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RONDENION’S RAGRANGE SYMPHONY

“RAGRANGE RECORDS”レーベルを主宰するRONDENIONが、同レーベルからリリースするアーティストNO MILK、KEZ YMと2012年に結成したユニット。同年、”RAGRANGE POINT EP”をリリース。

STILL MUSIC (シカゴ)~RUSH HOUR (アムステルダム)~BOSCONI (フローレンス、イタリア)など欧州を中心に、2000年代半ばから、海外での人気を獲得していったRONDENIONが、自身だけでなく、才能ある日本人プロデューサーたちを海外に紹介していこうと設立したレーベル”RAGRANGE RECORDS”。天体用語である「ラグランジュ点(ポイント)」から引用された、このレーベル名の本質を色濃く表するもの、それがRONDENION~NO MILK~KEZ YMといった3人のジョーカーによって編成されたユニット『RAGRANGE SYMPHONY』である。

和製MOODYMANNと呼ばれて久しいRONDENIONだが、彼は元々クラシックを学び、エレクトリック・ミュージックの虜になった後、PRINCEに音楽から自己表現のスタイルまで影響を受けた少年であった。PRINCEを核に、幅広い音楽背景を持ったことが、後のデトロイト・テクノ~デトロイト・ハウスへの繋がりを生み出すことになるのだが、それは単なる影響というよりも、同じようなルーツを持っていた
という表現がより近いと思われる。MOODYMANNやTHEO PARRISHらと比較される他のアーティストたちと一線を画し、欧米でリスペクトされる彼の音楽性は、そういったことが理由ではなかろうか。

そのRONDENIONが、やもすると自分以上に(?)才能を認めているのがNO MILKである。NO MILKは、98年、英国との深い交流を持つ日本のアンダーグラウンド・レーベル”CAPRISIOUS”からリリースされたシングルでデビュー。この作品が英国~米国でスマッシュ・ヒットを獲得したことが、当時、話題となった。その後、自身主宰の”Rhapsody Records”レーベルを立ち上げ、デトロイトに影響を受けた数々の佳作を世に送り出す。Carl Craig、Amp Fidlerらとの競演となった"Detroit Beatdown Remixes"への参加や、CALM主宰のレーベル”Music Conception”から2005年にリリースしたアルバム”UP ALL NIGHT”は素晴らしい評価と賞賛を得た。多作とは言えないNO MILKであるが、逆に駄作を決して世に出さない
アーティストでもある。今回は、気心の知れた2人とのコラボ・ユニットだけに、期待せずにはいられない。

そしてトリオの最後に紹介するは、近年、海外でのDJ・ワークが話題のKEZ YM。2008年、4 lux (ロッテルダム)からアナログ・シングルでデビュー。その後、YORE RECORDS (ケルン/独)~MUKATSUKU RECORDS (ロンドン)~FACES RECORDS (アムステルダム)といった名うての海外レーベルからコンスタントに作品をリリース。またリリースに合わせて高い頻度で開催されてきた欧州でのDJツアーで、作品だけでなく、フィジカルでアグレッシブなDJスタイルで、近年ではDJとしての高い評価を得ている。