1993年、マンハッタンレコードにて、レコ屋人生スタート。買い付け要員、ハウスバイヤー、その他管理職を経て15年に渡ったヴァイナルオンリー生活に終止符。現在はレーベル/音楽流通に転職&業種を変え、いささか年齢を感じながらも良質の音楽を探すべくアンテナを磨く日々。
恥ずかしながら、中年なのに中二病(!?)に陥り、夜の飲み会とクラブ活動を控えつつ、厳かにインドアな生活を送った2015年が終了。来年は心機一転、アウトドアに復活したいと切に願う今日この頃。
さてさて、個人的にはそんな2015年でしたが、業界内の大きな動きといえば、日本でもApple Musicなど、定額制音楽配信サービスが本格稼働し始めたことでしょうか。所有感を求めるいわばへヴィー・ユーザーともいえる層をターゲットにするアナログ、簡単にどこでも好きな音楽を楽しみたいライト・ユーザーをターゲットにするストリーミングの狭間のなかで、今後CDってものはどこに行くのか!? CDという媒体を売っている身としては、このストリーミング配信は脅威に違いはないでしょうが、そんな危惧がある一方、このサービスの開始により、比較的安価でいつでも手軽に音楽を楽しむことができるようになります。そして音楽が無料で(違法でも…)聴けてしまう時代に、音楽は“対価を払って聴くもの”という正常な状態に戻してくれることに期待したいと思っています。
また、音楽のトレンドの方に目を向ければ、2015年は大きな変革があった年でなかったかと思います(少なくとも身の回りのジャンルに関しては良くも悪くもこれがキター!ってのはなかった)。2年程前からトレンドになる気配のあったヴィンテージ系のソウル、はたまた、80’sブギーあたりを意識したクラブ・ミーツ・ロックな動きが前にも増して活発になった感があります。今年、チャートのトップ領域を飾ったタキシードの「Do It」はじめ、マーク・ロンソン「Uptown Funk」、アラバマ・シェークスの「Don’t Wanna Fight」等々、ラジオのオンエアでもヘヴィー・プレイされたこれらはその要素を多分に含む楽曲でした。そのほか、Chic率いる往年のディスコ・ミュージック・スター、ナイル・ロジャースや、イタリアのディスコ重鎮Giorgio Moroderがニュー・アルバムをリリースするなどの動きも注目すべきところでした。
2016年は、これらのムーブメントの継続とともに、ロック方面で最近良いモノが続々と増えつつあるドリーム・ポップやエレクトロ・ポップといったところが更にいい感じになりそうな予感がします。アメリカ〜UKはもちろん、ここ数年元気のいいオーストラリア勢やカナダ勢の動きも気になるところですね。
そんな私が2015年、日常的に聴いていたのは、椎名林檎、レキシ、そして七森中☆ごらく部でした……。