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TSSL サウンドシステム・プロデューサー/VOID acoustics 日本代理店

クラブサウンドに特化したサウンドチームTSSL、VOID acousticsの日本代理店の代表。

http://tssl.jp

風営法改正とサウンドシステムカルチャーとインバウンド

 2016年は風営法の改正という大きな節目の年になりましたが、大きな資本が入る、大企業が参入するなどの噂はあったものの、目立った動きはなかったというのが正直な印象です。弊社、VOIDにとっては大きな動きがあったのですが、それについては事情によりここでは、、、(ある意味伝説か)。話を戻してVOID・TSSLとしては「ULTRA JAPAN」のレジスタンスとパークという2nd&3rdステージでの大抜擢や、「SOLSTICE」幕張野外、「TDME」のボイラールームでのINCUBUSなど新たなものを含め多くの現場に呼んでいただき、たくさんの笑顔に囲まれた1年となりました。本当にありがとうございました。また、今年は念願の大阪でのインストールが完了し、Circus大阪の高品質なコンテンツとの相乗効果で大変好評をいただいております。2017年以降はさらに広がるよう我々も楽しく精進して参ります。
 今年の「OUTLOOK FESTIVAL」クロアチアではサウンドシステムカルチャーのトークセッションが開催され、欧州のサウンドシステムカルチャーの最前線情報から歴史、ファブリック問題も絡んでのクラブ文化やドラッグとの問題など非常に有意義な話を聞くことができました。その中でいくつかのキーワードがあったのですが、印象深かった言葉のひとつが「いい時間を過ごすことが大事なんだ」でした。サウンドシステムを準備すること、機材をアップグレードして工夫して、お金とマンパワーを投入するのは何の為か? それは「いい時間を過ごす」ためなんだと。みんながハッピーになって、ときにはクレイジーになって踊り狂う、そういう時間をみんなと共有するためにサウンドシステムカルチャーは存在し進化し続けるのだ、と。このことはパーティーって、クラブって、フェスって何? という部分に立ち返る重要な考えのような気がしました。技術や機材面だけでなく、こういった考え方や哲学的な部分の成長が日本ではもっと必要なのでは?と思ってしまいます。仕事の仕方や人生観からして違いすぎるな、と。
 今年は顕著にクラブ業界やフェス業界もインバウンドを意識するようになり、もっとレベルの高いクラブやDJ、フェスが求めらてくるでしょう。もっと高い意識を持って皆が動いていかなければならないと思いますし、クラブオーナーの世代交代もそろそろ進まないといけないと思います。2017年は外国から来た人も含めもっと日本の音楽体験での笑顔が増えるようになることを期待しつつ、我々も楽しんでいきたいと思います。