King Midas SoundはRoger RobinsonとKiki Hitomi、Kevin Martinによるプロジェクトだ。Soul Jazzからシングルリリース後、2009年11月にデビューアルバム「Waiting For You」をHyperdubからリリースした。
The BugのプロデューサーであるKevinと、詩人のRogerの韻文によるコラボレーションは過去にも行われていたが、Rogerがファルセットで歌い始 めた時に全てが変わりKing Midas Soundが誕生した。そしてRogerの声への対位として、日本人シンガーであるHitomiがバンドに加わった。
Gregiry UssacsとVincent Galloの中間の様なRogerの繊細で脆弱なファルセットが親密で居心地のよいベースのブランケットと不安定な空気感と寄り添う。そこにHitomi の過去と現在がわからなくなってしまうような声の渦を巻く。「Waiting For You」は、幽霊のように空虚的なラヴァーズロック、崇高で悲痛なレゲエ、荒れ地が感情のメルトダウンで埋め尽くされるような、スウィートで毒性のある 愛、いつまでもこだまして聴こえるような故人へのララヴァイとアンダートーンなルサンチマンであふれたメランコリッ クな アルバムだ。
デビューアルバムを幕開けとして、King Midas Soundはライブを通して外へと、そして同時に深く響き渡る感情的なコネクションをリスナーと創り続けている。
続いて2011年にリリースされた「Without You」は、バンドが選んだミュージシャン達が「Waiting For You」をリヴァイズしたアルバムだ。Digital MystiksのMala、Scritti PolittiのGreen Gartside、Hype Williams、Nite Jewel、そしてFlying Lotusが、KMSがバンドとしてどのように音楽と関わり、進化しているかを、それぞれのスコープを通して我々に魅せてくれる作品だ。