Henry Saizは全てのエレクトロニック・ミュージックに対し深い愛情と、芸術への情熱を兼ね備えたクリエーターである。映画やテレビのサウンドデザイナーとしても、常に前衛的なパイオニアとして音を提供し、そのスタイルは一つのカテゴリーには収まらない。様々なジャンルから影響を受け、エレクトロニカ、ディスコ、ハウス、テクノを完璧なバランスでライブ、およびDJセットに反映していると言っても過言ではないだろう。
世界的評価の高い [Global Underground] と[Paradigm Musik Imprints]よりリリースされた彼の初期作品は、瞬く間にハウス界の重鎮John Digweedの目に止まり、2009年に最も注目されたトラックの一つと言えるだろう。(Pete TongのEssential New Tuneにも選ばれた。)またHenryがリミックスを手掛けたGuy Jの“Lamur”は各方面より≪Track of The Year≫との称賛を受ける。このリミックスの評価により、[Renaissance]から “Artificial Paradises EP”および“Madre”を、2010年には“The Rider EP”と立て続けにリリースを重ねる。その人気に伴い世界でも著名なTimo Maas、Joris Voorn、Will Saul、Agoriaなどに引き続き、[Balance Music 019]、DJミックス・コンピレーションを手掛けるまでの成功を収める。
楽曲制作と並行しながら、彼のライブ・パフォーマンスも充実したものだ。Native Instrumentsのソフトウェア、およびハードウェア(Akai APC-40, Access Virus TIやその他の機材)を同時に、そして完璧に使いこなすことで、自由自在に新たなトラックを作り出すことを可能にしている。彼のこのテクニックは、彼のPodcast { The Labyrinth }でも使用されている他、彼が繰り出すセットの潜在能力こそが、世界中の観客を魅了する理由の一つであろう。
2008年には、エレクトロニック・ミュージックを芸術と生活に融合させることをコンセプトとした[Natura Sonoris] という名のレーベルを開始。このレーベルは彼の楽曲のみではなくDamabiah、Cora Novoa、Sistema、Ryan Davisなどといったアーティスト達の基盤にもなっている。2013年の2月には、世界が待ち焦がれていたHenryのアーティストアルバム「Reality is for those who are not strong enough to confront their dreams」 (現実は夢を実現する強さを持たない者のためにある) がリリース。ファンにサンプルを提供して貰い、その中から選ばれた音を組み込み作成したこのアルバムは、世界的に注目を集めている。
HenryのDJおよびライブ・パフォーマンスは、毎週世界を魅了し続け、また前途有望なスペインのDJの一人として、〔Sónar〕や〔Creamfields〕などのフェスにも参加している。彼の活躍は2012年のDJ Mag Spainアワードで≪Best Live Act≫、≪Best Label and Best Compilation≫、DEEJAY マガジンでは≪Best of 2011≫が贈られていることでも裏付けられているだろう。
彼のワールドワイドな活躍は、世界に彼の音楽を広く伝え、エレクトロニック・ミュージック界の新しい逸材といっても過言ではない。