音楽制作機器のトレンドに見る、機材的観測

 2012年もあっと言う間に暮れてしまいますが、いきなりの衆議院解散に伴う衆院選やロンドンオリンピック、上戸彩の結婚など、今年も多くの出来事がありましたね。そんな2012年も音楽制作機器に目を向けてみると、多くの製品がリリースされました。今年リリースされた製品や市場の動向から、2012年の音楽制作のトレンドについて振り返ってみたいと思います。
 音楽制作における2012年のキーワードは、アナログ回帰とアプリの新興。Arturia/MiniBrute、Dave Smith Instruments/Mopho X4、Elektron/Analog Four、Moog/Minitaur、Waldorf/Pulse 2などのアナログシンセサイザーのリリースに見られるように、ハードウェア機材のアナログ回帰が目につきました。アナログは、その特性から扱いづらい印象がありますが、技術の進化に伴い、デジタルによるアナログのコントロールが正確になり、このプチブームが到来しているものと思われます。今後も各メーカーのアナログ回帰に期待!
 DAW、ハードウェア機材に次ぐ存在として、アプリも着実にその勢力を伸ばし続けています。これまでは、シンセサイザーやエフェクターなどの単体アプリが注目されていましたが、いよいよWaveMachine Labs/AuriaやBlip Interactive Ltd/NanoStudioなどのシーケンサーアプリへの注目度も上昇中。低価格で高性能、タッチパネルによる操作性は、DAWからの乗り換えも急増するのでは?
 現在は、DAWでの制作が主流となっていますが、2012年は、今後の制作環境の変化を感じる製品のリリースが目につきました。よって、今年の漢字的には、「兆(きざし)」と言ったところでしょうか。2013年は、兆しから浸透へ。革新的な機器による今後の動向は要注目です!