、リーチするターゲットや年齢、性別も異なり、数万円もするヘッドフォンを普通の女の子がつけることなど数年前まで考えられませんでした。そういう意味でbeatsはヘッドフォンのシーンを大きく変えた革命的なアイテムではないでしょうか。メインストリームでは、個人的に好きか嫌い別としてEDMの盛り上がりは2013年、絶対に見逃せないシーンですね。
 また、音楽と密接な関係にあるクラブカルチャーは、両ブランドにとって、裾野を支える重要なシーンであり、「ELECTRONIC TRIBE」や「WOMB ADVENTURE」など大きなイベントにブランドを通して関われたことは、とても有意義であったと思います。
 beatsは、もはやプレミアムヘッドフォンという範疇を越えて、ライフスタイルやアクセサリーの一部となりつつあります。2013年も両ブランドの動きに注目していて下さい。