現在「ジャム・バンド」と呼ばれる音楽のポイントといえる、一つのジャンルに括り切れない様々な多用な音楽とのブレンド、踊る楽しみ、先進的でヒップな雰囲気、その全てはメデスキー・マーティン・アンド・ウッド(MMW)から始まったと言っても過言では無い。MMWの演奏が生んだ波紋はニューヨークのダウンタウン・シーンから沸々と沸き上がり、やがて全米各地へ飛び火するムーヴメントの発火点となった。
オルガンのジョン・メデスキ、ドラムのビリー・マーティン、ベースのクリス・ウッドは1992年にグループを結成して以来、結成時からのライブ・パフォーマンスで一貫しているオルガン・トリオ的な側面に加え、ロック、ファンク、ヒップ・ホップ、アバンギャルドな方向性など旺盛な実験を繰り返すスタジオ録音盤と、常に変化を続けて来た。特にライブ・バンドとしての評価は絶大で、ステージに置ける即興性など、いわゆるジャム感覚を持ったグループとして若者を中心にクラブなどで圧倒的な支持を得た。
2000年にはジャズ界の名門ブルーノート・レコードと契約。今や3人のプレイヤーとしての信頼も絶大で、ジャズ、ジャム人脈のみならずルーツ・ミュージック、ワールド・ミュージックと話題作には必ずといっていい程彼らの名がクレジットされている。全米を代表する老舗ジャズ専門誌「JAZZ TIMES」「DOWNBEAT」両誌にて2001年度ベスト・ジャズバンド・オブ・ザ・イヤーを受賞。2002、2004、2006年、日本におけるフェスティバル「トゥルー・ピープルズ・セレブレーション」では2日間ともトリを勤める。2008年初頭には初のキッズ・アルバム『Let’s Go Everywhere』をリリース、各メンバーが音楽講師を務める夏期合宿<CAMP MMW>を行うなど、新たなチャレンジが尽きない。