シンガー・ソングライターのエドワード・ドロスト、ドラマーのクリストファー・ベア、マルチ奏者でベーシストのクリス・テイラー、そしてシンガー・ソングライターでありギタリストでもあるダニエル・ロッセンの4人でブルックリンを拠点にゼロ年代初期に結成。2006年にリリースされたセカンド・アルバム『Yellow House』が多くの批評家から絶賛され、2008年にはポール・サイモンがブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージックに自ら共演オファーを出し、また寡黙で知られるレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが手放しで賞賛、レディオヘッドの全米ツアーに同行して話題となる。2009年リリースのサード・アルバム『Veckatimest』はビルボード・チャート初登場8位、ビルボード・インディ・ チャート1位を記録。また、収録曲の”While You Wait For the Others”は、NMEがビーチ・ボーイズを引き合いに出して賞賛、辛口で知られるPitchforkでも史上初めて10点満点のレヴューを獲得した。その年の年間チャートではそのNMEやPitchforkをはじめ、アンカット、ニューヨーク・タイムス、スピンなど様々な媒体で軒並みトップ10へ名を連ねる名盤としてその評価を決定的なものにした。
そして3年ぶりとなる待望の4作目『Shields』は、ビーチ・ボーイズの遺伝子を受け継ぎながら、珠玉のメロディとハーモニー、複雑ながらもモダンで風通しのいいアンサンブルが成熟の域に達し、バンドが過去最高の状態でレコーディングを行ったことが音の端々から垣間見えるだろう。本作をもってグリズリー・ベアはもはやウィルコやフリート・フォクシーズを超えるニュー・アメリカーナの旗手として、遂にUSインディの王座へ着くことは間違いない。