GAMMA PLAYER CHICAGO

米シカゴに住み、世界中を旅するミニマルテクノの創始者、世界最高峰DJ Jeff MillsとAXIS RECORDS/Yoko Uozumiが手掛けるセレクトショップ。毎シーズン、コンセプチャルなテーマを持ちパリ、ミラノ、フィレンツェ、ベルリン、ニューヨーク、東京などで買い付けを行いフューチャリスティック、ボヘミアンノマドなどのヨーロピアンスタイルをアメリカ中西部に紹介している。世界中のブランドやデザイナーと密接な関係を築くことでファッションとミュージックが一つのものになることを目的としながら今後もコンセプチャルな展開を発信する。 今から3年程前、「ONE MAN SPACESHIP」の為に来日したJeff MillsとYoko Uozumiが日本に滞在する数日間にびっしりとスケジュールを詰め込み、一つ一つのブランドの展示会場やアトリエを訪れては、デザイナーと意見を交わし音楽家としてのJeff Mills同様、自らが掲げるシーズンコンセプトに則った妥協のないバイイング活動を行い周囲を驚かせていた。以前から撮影などで使用する衣裳に対しても、ミリ単位でこだわりを示すほどファッションに深い洞察力と興味を持ち、モノトーンカラーをフューチャリスティックに着こなすJeff Mills自身のファッションスタイルも、国内外のファッション業界人から一目置かれる存在となっていた。現在、パリメンズコレクションのトップブランドに君臨する LANVAN/クリエイティブ・ディレクターLucas Ossendrijverも熱心なテクノファンとして有名だが休暇中に「GAMMA PLAYER CHICAGO」を訪れるなど、第一線で活躍するデザイナー達とJeff Millsは交流を深めている。ここでは、Jeff Mills & Yoko Uozumi がディレクションを手掛けるセレクトショップ「GAMMA PLAYER CHICAGO」とJeff Millsの活動拠点であるシカゴについてインタビューを行った。



ーDJツアーで世界中を旅されていますが何故、シカゴにセレクトショップをオープ ンされたのですか?


シカゴに住居を構え、世界中を旅しているからです。世界中で行われるDJツアーを 終えるとわたしは、快適さを求めて必ずこの街へ帰ってきます。

ーそれでは、はじめに「GAMMA PLAYER CHICAGO」のホームタウンであるシカゴについ てお聞かせ下さい。


アメリカ第3の都市シカゴは、アメリカ広告業界のテストグラウンドでもありトラディショナルなアメリカ文化のある街です。モダニズム建築のアーキテクチャーも有名ですが大きな湖にも囲まれおり、気候も良くドライブをしながらいろいろなところへアクセスすることが出来る住みやすい環境です。イージーで変化の少ない面もありますがシカゴは、歴史も古く音楽に対してとても理解のある街だと思います。それ
にシカゴハウスが誕生した街としてあまりにも有名ですよね。でもわたしと同じようなジャンルのアーティストは、この街にあまり多く住んでいません。わたしには、コンペティションがあるわけではないのでメディアに追いかけられることもないですから、周囲を意識することなくクリエイティブな活動に集中できる環境がシカゴにあるのだと思います。

ーこれからもずっとシカゴに住み続けるのですか?


生涯住み続けるかは、まだわかりません。わたしのようなアーティストやミュージシャンは、いろいろなところで生活することや様々な経験が必要だと思います。時間を掛けてリリース活動を行うことで自分たちがやりたいことを行っていける環境も大切なことだと考えていますし、ヨーロッパでの活動拠点としてベルリンにも家があります。


ーでは、故郷であるデトロイトやAXIS RECORDSの立ち上げ当初に住まれていたニュー ヨークは、いかがでしたか?


デトロイトは、新曲をラジオで流しリスナーの反応を試してみるような全米音楽マーケットのテストグラウンド的な街でした。1984年にデトロイトのラジオ局WDRQのDJとしてDJキャリアをスタートしてから90年代初めにUnderground Resistanceを結成してヨーロッパを中心に世界中をツアーしました。当時20代後半だったこともあり、ヨーロッパカルチャーから様々なことを吸収したことが今のわたしを形成する一部となったのだと思います。その頃、もうデトロイトで吸収できるものは何もないと感じてニューヨークへ移り住み、わたしが本当にやりたいことをやるためのレーベルAXIS
RECORDSを立ち上げました。ニューヨークでの暮らしは、毎日が目まぐるしくラブとヘイトの繰り返しでした。あのままニューヨークに住んでいたら、もっとパワフルでアグレッシブなトラックばかりをリリースするレーベルになっていたのかもしれませんね。







それでは、「GAMMA PLAYER CHICAGO」の紹介をお願いします。


2007年春、米シカゴのウィッカーズパークにオープンしたセレクトショップが「GAMMA PLAYER CHICAGO」です。ショップネームの由来は、AXIS RECORDSからリリースしたトラック「GAMMA PLAYER」のコンセプトに由来しています。毎シーズン、コンセプチャルなテーマを持ちパリ、ミラノ、フィレンツェ、ベルリン。シーズンによってはニューヨーク、東京などのショールームやトレードショーにも出掛け買い付けを行っています。フューチャリスティック、ボヘミアンノマドなどのヨーロピアン・スタイルを中心にメンズ・レディース共にアメリカ中西部へ紹介しています。



ショップは、どのような意識を持って展開されているのですか?


ファッションとミュージックが一つのものになることを目的としています。世界中のブランドやデザイナーと密接な関係を築き、コンセプチャルな展開を発信して行きたいと考えています。



ジャパンブランドに関しては、どのような印象を持たれているのですか?


ジャパンブランドは、とてもコンセプチャルにクリエイションを展開するブランドが多いですね。プロダクトのクオリティーも高くマテリアルやサイジングなど細かいディテールに拘っているので個人的にも愛用しています。GAMMA PLAYER CHICAGOでもオープン当初から現在までシーズン毎にジャパンブランドをセレクトしていますよ。






ー2009S/S「GAMMA PLAYER CHICAGO」のシーズンコンセプトについて教えて下さい。





2009S/Sのシーズンテーマは、「Niteroi」
ブラジルのリオデジャネイロにある建築家オスカー・ニーマイヤーがデザインを手掛けたニテロイ美術館とその周囲に広がる自然環境をテーマとしています。建築家オスカー・ニーマイヤーは、世界遺産でもあるブラジルの首都、ブラジリアに未来都市を建設したことで以前から興味を持っていました。そのオスカー・ニーマイヤー建築の象徴ともいえるのがリオデジャネイロにあるニテロイ美術館なのです。空から見るニテロイ美術館は、まるでUFOのような円盤形です。ニテロイ美術館の周囲に広がる海は、わたしたちが普段の生活で見ることが出来ない隠された世界をイメージしています。



Niteroi
As in the harshness of nature, life always finds a way to exist. Whether by choice or by coincidences that defies our science, we would find ourselves
in a world unlike anything we could ever imagine. As a reminder to nature that multiple lifeforms can co-exist outside their eventual habitat , we
reinforce our dreams by accepting the unthinkable.

Niteroi - Hidden Water becomes our wading pool for curiosity.



日本語訳: 自然の厳しさの中で、生命はたえず存在のすべを探している。選択したにしても、偶 然だとしても、科学では証明しきれない、我々は想像を遥かに超えた世界に身をおく ことになる。生命を育み続ける自然が自分たちの環境外でも共存して行かれるという ことを忘れないように、我々は信じられないようなことを受け入ることで夢を見続け ることができるのだ。 Niteroi— 隠された水は好奇心の源となる。


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