なんと12歳でDJに目覚め、それ以降ダンス・ミュージックの魅力にとりつかれ続けてきたというフランクフルトの超ヴェテラン、イェンス・ツィマーマン。その活動の歴史は、80年代の後半、彼が伝説のクラブDorianGray(78年からフランクフルト空港にあって、Sven VathやMark Spoonがプレイしていた)と出会いスタートする。93年に若くしてこの世を去ったフランクフルト・シーンの重鎮、Torsten FenslauがDorian Grayの顔でもあったことから彼とのチームワークがスタートし、Tyrel Corp.およびAbfahrtといったプロジェクトで初期トランスのヒット曲を送り出す一方、メジャーのダンス・ポップ・グループCulture Beatの初期のメンバーとしても活躍する。その後、ドラムン・ベースへと転向した彼はしばしあまり音沙汰のない時期もあったものの、21世紀になると再びテクノへの愛情を復活させ見事にシーンの第一線へ舞い戻る。特に、2005年にRoomから激渋のミニマル・サウンドを展開した12インチをリリースし始めると、Richie HawtinやEwan PearsonなどのトップDJたちからの支持を集め、瞬く間に新進の若い世代のクリエイターたちと並んで「今もっとも注目すべきDJ/プロデューサー」リストへの仲間入りを果たした。