2012年のクラブミュージックシーン~Bass Music Ruled!~
Wasabeatのディレクターとして作品レビューなどを日々書いていると、昨年よりも今年はダブステップという単語を書く事が減ったなという実感があります。けれども今年2012年に流行ったり、個人的におもしろかったと思った作品には、どんなジャンルでも、ダブステップやそれ以降のベースミュージックの影響を確かに感じ取れることができるのが、2012年のクラブミュージックの傾向といえるのではないでしょうか。
その先頭をきったのがベルリンに移住後更にテクノとベースミュージックのクロスオーバーを促進させたScubaのアルバム『Personality』であるのは間違いないでしょうし、Modeselketorが主宰するレーベル<50 Weapons>からは、ベースミュージック出身のCosmin TRGやベルリンテクノシーンの顔役Marcel Dettmannが競うように傑作を連発していたのも今年のトピックの1つといえるでしょう。
またフレンチエレクトロプロデューサーだった、Para Oneが今年リリースしたアルバム完璧なフューチャーポップアルバム『Passion』にも、南ロンドンの若き兄弟ユニットDisclosureにも、そのメロディックなサウンドの底の部分にベースミュージックの影響は確かに感じ取ることができます。
下半期にかけてTNGHT(Hudson Mohawke × Lunice)などをきっかけに世界的な大流行となったトラップミュージックもUSのダーティーサウスヒップホップとベースミュージックをブリッジするもので、トラップシーンからもBaauerなどの新鋭が登場しました。言うまでもなくSkrillexやZeddなどのEDM勢にも基盤にはベースミュージックがありますし、来年もダブステップ以降のサウンドがクラブミュージックシーンを席巻しそうな予感がしています。