節目の2016年を終えて

　今年の師走は比較的ゆっくりとした時間を過ごせていて、久々にclubberia恒例の年末コラムに参加させてもらいます。

　PRIMITIVE INC.としては10周年を記念して11月にageHaで開催したMASTERS AT WORKの来日公演がピーク。若い人は知らないだろうけど、10年前に独立して最初にプロデュースしたパーティーがvelfarreで開催したMAWでした。ようするに、それがPRIMITIVE INC.の設立記念。そこからたくさんのパーティーを創り続けてきたけど、いつか絶対もう一度自分の原点でもあるMAWのギグを日本で実現させようと決めていました。Louie VegaとKenny Dopeのスケジュールを合わせることも条件をクリアすることも凄く苦しかったけど、たくさんのオーディエンスの満面の笑顔や感動の涙を見て、大切なことを改めて確認することができました。音楽の持つ力は素晴らしい。サポートしてくれた全ての人たちに感謝です。

　ということで少し燃え尽きていて仕事をする気にもならず、年末の忙しい人々を横目にまったりとコラムを書いている訳です。

　「１年を振り返る」というお題ですが、今年は何よりも6月に施行された改正風営法が日本のクラブ業界において最大のトピック。一定の規準を満たすことでクラブの深夜営業が法律の下にできるようになりました。非日常を提供する特別な場所から、日常の延長線上にあるクラブへ。少しずつ、だけど確実に変わっていくことでしょう。最早ダンスミュージックは限られた人たちのものではなく、とても身近な音楽になっています。次世代を担うダンスミュージック・ネイティヴとも言える若者たちが、これからのクラブカルチャーを創っていくのです。転換期とも言えるこのタイミングで（我々も含めて）最前線に立つ人間は安易なトレンドに流されることなく、本物の価値ある音楽を伝えていきたいものです。

　それでは良いお年を。また、どこかのクラブで会いましょう。