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Fabrizio Maurizi

(ファブリツィオ・マウリッツィ-a.k.a Roger)は、イタリア・ボローニャの出身で、長年にわたり特にデトロイトテクノのムーブメントに注目を注いできたことで知られる街であり、その音楽を広めるのに相応しい立地にあると言えるであろう。当時、街で行われていたイリーガルなレイブシーンの後、Fabrizioはイタリアで最も重要とされるクラブのレジデントを勤めることとなる。ナポリのテクノシーンに魅了され、初めてリッチー・ホウティンのプレイを見たFabrizioの音楽的な方向性はミニマルテクノへと移行していく。Fabrizioは、約10年前にソフトウェアを起用した音楽制作を開始するが、それまでの10年間はピアノを勉強していた。完全に重低音の虜となってしまった彼は、時にはダークで、時にはテクノの持ち得るファンキーなサウンドを狂気的なボーカルを起用し、ユニークなスタイルを構築していくこととなる。 DJとしても確実にその血を持ち得る彼は、暗闇から光を差したり、光から暗闇を作ることができ、リズミカルなアナログサウンドや跳ね上がるベースラインをゆっくりと相互作用する。いつの日かMINUSファミリーの一員として活躍するのを夢として、リッチーのみに自作を送り続けたFabrizio。もしかしたら、その夢は壮大すぎたかもしれない。ただ彼はその道こそが確かな道だと信じ続けたのである。