ミニマル・テクノ~ミニマル・ダブのパイオニアであるBasic Channelの哲学を正統的に継承するユニット/レーベルが、Scion Versionsである。Pete Kuschnereit a.k.a. SubstanceとRene Lowe a.k.a. VainqueurによるScion Versionsの2人は、ベルリンのテクノ・シーンの総本山的レコード・ショップ、Hard Waxの中心的メンバーである。2人は1991年頃から実験的トラック制作を開始。ミニマル・ダブ~エレクトロニカの礎を築いたレーベル、Chain Reactionから「Emerge」を1996年にリリース。それぞれのソロ・アルバム、Substance『Session Elements』とVainqueur『Elevations』を1997年にリリースしている。ほぼ同時期から、ライヴ・ユニットとして様々なクラブやフェスティヴァル、アート・イヴェントなどでパフォーマンスするようになる。2002年にはBasic Channelの音源を使用、Ableton Liveで再構築したミックスCD『Scion Arrange and Process Basic Channel Tracks』をTresorからリリース。2006年、新たなプラットフォームとしてScion Versionsというレーベルと立ち上げ、これまでに6枚の12インチ・シングルをリリースしている。2001年にTikimanと共に初来日。以降、 2005年にはJeff Millsの招聘でContact Special @ WOMB、2007年にはFrancois K.の招聘でDeep Space @ YELLOW、2008年には野外フェスティヴァルTHE LABYRINTHとコンスタントに来日している。DeepchordやModern Love、Echocordなどに代表されるフォロワーの隆盛、ダブ・ステップとも呼応しながら再燃の兆しを見せるミニマル・ダブ~ダブ・テクノのシリアスな未来進行形のサウンド・ヴィジョンを提示してくれることでしょう。