YMO(Yellow Magic Orchestra)は、1978年に結成された細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一の三人からなる日本の音楽グループ。1980年代初頭に巻き起こったテクノ/ニューウェーブのムーブメントの中心にいたグループの一つであり、シンセサイザーとコンピュータを駆使した斬新な音楽で、1978年に結成されてから1983年に「散開」(解散)するまでの5年間で日本を席巻した。活動期間中には米国等でのレコードリリース、及びコンサートツアーも行っている。英語圏で最も著名な日本人ミュージシャンの一つでもある。1993年に一時的に「再生」(再結成)しており、また2007年にも再び再結成している。
当時、シンセサイザーやコンピュータを駆使した音楽としては既にドイツのクラフトワークが有名であったが、それらの技術を用いた音楽はまだ珍しい時代であった。そんな中で現れたYMOの音楽は、日本において当時の若い世代を中心に熱狂的に受け入れられた。そのため、YMO結成とクラフトワークの「The Man Machine」(邦題:「人間解体」)発売、同じくシンセサイザーを多用したディーヴォの「Q: Are We Not Men? A: We Are Devo!」(邦題:「頽廃的美学論」)が発売された1978年を「テクノ元年」と呼ぶ者も存在する。また英米・英語圏の音楽界に対しても少なからぬ音楽的影響力を残しており、例えば「U・T」(アルバム『BGM』収録)はトランス・テクノ、「ライオット・イン・ラゴス」(厳密には坂本のソロ『B-2ユニット』の曲だが、'80年のYMOのライブで好んで演奏された)はヒップホップのそれぞれ始祖であると、後に英米で評されている。