2004年のZEN TV NIPPON以来の来日となるカナダ出身のスクラッチ小僧、Eric SanことKID KOALA。イラストレーター、グラフィック・アーティスト、映像監督、人形師と様々な顔を持つKID KOALAは、他のDJより技術があることで自己表現するのではなく、物語をターンテーブルでどれだけ鮮明に描くかによって自己表現する非常に特殊なターンテーブリストである。次々に入れ替わるレコードや、ヘッドフォンを使わずにプレイする姿はバトルDJを連想させるが、彼のユーモア溢れるDJプレイはむしろ、コメディアンがギャグで客を笑わせるような感覚に近い。DJである以前に、彼が生粋のエンターテイナーであること、そしてテクニックの複雑さに固執せず独創的な自分の世界を作り出すそのスタイルは、アナログなグルーヴ感に満ち溢れている。