パリを拠点に世界を股に駆けて活躍するPHATMATIXことStephane Raultは、90年代後半にトランスの洗礼を受けそこから、クレージーで強烈なナイトタイムを演出する激テクトランスDJとして活躍してきた。そして、本国のDJチャートの上位にランクインするほどの人気と実力を兼ね揃え、今やフランスを代表するトップアーティストの一人として広く知られている。
2006年には、彼が世界各地でプレーし培ってきた経験を存分に表現したデビューアルバム「Sorcery」を、日本のトップレーベルYABAI RECORDSからリリース。世界中のダンスフロアで一躍ヒットし、国際的に著名なアーティスト・レーベルから高い評価を得、現代のサイケデリックトランスの最先端を表現している一枚だと言える。彼の奏でるサウンドは、ファンキーなリズムのビートに、不思議な効果音を加え、ダイナミックな空間音で見事に構成され、予測不能な闇と光の対比を生み出す。そして、高度な技術でリード音を展開し、全ての音が複雑に融合することによってダンスフロアを狂乱へと導く。
そんな彼がリリースする楽曲達は、毎回リスナーに驚きと感動を与え、今なおあくなき進歩を遂げている。そして、現在は、彼の既存のエッセンスにインダストリアル的な音の要素を加えた次回作『The Divine Comedy』のアルバムの制作に取り掛かっている。彼は、現在のソロプロジェクトPHATMATIXに加え、DIGITAL TALKのJulienと活動するサイテクノプロジェクトMINDCOREの活動も本格化し、多数のコンピレーションへの楽曲提供や、ファーストアルバムのリリースなど、世界中のフリーク達が注目している夢のユニット誕生に、トランスシーンの未来は熱くなりそうだ。