25年の間、Banco de Gaiaは世界のエレクトロニカ・シーンの変革/進化を先導し、幾多のダンスフロアで光りを放ち、多くの新しいアーティスト達にインスピレーションを与え てきた。アコースティックとエレクトロニックのブレンドを時代にリードして開拓し、世界中の多くの文化圏から哲学やテクニック、思想や慣習などをマッシュ アップしてきた。
Toby Marksとしても知られるBanco de Gaiaは、90年代初頭にアンビエント・ダブのコンピレーションを制作し始め、その後続く“チルアウト” アルバムの先駆者として、多大なる影響力を持つこととなった。1994年、Planet Dog Recordsからリリースされた彼のファーストアルバム “Maya” は、Mercury Music Prizeにノミネートされ、1995年にリリースされた “Last Train To Lhasa” は、数々のチャートでNo.1を獲得した。そして彼は、次々と多くのクラシックとされる名作をリリースしていくことになった。Big Men Cry(1997)、The Magical Sounds of Banco de Gaia(1999)、Igizeh(2000)、You Are Here(2004)、そしてFarewell Ferengistan(2006)。Big Men Cryに収録されたDrippyは、Darren Aronofskyのカルト映画 “Pi” に採用された。
Banco de Gaiaの音楽性はスタジオ内に留まらない。ライブミュージシャンとしても数々の名ステージを多くのファンの記憶に焼き付けており、彼がダンスフロアを熱 気に包む能力は周知の事実だ。また、彼のライブはラップトップ一台のものもあれば、機材ラック一式のものから、バンドを携えてのパフォーマンスと多岐にわ たり、様々な色をその時代背景と共に表現していく。
2007年には、ギターの生演奏、ビジュアルアート、エレクトロニック・マニピュレーションを駆使し、Pink FloydのEchoesを23分バージョンとしてカバー、その年のサイケデリックロック・シーンの話題をさらった。さらに、King Crimsonのカバーなども制作、カバー曲をフィーチャーしたアルバム “Memories Dreams Reflections” (2009)を発表。Hawkwindの “Spirit of the Age” のカバーバージョンは、Hawkwindの40周年ツーアに同行するきっかけともなる。2013年4月、Banco De Gaiaは、7年ぶりのアルバム “Apollo” を発表。このアルバムは、9曲の完全オリジナル作品を収録しており、電子音楽の全音域:アンビエント、ダブ、トライバル、ジプシー、テクノ、トランス、ブ レークビーツを内包するまさに充実の内容となっている。