100曲より1回の初体験が好き?!

 6月の「TAICOCLUB」。今年は、動員数が過去最高となった。同日開催のビッグビーチや7月のフジロックも同様に。それは、野外フェスティバルが年間行事の1つとして確実に定着した証である。ただ、この状況がいつまでも継続されていくことは無いでしょう。趣味が更に多様化し、音楽の立ち位置は一瞬で変わってしまう可能性を持っているからだ。
 最近では、Sony Musicの楽曲配信がiTunesで始まり、自社サービスとしては、Music Unlimitedをスタートした。また海外では、SpotifyやDeezerなどの定額制ストリーミング配信が一般的になってきている。楽曲の持っていた価値観が大きく変化し始めているということなのだと思う。それは音楽だけに限らず映画や書籍などでも同様に。これまでは、楽曲をCDやデータとして買うのが基本的なあり方だった。しかし、現在は音楽を再生するなど利用する為の権利の対価として料金を支払う状況にスライドしてきている。オンラインで音楽を聴き、オフラインで音楽を体験・体感する。このオフラインの部分がフェスティバルやライブに該当する。まさに、O2O(Online to Offline)の最たるモデルなのだと思う。
 音楽との新たな向き合い方を模索していくには、今が本当にチャンス。良い音楽を紹介するだけでは、もう誰も振り向かない。多ジャンルで多くの人を巻き込んで、音楽を楽しめる環境作りをしていかなければ「TAICOCLUB」に来年は無いですね(笑)。来年は、様々なジャンルの方々と一緒にチャレンジしていきたいと心から思った1年でした。