「香港で一番有名なDJは誰か？」と聞いたら、香港のクラブシーンを知る人は必ずFrankie Lamの名前を口にする。
香港－アジアのマネーゲームの中心地の一つであり、香港人そして外国人が多く住むカオスの街。週末になると多くのパーティーが行われ、大小様々なクラブやバーでは派手なダンスミュージックがプレイされる。17歳でDJを始めた少年は、この街で自身と彼を信じる仲間と共に様々なパーティーを作り上げて来た。20数年経った今、多くの若い香港人DJが彼を尊敬し、レジェンドだと認めている。現在の香港のDJシーンを作った男、それがFrankie Lamである。
Frankieは常に音楽を愛し、音楽を貪欲に追求する。非常に幅広い選曲のセンスと、長年研ぎ澄まされたDJスキルから生まれるプレイスタイルは他の追従を許さない。これまでにFat Boy Slim, Chemical Brothers, John Digweed, Sasha等の世界トップDJと競演し、その誰からも賞賛された。2006年、香港のアンテナマガジンである「H.K Magazine.」上で「The Hong Kong Best DJ」に選出されるとその注目度は一気に増す。
香港のビッグフェス「Rockit HK Festival 」に'05年、'06年と２年連続出演。ファッション業界からも注目を集め、Y-3、Nike、Adidas、Puma、Mihara Yasuhiro、Moussy、 Joyce group、LCX group、D-Mop group、I.T group等のブランドが開催するファッションショーのDJを歴任。及びそれらブランドのイメージサウンドのプロデュースを手がける様になり、音楽業界、ファッション業界からも注目を浴びるトップアイコンとなった。
パーティーでのDJの傍ら、香港Hip Hop DJのパイオニアとされるDJ Tommyが主催するColor Production DJ Schoolの特別講師にも抜擢され、多くの若いDJを指導して来た経緯も持つ。現在、彼は香港在住の若手タレントDJ－Dj Ball Ball, Imai Fukutaro, M@I, A-Pak, Michael, Ma sir と共に「44 Production」を運営している。彼に薫陶を受けたDJ達は今やただFrankieとパーティーを共にするだけでなく、自分達でパーティーを開催し香港の週末を賑わせている。「Frankieスタイル」のパーティーは、今香港中に溢れているのだ。
Frankieは大の親日家でもあり、石野卓球、DJ KENTARO、Dr.SHINGO、RYUKYUDISKO等のアーティストを香港に招聘。日本人アーティストと積極的に交流を図り、また数度来日してDJプレイも果たしている。日本に限らず他のアジア諸国に進出する事も計画されており、ますますFrankie Lamの名前は広まって行く事だろう。
香港DJシーンの中心にいるFrankieだが、まだまだその現状に満足はしていない。香港の人々に「もっともっと、カッコいいアンダーグラウンドサウンドを紹介したい」という情熱は衰える事を知らない。その底なしの「音楽愛」は、これからも香港の夜を、アジアの夜を賑わせて行く事になりそうだ。