良い音楽を探す旅は続く!
フィジカルからデジタルへの変化が急速に進んだ昨今だが、どうやらアナログは落ち込みの底を打ち、復活の兆しをみせつつあるという。もちろん昔のような数千などという販売枚数は夢物語と化したようだが、ピクチャーやカラーヴァイナルなど限定感を煽りコレクター魂を揺さぶるものや、デジタルではリリースしない音源をアナログのみでリリースしたりと、しっかりと音楽マーケットの中で居場所を確保しているようだ。
かくいう私も、長い間アナログ店で生業を立ててきたのだが、最近では原盤制作やCD流通、またはデジタル配信と言う中でメシを食わせてもらっている。しかし今の立ち位置の中で、情報のツカみ方に苦心することもしばしば。こんな情報化が進んだ世の中なのに・・と、自分でも思うのだが、欲しい情報が一発で検索できるツールがあるのにも関わらず、得た情報に、なぜかピンとこないのだ。これはかつて、リアル店舗の中で、毎日のように海外アーティストからの生の声や、耳の早い一部のお客さんから入ってくる情報を自然と整理し、人とのコミュニケーションの中で音楽を把握していたからなのだろうということを改めて再認識した。ネット社会が拡大するなかで、オンライン通販やデジタルに押され気味なリアル店舗の存在だが、私のようなコミュニケーションを必要としているお客も少なからずいるだろう。
いいものを知りたい、次に流行りそうなものを知りたい、実際に目で見て商品を触れたいなどなど。今でも、アナログ店、CD店のスタッフが持っている情報は膨大なはずだ。そんなコミュニケーションを取りながら、リスナーをサポートしてくれるリアル店舗の存在は、今後も音楽シーンに必要だと思っている。時代のベクトルは、逆の方向に向いているのはわかっているが、そんなリアル店舗を応援しつつ、来年も足しげくかつ密かにいいブツを掘りに行くつもりだ。