スターでも支配者でも苦労人でもなく、率直に言えば天才音楽家、大器晩成型の放浪者 Tobias Lutzenkirchen、天才音楽家の誕生はJhon Acquavivaとトラック"No Fear"を作成した頃だろうか、いや、それ以前からだったのかもしれない。 2005年 Tobias Lutzenkirchen を超一流のサウンドエンジニアとして鍛え上げた Hardfloorの Ramon Zenker との仕事を辞め、故郷 Neuss と過去の自分と決別し、ミュンヘンへ移住。移住後、直ちにバイエルンにスタジオを設け Tomcraft のもとプロデューサー活動をする中、ミュンヘンのディープなナイトライフでの洗礼を受けつつ、レコード作成を始め多くのリリースを果たした。彼のプロデュースは続々とクラブヒッツを生み出し、驚異的な大ヒットチューン展開を昨年までの3年間連続で成し遂げた。ミュンヘンへ移転直後、契約したレーベル Great Stuff から Steve Lawler の「Lights Out」のコンピレーション、 High Roller の「Gimme My Chicks」などを含む初めてのリリースは瞬時に大ヒット。彼のプロデュース作品のほとんどがブームになったと言っても過言ではない。彼は、Lutzenkirchen 個人としての制作だけに留まらず、 LXR,LK-Pro,Elektroluxx,Bully Boys,Mike Litt,L.Y.T.Z,the Electronaut など他のアーティストへの制作協力も数多く、タイトルに彼のクレジットが入るトラックは数えきれないことだろう。 John Digweed の "Warung Beach" エクスクリュージヴミックスのような Meat Katie,Yello,Tricky Disco 等多様なアーティストのものなど近年彼が制作した数え切れないほどのリミックスは、「Lutzenkirchen に不可能なし」と示しているようだ。 Tomcraft のような有名なレーベルとアーティストが招き入れた才能、しかっりしたエンジニアリング技術による、驚くほどセンスの良いクラブミュージック。現代を代表する有能なプロデューサーであると言えよう。 2008年、拠点をミュンヘンに移してからわずか3年でトッププロデューサーとなり、「3 Tage Wach」より先駆けのシングル「Paperboy」も多くの層のハートをつかむ。最大限の旋律を表す「A View To The Sea」や「Storm Chaser」などどれも素晴らしい出来栄えだ。彼のサウンドはためらうことなく斬新なアイデアを試み、カテゴライズできぬほどに Techno 、Progressive 、Trance 、House 、どのジャンルの音もそれぞれの元素を活かしつつ、エレガントに融合させる。音楽プロデューサーとして目立つだけでなく、クオリティ高く、自然に誇大な瞬間とアンダーグラウンドの精神を結合させる。