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THOMAS GOLD

「境界線は存在せず、観客はみんな平等で、どんなポップアイコンだってただの人間だ。」これはドイツ、ベル リン出身のトーマス・ゴールドが、現代のダンスミュージックと徹底的に向き合って見出した価値観である。爆発的なライブセットと、スタジオでの非の打ち所 のなさで賞賛される彼は、スウェディッシュ・ハウス・マフィアのAxwellのレーベル、Axtoneレコードの看板アーティストでもある。そんなトーマ スは、世界のエレクトロミュージックに全てを捧げる、アーティストの鑑であり続けている。 だがそんなエピソードはまだまだ序の口で、2006年のファーストリリースから、彼は音楽業界を駆け上がっていった。Miami Music Week 2011に向けての製作では、ドイツの新鋭プロデューサーとしてのサウンドを巧みに表現した。見事にジャンルの概念を打ち砕き、Toolroom RecordsPhazingSpinnin' RecordsSize Recordsと契約。その変幻自在な音楽性は21世紀的な表現の爆発を象徴しており、それは彼独特のものなのだ。 彼のデビュー作はAxtoneからリリース。荘厳なインストルメンタルでファンから人気の 'Sing2Me' は、マイアミで収録され、Beatportで見事1位の座に輝く。

リミックスにも、もちろん定評があり、アデルの 'Set Fire To The Rain' の雄大なリミックスは、YouTube1400万回再生という記録を打ち出した他、レディー・ガガ、Miike Snow、ファットボーイ・スリムといった様々なアーティストのリミックスがリリースされている。この大胆不敵さも、トーマス・ゴールドの大きな魅力 である。 スターDJ界隈での彼の評価は高く、ティエストやスティーブ・アンジェロはもちろん、AxtoneのヘッドであるAxwellも兼ねてから目を付けており、共同企画もすぐに持ち上がるほどで、その結果誕生したのが 2012年にリリースされた初のコンピレーションアルバム、“Axtone Presents Thomas Gold”である。内容は、彼のソロ作品の集大成とも言えるもので自作品のリミックスやマッシュアップ、そしてレーベルオリジナルからの選曲で構成されて いるという、いいとこ取りのトラックコレクションで、彼のライブと同じ雰囲気を感じることができる。まさにトーマス・ゴールドのキャリアのスタートに、重要 な1ページを刻んだ作品だと言えるだろう。レコードを解釈し、ダンスフロアへ発信する力こそトーマス・ゴールドの最大の武器であり、存在感を絶対的なものにしている。彼は、箱がスタジアム だろうと小さなライブハウスだろうとお構いなしで、すべてのセットに全力を注ぐ。これぞベルリン流の真骨頂といえるストーリー溢れるDJミックス、更に切り札である自作のリミックスが随所に散りばめられ、彼のセットに華を持たせることもまた、彼のDJの最大の特色といえよう。彼の素晴らしさはスタジオとクラブとの一貫したワークバランスにもはっきりと見ることができる。Fanfareラジオでは、彼の音楽活動の違った側面を見ることができ、また、 Sirius XMRadio FGBig City Beatsや自身の管理するウェブページでは、注目リリースや新人アーティストの発信にも力を怠らない。電波に乗った彼の活動は、現在進行形でますます彼の音楽性 の認知度を高めている。発表間近のエッセンシャルミックス、DJ Mag Top 100への選出、さらにAxtoneでの活動もあり、Thomasにはのんびりと成功を味っている時間は無い。ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、南 アフリカ、そしてアメリカ各地をめぐるツアーが既に決定しており、進化を続ける新しいサウンドやリミックスが、彼の引き継いできたものと一体になり、私達の前に現れることになるであろう。宇宙を思わせる澄み切った音楽性をもつトーマス は、エレクトロミュージック、そして彼の熱心なファンたちにとって、かけがえのない存在なのだ。