outlook festival 2012
まだまだ他のジャンルに比べ浸透していないベースミュージック。ベースミュージックの魅力を、ただただシンプルに世間に広めようとパーティーという形で提案するtocci(eastaudio SOUNDSYSTEM)氏にインタビューを行った。。総勢100人以上のアーティスト/DJが出演し、アジア最大のベースミュージックの祭典と化す「OUTLOOK FESTIVAL2012 JAPAN LAUNCH PARTY」の見所とは?ベースミュージックの魅力とは?彼の実体験から今回の開催について語ってもらった。

Interview : yanma (clubberia)
outlook festival 2012


● OUTLOOK FESTIVALとはどのようなフェスティバルですか?

tocci :
クロアチアのプーラという街で開催されるヨーロッパ最大のベースミュージックとサウンドシステムの祭典です。ボートパーティーやビーチパーティーなどビーチエリアと要塞跡という2ゾーンで開催されます。基本的には巨大なビーチパーティーですね。

outlook festival 2012




● 昨年はelevenとsunsuiで開催されていますよね?初年度の開催はいかがでしたか?

tocci :
日本側の出演者をみてもあらゆる角度からみて国内のベースミュージックのマスター達が一同に会した初のパーティーだったと思います。OUTLOOK FES.の名前も一気に浸透したと思います。


● OUT LOOK FESTIVALをなぜ日本で開催しようと思ったのですか?

tocci :
単純に楽しいからです(笑)。ベースミュージックの楽しさ、魅力はこの日本では全然伝わっていません。なぜ世界ではあんなに熱狂的なのに??? と思ったら、そのためにはこういう空間を自分たちが作らなきゃ!と思った次第です。

outlook festival 2012


● 日本での開催はTABLOIDですが、なぜこの場所を選んだのですか?

tocci :
まず音の制限の無さ、音の制限があるような所ではベースミュージックのパーティーはできませんからね。それから印刷工場をリノベーションした建物自体のかっこよさ、ロンドンやブリストル、NYみたいな倉庫や廃墟の雰囲気なんかもあって、電源も豊富ですし。これくらいの距離感もヨーロッパのVENUEみたいでいいですね!


● UKダンスホールシーンを切り開いた先駆者Daddy FreddyやUKシーンで注目の若手アーティストCharlie P、関西の重鎮KURANAKA1945、今年フジロックにも出演するビートメーカーeli walks と幅広いラインナップですが、ブッキングのするアーティストの共通点や、意図があれば教えてください。

tocci :
まずはリアルなシーンをヨーロッパから持ってくるところですね。UK組はすべて今年もOUTLOOK本祭に出演します。彼らこそ「今」であるわけです。DJが来日してないのは日本にすばらしいDJがたくさんいるからです。自分たちがヨーロッパで感じたのはDJは遜色ない、ということです。KURANAKA氏をはじめ世界クラスのDJはたくさんいます。eli walksは単純に出音が良いアーティストだな、と思ったから。サウンドシステムで鳴らしたら良さそう!ってことです。




(右上へ続く)
● ラインナップを見ると、普段あまりベースミュージックのイメージのないアーティストも出演しますね。それの意図も教えてください。

tocci :
ベースミュージックのシーンはまだまだ小さなものです。こういったフェスを通じてもっともっといろんな入り口からシーンに入って来てほしいという気持ちもありますし。でも実は結構ベース系に興味持ってるDJやアーティストがほとんどだったりしますよ。


● 個人的でかまいませんので、思い入れのアーティストがいればそのエピソードも踏まえ紹介していただけますでしょうか?

tocci :
DADDY FREDDYですかね。まあレゲエ界では古くから知られた人ではあり、何度も来日もしています。しかし、ただのベテランではないんですよ。OUTLOOKで去年見た彼は金髪ギャルもキャーキャーの人気だし、何よりも「現在進行形」バリバリのアーティストなんですよ。大先輩なんでやりたい放題!?のステージングも圧巻で(笑)。あと今回実は、サウンドクラッシュがあります。日本ではレゲエの世界のみの話ですが、これをDEXPISTOLSとHABANERO POSSEとJUNGLE ROCKという異ジャンル同士が戦うわけです。これは注目ですね。こんなクラッシュもOUTLOOKではビーチでやってたりするんですよ。

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● イベント当日の音響システムについて。機材はどういったものが入るのですか?

tocci :
ホストサウンドのeastaudioと横浜の国内最強の低音と言われるTASTEEの合体EASTEEがメインに入ります。eastaudioは21インチというモンスターウーファーを入れた新システムをお披露目します。先日テスト&測定を行ったのですが30HZ以下もブンブン鳴らす世界トップクラスの鳴りをしていました。さらに関西から日本でもっとも知られているシステム最高音響、コンパクトながら定評あるNICHIのシステム、ボートパーティーにはコバヤシステムが入ります。日本史上最高の重低音が東京を揺らします!

outlook festival 2012


● 日本のOUTLOOK FESTIVALならではの見所はありますか?

tocci :
これは世界中で開催されるローンチツアーの最終日なんですが、2DAYSでもあり世界最大のローンチとなります。ボートパーティーにサウンドクラッシュなど本祭の再現度にはこだわっています。これは単なるパーティーではなく低音のテーマパークです!

outlook festival 2012


● 多くの音楽がUKで流行し、それが世界へ派生する流れがあると思います。ベースミュージックも顕著にその1つだと思いますが、それはなぜだと考えられますか?tocciさんの見解を教えてください。

tocci :
とにかくサウンドシステムです。セットで存在しないとシーンの拡大は無いですね。
フライヤーで1番上にシステム名が載るのが普通ですから。あのシステムなら行こう!とかね。
東欧もそうなんですが、サウンドシステムカルチャーが盛んな国はクラブミュージックも盛り上がっていますね。中国ではいまいちで、ブラジルとインドは流行りそうな雰囲気があるのも音も環境、国民性と密接ですね。さらに突き詰めれば電圧が200V以上の国とか・・・マニアック過ぎますね。逆を言えば日本だって・・・と思ってるのが我々です。


● 近年、日本でもダブステップをはじめビートミュージックのパーティーが増えてきたと思います。トリボチさんがオススメしたい、日本のパーティーはありますか?

tocci :
どれもいいんですが、サウンドシステムが入ってるパーティーで体感してほしいですね。そうすれば「あ、この感覚好きかも」って人は増えると思います。


● 今までビートミュージックに馴染みがなかった人にビートミュージックの魅力を伝えるとしたらどんな言葉で説明しますか?

tocci :
「聴くもんじゃないない!体感するもんじゃ!」
まあパーティーというよりもテーマパークだと思ってください!?


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