クラブやフェスティバルを沸かせるDJは数多くいる。また、鳥肌が立つような素晴らしい曲を書くアーティストも然り。だが、これらを両立させるのは非常に難しいことだと言えるだろう。Above & Beyondはこの両方を見事にやってのける、世界でも数少ないダンス・ミュージック・アクトである。
2001年にMadonnaのリミックスを手掛けたことを皮切りに、2004年には英国国営放送【BBC】のDJミックス番組、『エッセンシャル・ミックス』の年間ベスト・ミックスを受賞、そして2007年には、ブラジル、リオデジャネイロにて100万人のクラウドの前でプレイを披露。最近では1970年から続く歴史ある音楽フェスティバル、＜グラストンベリー＞、ダンスステージのトリを務めるなど、その勢いは留まるところを知らない。
2000年に結成されたAbove & Beyondは、完全主義者のチームと表現できるかもしれない。Tony McGuinessは過去に≪ワーナー・ブラザーズ≫のマーケティング・ディレクターであり、ギタリスト・作曲家であった。そしてJono Grant、Paavo Siljamakiは共にクラッシック音楽を学んだ経験を持つ。彼らの恵まれた音楽的素養が、作りだす楽曲、そしてDJプレイに更なる深みを与えているのだろう。
自ら運営するレーベル、≪Anjunabeats≫からは自身の作品はもとより、OliverSmithやSuper8 & Tabのような経験を持つプロデューサー、更にはMat ZoやMaor Leviのような新人の作品まで数多くリリース。その高いクオリティーは多くのDJに支持され、世界中のトランス・ファンに最重要レーベルとして認知されている。また、今年6月にリリースされた最新フル・アルバム、“Group Therapy” は美しいメロディーを持ち合わせながらダンスミュージックの根本であるグルーブ感を持ち合わせた快作で、UKの【MIXMAG】は早くも「本年のベストアルバム」と絶賛。
過去5年間、【DJ Mag】の人気投票ランキングの10位以内をキープし続け、昨年2010年は5位を獲得し、現在、世界で最も人気あるトランス・アクトと言えるAbove &Beyond。UKが生み出した最強のトランス・スーパースターから今後も目が離せない。
